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2014/04/20

#31「三田落語会」(2014/4/19夜)

第23回三田落語会・夜席「権太楼・圓太郎・三之助」
日時:2014年4月19日(土)18時
会場:仏教伝道会館8F
<  番組  >
前座・柳家さん坊『牛ほめ』
柳家三之助『夢の酒』
橘家圓太郎『黄金餅』
~仲入り~
橘家圓太郎『棒鱈』
柳家権太楼『子別れ(下)』

前座のさん坊『牛ほめ』、何ど目になるのか忘れたが、この日が一番の出来。よけいなマクラを振らずネタに入ったせいかリズムが良かった。筋は悪くないので真っ直ぐに育って欲しい。

三之助『夢の酒』
この人の佇まいはいかにも落語家らしい落語家だ。華やかさがあり声が明るいので鬼に金棒。
マクラの手話の話題が面白かった。「コラ!とコーラ」「シャワーとサワー」が手話では同じ動作になるという、洒落てますね。「コラ」が元々は九州の方言で明治の時代に巡査が多用して全国にひろまったらしい。当時の巡査は九州出身が多かったからだという。落語ってためになるねぇ。
ネタはご存知8代目文楽の作品。三之助の高座は文楽の演出をそのまま踏襲していた。人物の演じ分けも出来ていて、舞台が大店の奥らしい品も保たれいい仕上がりだった。

圓太郎『黄金餅』
落語の登場人物の多くは庶民だが、「らくだ」やこのネタは当時の社会の最下層の人々を描いている。荼毘にふした遺骨から金を拾い集めるという噺を嫌う人もいるが、人間の欲望をむき出しにした落語には珍しい筋立てでアタシは好きだ。
圓太郎の高座は、願人坊主・西念の金への執着と、底辺から何とか這い上がろうとする金山寺味噌売りの金兵衛のエネルギーが横溢した演出でよく出来ていた。遺骨から小粒を拾う姿は鬼気迫るものがあった。
惜しむらくは聴かせ所の「道行きの言い立て」が途中でつかえてしまった事。このキズさえなければ・・・、という高座だっただけに残念。

圓太郎『棒鱈』
薩長の田舎侍が将軍のお膝元である江戸に乗り込んできて大きな顔をするようになった幕末から明治、江戸っ子はさぞかし面白くなかっただろう。これを唐紙一枚挟んだ両者を対比させるという手法なので、双方の切り替えがキモ。あと数分でサゲという所で途中で切ってしまったのは時間の関係からか、解せない。

権太楼『子別れ(下)、又ハ子は鎹』
三田落語会は二人会形式だが、権太楼に関しては健康上の理由によるのか、今回のように一席だけということがある。
アタシはこの噺があまり好きじゃない。それなのに若手からベテランまで頻繁に高座に掛ける。人情噺(正確には違うが)の代表作のように演じられているのは『芝浜』と双璧。あっちもそれ程の作品じゃないと思うのだが。
結論からいうと、権太楼の高座は感心しなかった。理由は大きく二つある。
一つは、熊と女房、息子の亀の親子三人が再会を果たす場面にお店の番頭を同席させ、番頭が二人を元の鞘に納める仲立ちをするという演出だ。ここは親子三人水入らずが本筋。だから「子は鎹」という諺が利いてくるのだ。
二つ目は、登場人物が泣き過ぎだ。演者があまりお涙頂戴に走ると聴いてる方が白けてしまう。母親に叱られた亀が「おとっつぁんに会いたいんだい」と泣きじゃくるのも不自然。亀はたったいま父親に会って来て翌日には鰻屋で会う約束をしているのだ。
これだったら三之助に二席演って貰った方が良かったのではなかろうか。
そう思える高座だった。

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コメント

権ちゃん、時々やり過ぎますね。
それを喜ぶファンもいるからなあ。

投稿: 佐平次 | 2014/04/20 11:02

佐平次様
過剰演出ですね。権太楼節に酔える人には良かったかも知れませんが。

投稿: ほめ・く | 2014/04/20 11:31

三之助いいですよね。
しばらく聞いていないなぁ。
円太郎の『棒鱈』短縮は、権太楼のトリネタへの配慮なのでしょうか。
ところで、権ちゃん、マクラで協会の会長交代のことはふれなかったのでしょうか。

投稿: 小言幸兵衛 | 2014/04/20 18:46

新会長の件は誰も触れなかったです。僅かに圓太郎が『棒鱈』で田舎侍が唄い続けるのを「柳亭市馬みたいだ」というクスグリを入れた程度でした。落語協会のHPにも何も書かれていないようですね。

投稿: ほめ・く | 2014/04/20 21:26

市馬が新会長ですか。
小三治は副会長にした時からゆくゆくは、と考えていたんでしょうね。
何にしても若いトップは必然的に改革派たることが求められますが、
これがまたなかなかの難事・・・

投稿: 福 | 2014/04/22 06:44

福様
この件のレスは長くなりますので、記事としてアップします。

投稿: ほめ・く | 2014/04/22 17:14

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