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2014/07/26

#352にっかん飛切落語会(2014/7/25)

「第352夜 にっかん飛切落語会」
日時:2014年7月25日18時30分
会場:イイノホール
<  番組  >
前座・瀧川鯉津「動物園」
入船亭扇辰「一眼国」
柳亭小痴楽「湯屋番」
~仲入り~
三遊亭天どん「タラチネ」
立川志の輔「抜け雀」

久々の「にっかん飛切落語会」だ。
この会はレギュラー制をとっていて、この日の小痴楽と天どんの二人と、他に志の春、たけ平、萬橘、宮治の合計6名、いずれも二ツ目と若手真打という顔ぶれだ。これに毎回ゲストが加わるという構成。
1993年~2007年まで「にっかん飛切大賞」が設けられていたが、受賞者は圓太郎と三三のたった二人という狭き門。
プログラムに東京かわら版編集人の佐藤友美という人が短文を寄せているが、その中で「立川談志(敬意をこめて呼び捨て)」としているが、これは正しい。近ごろ落語家の名前にやたら「師匠」付けする人があるが、弟子でもないのに却って失礼だ。先日も「志ん生師匠は・・・」なんて話してる若いヤツがいたが、この分じゃやがて「圓朝師匠」なんて言い出す人間も現れるだろう。

扇辰「一眼国」
マクラで二ツ目時代に楽屋で、談志に「扇橋のところの扇辰でございます」と挨拶したら、顔も向けてくれなかったとのこと。高座に談志が上がりマクラを語り始めた時に前方の客の携帯が鳴った。一瞬、場内は凍りついたような静寂に包まれたが、談志はその客に「早く(電話に)出なさい。家が火事かも知れない」と言った。これが携帯を鳴らした客へのフォローと、客席を和ますという効果があり、さすが談志だと感心したと語っていた。
チョッといい話。
ネタは毎度お馴染みで、近ごろやたらにこの扇辰のこのネタにぶつかる。

小痴楽「湯屋番」
初見。5代目痴楽の息子で、当代は3代目。25歳と言ってたので、レギュラーの中で飛び抜けて若い。明るくエネルギッシュな高座スタイルで、ほぼ古典通りにフルバージョンのネタを聴かせた。
将来性十分で、このまま行くと20代の真打が誕生するかも知れない。

天どん「タラチネ」
芸名の「天どん」の自虐ネタをマクラに。確かに真打昇進で名前が変わらなかったのは不思議。
その後オリジナルの「たらちね」の言い立てとサゲを説明しネタに入る。
嫁さんが金髪のハーフで、京都で奉公してきたのでお屋敷言葉とカタコト英語が混ざったような言葉使いになる所がミソ。得意ネタらしく完成度が高く客席を沸かしていた。
しかし会話の一部を英語に変えてという手法は、他のネタでは既に演られており、新鮮味が感じられない。
師匠・円丈の「新寿限無」のような言い立てのヒネリもなく、アタシはあまり感心できなかった。

志の輔「抜け雀」
この人目当ての客が多数だったと思われる。
マクラでネタに因んで北陸新幹線やリニアモーターカーの話題を振り、客席を志の輔ワールドに引き込む。こういう呼吸がこの人は巧みだ。
ネタに入って通常の型と違うのは、若い絵師が道中で駕籠かきをぶつかり怒鳴られる場面を置き、これがサゲの解説替わりにしている。
絵師が雀の絵を描き宿を発つ時に、亭主にあの女房とは別れろと言い捨てる。絵のお蔭で宿が繁盛し絵が2千両で売れる事が分かると、再び訪ねてきた絵師に女房の態度が豹変するのを見て、絵師が亭主に「まだ別れぬのか」と言う場面は志の輔の工夫と思われる。泊り客が一文無しと知って女房が怒り、やむなく亭主は2階に寝て翌朝に衝立の雀が抜け出すのを目撃する所も独自か。驚いた宿の亭主が近所の店に行き、雀が抜け出したのを所作で表現させて客席の笑いを誘う。
志の輔のネタにしては特に優れたものとは言えないが、観客は大喜びだった。

帰りにすぐ後ろにいたサラリーマン風の二人連れが、池袋演芸場8月上席の小三冶のトリの番組の前売り券が買えたと言っていた。その人は2回行くらしい。この分じゃ8月には、当日券を求めて早朝から並ぶ人が出るんじゃなかろうか。

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コメント

政治家でも芸人でも一般人は呼び捨てがいいと思っています。
安倍さんなんて言いたくもないし。
扇辰のお伽噺は好きです。
しばらくご無沙汰してるなあ。

投稿: 佐平次 | 2014/07/26 11:35

昨夜は子供を何人か見かけたのですが、ロビーや中入りでの催しも落語も(動物や雀の真似も)子供が楽しめる内容だった気がします。
*  *  *  *  *
時々「師匠」付けをしていました。普段は「さん」ですが、(落語家ではない方が書かれた)本や年輩の方が使われていると口にしてしまう事もあります。確かに弟子でもないのに失礼ですね。気をつけます。

投稿: 林檎 | 2014/07/26 17:08

佐平次様
巡り合わせか扇辰の『一眼国』には良く当たります。マクラで、又かという気分になります。
落語家の名前にいちいち師匠付するのは、読んでいても聞いていても鬱陶しい気がします。もし付けるなら講釈師や漫才師、手品師、曲芸師、音曲師、俳優などの芸人全てに尊称を付けねばならないでしょう。
私は嫌ですね。

投稿: ほめ・く | 2014/07/26 18:35

林檎様
ご一緒だったんですね。楽しい会でした。
師匠付ですがこれは趣味の問題でもあり、自分の考えを押し付ける気はありませんが。
少なくとも以前には業界内や関係者、ご贔屓筋以外の一般の客が、師匠付けするのは聞いたことがありません(呼びかけする時なら別ですが)。
それと近ごろは高座で他に落語家に師匠付けする噺家がいますが、これも変です。お客の前では呼び捨てにするのが礼儀でしょう。
だから「志ん生師匠」なんて言う人がいて驚いたんです。
逆に言うと、私の場合は師匠付けできるような親しい人がいないので、全て呼び捨てにしています。

投稿: ほめ・く | 2014/07/26 18:48

私もブログでは「師匠」とか「○○師」とは書きません。
ほめ・くさんの記事のおかげで、落語愛好家仲間のために、池袋の8月上席昼の前売りを確保することができました^^
宮仕えの身で、私は行けませんがね。

投稿: 小言幸兵衛 | 2014/07/27 20:50

小言幸兵衛様
お役に立って何よりです。
そうですね、現役の方にとっては昼の部は難しいですよね。
今夏、当方は怪談噺をいくつか梯子する予定です。

投稿: ほめ・く | 2014/07/27 23:40

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