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« #13らくご古金亭(2014/3/15) | トップページ | 国立演芸場3月中席・楽日(2014/3/20) »

2014/03/19

【寄席な人々】観客のマナー

寄席や落語会での客の迷惑行為について何度かふれてきたが、コメントで寄せられた意見を含めあらためて整理してみたい。
(1)携帯電話に関するもの:呼び出し音、メールの受信音、モニター画面の灯り
(2)客同士の会話:私語、ネタの解説、オチを先に言う
(3)雑音:買い物袋のガサガサ音、いびき、時計のアラーム
(4)客席への入退場:口演中の着席または退席
(5)近くにいると気になる行為:前方の席での長時間の熟睡や読書、長時間の探しもの、派手な拍手や笑い
まとめると、次の様になる。
(1)無用な音を立てない
(2)口演中の入退場は避ける
これは落語会だけではなく他の演劇やコンサートなどでも守るべき事項だ。
この点は共通認識としておきたい。

ただ寄席とそれ以外の落語会とでは求められる基準は少し違うと思う。
先ず寄席のマナーだが、当代の金馬が語っていたように以前に比べると格段に良くなっている。
昔との大きな違いはヤジを飛ばす客がいなくなったことだ。なかにヤジられた芸人の贔屓がいたりすると客席からヤジり返し、時には喧嘩が起きるなんて光景はかつてはあった。
これはマナーとは異なるが、今はどんな芸人にでもほとんどの客が拍手を送る。以前は前座に拍手する人など稀だった。女性客が増えたという要因もあるかも知れない。
都内にある4軒の寄席(定席)のうち鈴本を除く他の3軒はいずれも昼夜入れ替えなしだ。昼前から夜の9時近くまで興行を行っている。この間の入場や退場は自由だ。開演から終演までいようと途中から入場して途中で退場しても一向に構わない。
前座は開演前に上がるので入退場は構わないが、二ツ目以後については口演中の入退場は避けて芸人が入れ替わる間に済ませたい。私の場合、途中入場の時は後方で立ち見をして入れ替わる時に着席している。
客席の照明を落とさないので客席が明るい。本だって読める。もちろん睡眠も自由だ、寄席というのはそうした緩やかな空間でもある。ただそうした行為は後方の席でして欲しい。
以前に最前列で前座からトリまでずっと足を投げ出して熟睡していた女性客がいて、数日後にまた出会ったら同じように最前列で熟睡していた。こうなると嫌がらせとしか思えない。
最前列で新聞や本を読む男性客を見たことがあるが、あれも遠慮して欲しい。
芸能で客席内での飲食が可能なのは寄席と歌舞伎ぐらいだろう。とはいえ歌舞伎の場合、開演中に食事する人は見かけないから、飲食自由なのは寄席だけだろう。隣合わせで飲んだり食べたりしているとついつい会話もしてしまう。だから飲食は出来るだけ二ツ目が上がる前か仲入りで済ませて欲しい。
以上が寄席で注意すべき諸点ということになるだろう。

それ以外の落語会の場合は、他の演劇などと同様のマナーが求められる。なかに落語会ならではの苦情もあるので検討してみたい。
先ず、私語の中身としてネタやサゲの解説というのがある。大抵が詳しい人と初心者との組み合わせのケースで、例えば落語ファンが馴れない奥さんを誘って来たような場合だ。本人としては連れ合いに面白さを理解して貰おうとサービスしている積りだろうが、休憩時間にゆっくりとやって欲しい。
派手な拍手や笑いが気になるという声もある。私も神社の柏手のような大仰な拍手をする人や、何が面白いのか初めから終わりまで大笑いをし続けてる人(ゲラさん)が近くにいると、そちらが気になってシラケテしまう事がある。
ただこれはマナー違反というわけではない。笑いのツボはそれぞれ違うし、大笑いしたくて落語会に来る人もいる。反対に終始ニコリともしない人がいるとそれも気になる。妻と一緒に行くと私があまり笑わないので、「あんた、面白くないの?」と訊かれることがある。だから笑い方の大小については大目に見るべきだろう。
歌舞伎に「大向う」といって役者の屋号を掛ける人がいる。舞台が引き立つし聞いていても気分が良い。しかし一度すぐ後ろの席でこれをやられたら結構きつかった。なにしろ声が大きいしそれが数十回にも及ぶのだ。気になって芝居に集中できなくて困ったが、こればかりは注意するわけにも行かない。不運と諦めるしかない。

自己には厳しく周囲には多少の寛容の精神を持つことが落語を楽しむコツかも知れない。
色々書いた割には、当たり障りのない結論になってしまった。

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コメント

落語が始まる度に
ペンをカチカチ→時計→メモ→ペンをカチカチ→背広ポケット又は鞄にしまう
近くでこの動作を繰り返されると閉口します

先日の末広亭でも、開口一番以降の口演の途中で桟敷の戸を開けて客が入ることが再三ありましたが、あれは寄席の従業員も入れないようにして欲しいものです。
椅子席、桟敷に関係なく、高座と高座の合間で座る、これが基本だと思います。
あとは、落語会で高齢の女性に多いのが、口演中のチラシめくりですね。
会場側でしっかり注意するのは、横浜にぎわい座。あれは、良い意味で伝統になりつつあります。
博品館に最近行かなくなったのは、口演中にご丁寧に席まで誘導するからかもしれません。


笑門福来様
メモを取るとこ自体は問題ないですが、ボールペンのカチカチという音は意外に気になります。とにかく無用な音は出さないという点は注意して欲しいものです。

小言幸兵衛様
私も途中入場で後ろに立っていると、強引に席を案内しようとする係員がいて閉口することがあります。会場係の基本的な教育がなされていません。
本当はいちいち注意せずに、客自体がマナーを守れるようにするのが理想なんでしょうが。

拝読しました。
後で、小三治は大袈裟に笑ったり拍手されたりするのが好きだと勘違いをしているファンのサービスと聞きました。
寄席で客に笑い声を求める落語家や、テレビの番組でもそうですが、わざわざ笑い声をいインサートしたり、スタッフがわざとらしく笑ったりする事を不快に思っていました。
確かに、笑いのツボも笑い方の大小も人それぞれですね。もう少し寛大な気持ちを持とうと思います。

志の輔は全劇場に通信機能抑止装置を設置すれば良い言ってましたが、歌舞伎座でも上演中に携帯(スマホ?)が鳴り響いた事があったので、どうやら携帯電波抑止装置も場所によっては効きめがないようです。自分は電子音が一番気になるので、やっぱり当たり前の事ですけど、個人が気を付けないとです。

背離れや女性が着物の帯を潰さないように浅く腰掛けたり、盛り上げた髪型をした人がいると舞台が見づらくなるので個人的には控えめにしてほしい。
あとは、過度な匂いも迷惑行為。香水や靴を脱いだり、寄席でカレーは如何なものか。

フラニー様
笑いを強制されるのは不快ですが、自然な笑いは誰も咎めることはできません。
寛大な気持ちでのぞむしかないのでしょう。

けんけんぱ様
私もいくつかの電波抑制装置がついている劇場で携帯の呼び出し音が鳴るのを聞いています。完全に電波をシャッタアウトすることが出来ないのでしょう。
やはり各自で気を付けるしか手がありません。

蘆の角様
和装ですと背もたれを使わないようにするでしょうし、髪も高く結うことになります。しかし和服を禁止するわけにも行かないので我慢するしかないのでしょう。
以前当ブログで「香水被害」という記事を書いたことがあり、私は香料の強り匂いをかぐと頭が痛くなることがあります。これも使う人自身に注意して貰うしか手がなさそうです。確かにカレーは避けて欲しいですね。

口演中もメモを取り続けている人は気になります

笑門福来様
メモを取る人の理由ですが二つあると思います。一つは自分用の記録として、もう一つはブログやSNSへの記事にするため。後者の場合ですと不正確な事は書けないので最低限のメモは必要です。問題は程度ですね。私の場合は口演中のメモは出来るだけ避け、演者の交代時にネタのタイトルだけ書くようにしています。しかしもう少し詳しく紹介しようと思ったらやはり口演中にメモしないといけなくなります。この辺りの匙加減は個々の判断に任されるわけで、線引きは難しいでしょうね。

アナウンスされる注意事項以外は、個人の判断に任されていますから、不快に思う事もマナーも個々に違いますし無くならないでしょうね。コメントを読んで、特に落語はそう思いました。

けんけんぱ様
狭い空間に大勢がひしめき合っているのですから、お互い知らず知らずに迷惑を掛けたり掛けられたりしている事もあります。
ご指摘のように最低限のルール"minimum requirements"は守り、楽しむことに集中した方がいいでしょうね。

しがらみがあるとはいえ、複数の席取りは下品だと思う。
一人で行く事がほとんどで、やっかみに聞こえるかもしれませんが。。。

太郎丸様
先に着いた人が後からの連れのために席を確保するという光景はよく見られますね。気持ちは分かりますが、これで客同士が口論になったのを見ていますので、やはり避けるべきでしょう。

好きな場面の時は、一瞬で現実の世界に戻されるので、悲しくなります。(>_<。)。
ちらりとみたり、それとなく注意を促すのも、周辺の雰囲気を乱す嫌いがあると思うので難しいですね。('-'*)(,_,*)

林檎様
確かに注意するのは難しいですね。せっかく小声で注意したら無視されたりすると余計に腹が立ちますし。

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