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2014/04/25

なぜ研究者は「画像切り貼り」するのか

新たな万能細胞「STAP細胞」の論文に不正があったとされる問題で、理化学研究所の調査委員長を務めた石井俊輔・理研上席研究員が4月25日、自身の論文に不正の疑義が出たことを理由に委員長を辞任した。調査委は、現在STAP細胞論文の不正問題で著者の小保方晴子・理研研究ユニットリーダーから出された不服申し立てについて審査中であり、再調査の判断にも影響が出そうだ。なお後任の委員長は、調査委員の一人の渡部惇弁護士と決った。
辞任の原因となったのは、石井氏が2004年と2008年に責任著者として発表したがんに関する論文について、画像の切り張りや使い回しが指摘されたものだ。石井氏は、いずれも実験データがそろっていることから「不正はない」としている。
理研は石井氏の論文不正疑惑の指摘について予備調査を始めた。不正の疑いがあると判断すれば、STAP細胞論文と同様に調査委を発足させるようだ。

負の連鎖、どこまで続く泥濘(ぬかるみ)ぞ。

科学技術論文で画像の切り貼りというのはかなり広範囲に行われていると考えた方が良い。これが全て「不正」だとするなら、不正論文の数は際限なく拡がるだろう。
なぜ論文の「画像切り貼り」が行われるのだろうか。
科学論文というのは何かを証明するわけだが、典型的な例としてAとBの二つの結果の違いを証明するとしよう。Aは従来の試験結果、Bは新たな試験結果だ。
この違いがデータやグラフだけで証明できれば良いのだが、研究内容によっては画像や映像でしか証明できないものもある。
研究者自身は実際の測定装置で違いが明確に分かるのだが、これを写真に撮影し一定のサイズの画像として論文に添付する時、読む方からするとその違いが分かり難いということが、ママある。そうなると証明の訴求力が薄れてしまうわけだ。
そこで違いが明確に分かるような画像の切り貼りや、別の実験から得た画像に差し替えて、論文に貼りつけるという様な操作が行われる事がある。これによって研究者が実験室で確認したような違いを、論文上で再現させることになる。
心当たりのある研究者も少なくないだろう。
厳密にいえば不正だ捏造だということになるのだが、研究者側から言わせれば不正ではないということになる。
無いものを有ると言ったり白を黒といえば明らかなウソだし捏造だと言い切れるのだが、この辺りはいわばグレーゾーンで悩ましい所だ。

実はこの説明を我が家で女房と娘にしたら、それはインチキでしょうと総スカンを食らってしまった。反論の余地なし。
世の中に正義感ほど強いものはない。

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