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« なぜ研究者は「画像切り貼り」するのか | トップページ | #419花形演芸会(2014/4/26) »

2014/04/26

#14文七笑唄会(2014/4/25)

第14回「文七笑唄会」
日時:2014年4月25日(金)19時
会場:茶や あさくさ文七
<  番組  >
春風亭朝也「短命」
橘ノ圓満「百川」
~仲入り~
柳家ろべえ「ぞめき」
林家たけ平「徂徠豆腐」

ここんとこ地域寄席といわれる会にポツポツと出向いているが今回は「文七笑唄会」へ。会場となる「茶や あさくさ文七」は雷門柳小路にある喫茶店で、喫茶室の中に高座が設えてあるという珍しい店だ。喫茶といっても夜はアルコールも出す。入場料はドリンク込みなので一杯呑みながら落語が聴けるという仕組み。当方は赤ワインをチョイス。
出演者4人はいずれも二ツ目で、それぞれの経歴を入門順に協会HPより引用する。
【林家たけ平】
2001年 林家こぶ平(現正蔵)に入門
2002年 前座となる
2005年 二ツ目昇進
【橘ノ圓満】
2002年 三代目橘ノ圓に入門 前座「冨多葉」
2006年 二ツ目昇進 「圓満」と改名
【春風亭朝也】
2002年 春風亭一朝に入門
2002年 前座となる
2005年 二ツ目昇進
【柳家ろべえ】
2003年 柳家喜多八に入門
2003年 前座となる 前座名「小たま」
2006年 二ツ目昇進 「ろべえ」と改名
いずれも2001‐2003年入門の人たちで、ここ数年で真打に手が届く位置にある。
もっとも圓満は今年50歳、元は上野の老舗日本料理屋「行徳」の若旦那だったそうで、落語を「地」で行くような人だ。
4人ともそれぞれ独演会を開いたり「朝日いつかは名人会」に出演したりと活躍を続けている実力派揃い。
初参加なので比較のしようはないが、どうやらこの日は入りが良かったようだ。

朝也「短命」
先ず八五郎が隠居から「悔み」を教わる所から始まるフルバージョン。隠居がお店の婿が短命な理由についてヒントを出すのだが一向に気付かない八。それじゃその美人の若奥さんの亭主になった気分で、飯をよそって貰い手と手が触れる、その時にお前ならどうする? ここで漸く鈍い八も気が付くという筋立て。これは師匠仕込みなのか、朝也の工夫なのか。
喜多八の「短命」を聴きなれていると、二人のヤリトリがややアッサリに感じてしまった。

圓満「百川」
ただ一人の芸協ということからか、5月1日から始まる新真打披露興行のことをマクラに。知らない人はきっと、この人はとっくに真打になってると思うだろうね。
百川の主人、奉公人の百兵衛、河岸の若い衆の初五郎、医者の鴨池ら登場人物の演じ分けもキッチリ出来ていた。本人が三代続いた江戸っ子らしく、河岸の連中の歯切れが良い。ただ百兵衛が奉公人だと分かった後に通常は若い衆たちの「なんだ、違うじゃねか」「そういや俺もおかしいと思ってたよ」等の会話が交わされる部分がカットされていたのが、オヤッと思ったけど。

ろべえ「ぞめき」
マクラで小三冶や喜多八を呼び捨てにしていたのは大変結構。仲間内なんだから「師匠」なぞと敬称を付けるのが本来はおかしいのだ。
ネタは師匠譲りで、吉原通いが過ぎて二階に上げられたまんまの若旦那が、花魁との痴話喧嘩を妄想するというストーリー。志ん生が十八番にしていた「二階ぞめき」とは似ているが別の演目。
若いのに色街の男女の恋模様の雰囲気が出していて好演だったが、途中の都々逸は頂けない。もう少し稽古をしないとその後の「いい声だねぇ」という花魁のセリフがギャグみたいに聞こえてしまう。

たけ平「徂徠豆腐」
このネタは演者によって演出が異なるが、赤穂義士の討ち入りと絡めたストーリーにしているケースが多い。というのはこの物語でいえば、学者なら誰でもいいわけだが、敢えて荻生徂徠と特定しているのは忠臣蔵との関係と切り離せないからだろう。
たけ平の演出はその赤穂浪士との関係をスッパリ切り捨て、豆腐屋夫婦と貧乏学者との出世物語に特化させ、「情けは人の為ならず」という教訓臭の強い噺に仕立てていた。
そのためか、豆腐屋が徂徠にお握りを届けると申し出ると、徂徠が「乞食ではない」と断り、それを聞いた豆腐屋がますます心意気を感じるといった様な筋に変えていた。
随所にこの人らしいクスグリを入れ、本来の明るい芸風を活かして楽しませてくれた。
欲をいえば、時間が少々長めだったか。

店もお客の雰囲気も良く、機会があれば又来たい。

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コメント

以前、「ひるよせ」(入場無料・ワンオーダー制)が行われていて、思いがけず嬉しかったのを思い出しました。
コーヒーもおいしかったです。余談ですが浅草は昭和の喫茶店が多いですね。

林檎様
私も最初はコーヒーをと思っていたのですが、アルコールもありますよと言われて気が変わりました。酒飲みの性(さが)です。

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