”気をつけよう甘い言葉と安倍総理”
日本の総理大臣というのは外国に行くと本音が出るようだ。
安倍首相は7月8日、日本の首相として初めて豪議会で演説し、集団的自衛権行使を容認する新たな政府見解の閣議決定を受け、「なるべくたくさんのことを諸外国と共同してできるよう、安全保障の法的基盤を一新しようとしている」と述べた。
閣議決定を受けた今後の法整備について語ったものだ。
「一新」を辞書で調べると、こうある。
【①すべての物を新しくすること。また,そうなること。②(「御一新」の形で)明治維新のこと。】
つまり今回の決定により戦後日本の安全保障政策は根本的に変わってしまうという事だ。
安倍首相は今回の閣議決定について日本国民向けには再三にわたり、「現行の憲法解釈の基本的考えは、今回の『閣議決定』でも何ら変わることはありません」と言明してきた。
「一新」と「何ら変わらない」とは正反対であり、国内外で言葉を使い分けているわけだ。
安倍首相は過去の著書の中で集団的自衛権行使を主張し、こう書いていた。
「軍事同盟は血の同盟だ。アメリカの若者は血を流す。しかし今の憲法解釈では、日本の自衛隊は血を流すことはない」。
ここでは集団的自衛権行使への憲法解釈の本質について、彼は実に端的に述べている。そして今や彼の願い通りになりつつある。
現憲法がある限りにおいては、いま直ちに海外で戦争をするという事にはならないだろう。
しかし改憲、とりわけ憲法9条の改正は自民党にとっては党是だ。
安倍首相も就任当時から、安倍政権のうちに憲法改正を行いたいと繰り返している。
自民党の改憲草案では、国防軍について次のようになっている。
(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
こうして見ていくと、今回の閣議決定は戦争する国への一里塚としか思えない。
反論する向きもあろうが、気付いた時はもう遅い、というのが歴史の教訓だ。
戦中に最も広く歌われた「愛国行進曲」に次の歌詞がある。
♪四海の人を導きて
正しき平和うち建てん♪
この「正しき平和」と安倍首相の主張する「積極的平和主義」とは同義語ではあるまいか。
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またもや海外旅行かと思ったら、、お大事に。
安倍の同行記者連中はご機嫌を損ねることを恐れ何も言わないのかな。
外で既成事実を作ってしまうのも常套手段。
投稿: 佐平次 | 2014/07/21 10:53
佐平次様
安倍の著書を素直に見れば、集団的自衛権行使とは「アメリカのために日本の若者が血を流すこと」を意味しているのは明瞭です。
テレ朝のCEOには安倍に近い人物が就きましたし、マスメディアへの言論統制は着実に進みつつある印象を受けます。
投稿: ほめ・く | 2014/07/21 17:31