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2014/07/03

国立演芸場7月上席初日(2014/7/2)

前座・春風亭かん橋『寿限無』
<  番組  >
三笑亭夢吉『ろくろ首』
桂右團治『甲府い』
Wモアモア『漫才』
瀧川鯉昇『蛇含草』
三遊亭金遊『小言念仏』
~仲入り~
『真打昇進披露口上』下手より司会の右團治、蝠丸、小蝠、昇太、鯉昇、金遊
春風亭昇太『宴会の花道』
柳家蝠丸『お七(別名:お七の十)』
ボンボンブラザース『太神楽曲芸』
柳家小蝠『妾馬』

国立演芸場7月上席は落語芸術協会の新真打昇進披露興行で、2日の初日は「5代目柳家小蝠真打昇進披露」。今回昇進した3名のうち、この人だけが未見だった。

夢吉『ろくろ首』、褌に猫がじゃれつく場面をカットした以外は5代目小さん流。客席を一気に明るくするキャラの持ち主で、やがて芸協を背負う一人になるだろう。
右團治『甲府い』、古典を真っ直ぐに演じる姿勢がいい。女流には珍しいほど啖呵が切れるのも魅力。
Wモアモア『漫才』、いきなり政府が決めた集団安全保障について批判、「戦争は嫌だ」と言ってたがその通り。こうした時事問題を正面からとりあげる芸人が少なくなった昨今では貴重な存在。
鯉昇『蛇含草』、いつもの扇風機のマクラからネタに入ると、短縮版ながら3代目三木助ばりの餅の食い分けを演じて客席を沸かせていた。
金遊『小言念仏』、仲入り後の披露口上で、落語家は貧しい暮らしの中で稽古に励まねばならないと語っていたが、この人が言うととても説得力がある。醒めた目をしていて独特の雰囲気を感じさせる。
『真打昇進披露口上』では、師匠・蝠丸の温かい人柄が溢れ出るような口上が印象的だった。小蝠は良い師匠を持った。
昇太『宴会の花道』、マクラで、新橋演舞場6月公演で沢口靖子と共演できた喜びを語っていた。ネタは新作で、宴会好きの職場で酒が呑めない社員の提案で、次は各自の好きなものをリクエストして酒抜きの食事会を開くことになり・・・というストーリー。昇太の新作は概して古臭く感じ、客は受けていたがあまり面白味は感じない。
蝠丸『お七』、同じタイトルで全く違うネタがあるため別名を『お七の十』とも言う。4代目柳亭痴楽が十八番としていたが、その後は演じる人がいない珍しいネタで、蝠丸も自分一人しかいないと言っていた。八百屋お七の物語を落語にしたもので地噺風に演じるのだが、時間の制約から途中で終わってしまったのは残念。
膝は大好きなボンボンブラザース
トリは新真打の小蝠『妾馬』、最初は談志に入門したが上納金を滞納し破門となり、次いで10代目文治の弟子になり、師匠没後に蝠丸門下に移籍という経歴の持ち主。師匠とは対照的なまぁるい体形で声も大きいのだが、いかんせん滑舌が良くない。そのせいか、語りが一本調子となる。先ずあの欠点を直さないといけない。

金遊が口上で、真打になるということは学校を卒業して社会人になったと同じで出発点だと語っていたが、その通りなんだろう。全てはこれから。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

寄席ってもともと時事・権力批判が魅力の一つだったはずですよね。

佐平次様
そういう反権力の姿勢を見せる芸人が少なくなりました。芸人が権力側に身を寄せちゃオシマイです。

芸術協会の披露目であることは百も承知で行けそうにありません。
ほめ・くさんの記事で仮想体験できました。ありがとうございます。
Wモアモアは、笑いの中に権力への批判精神をしっかり宿している私の好きな漫才コンビの中の一組です。
テレビの雛段芸人とは鍛え方が違いますね。
ほめ・くさんの上半期レビュー、期待しています!

仲入り前の演目はどうしたことか、みなシブイ系ですね。

ネタ帳を見て先の演目に被らないように噺を選ぶ、
というのが作法だそうですが、
落語家間の「魂のリレー」を感じて興味深いと思います。


小言幸兵衛様
Wモアモアの高座をみて久々にスカッとしました。漫談で終わらせる人は一人もいず必ず一席演じていたことに感心しました。
上期のレヴューは今日アップします。

福様
中トリは前半を締めると同時にトリを食ってはいけない難しい役割です。
この日は披露公演とあって、中トリも他の人と同じ口演時間になっていました。渋い『念仏』で良かったですよ。

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