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2014/08/29

日本橋お江戸寄席(2014/8/28)

「日本橋お江戸寄席」
日時:2014年 8月28日(木)13:30
会場:お江戸日本橋亭
<  番組  > ()内は所属団体
三遊亭遊松『たらちね』(落語芸術協会)
笑福亭竹三『時うどん』(  同   )
神田山緑『寛永三馬術より梅花の誉れ』(講談協会)
三遊亭鳳楽『短命』(円楽一門会)
~仲入り~
ベートーベン鈴木『コミックソング』(東京演芸協会)
三遊亭好楽『紙屑屋』(円楽一門会)

お江戸日本橋亭は定席ではないが、定期的な寄席興行が行われている。最大の特長は様々な協会の芸人が出演することで、この日の顔づけでも芸協を除く他の芸人は普段の寄席ではお目にかかれない。
28日は午前から谷中の全生庵で圓朝の墓参りや幽霊画の見学があったようで、その参加者が来場していた。
先日までも猛暑がウソのように涼しくなった昼さがり、こういう日はノンビリと。

遊松『たらちね』、遊三の弟子で、末弟なので「遊松」としたらしい。落語教室に2回通っただけで入門とは度胸がいい。日本橋亭の寄席では前座もプログラムに載せる。
竹三『時うどん』、鶴光の弟子で二ツ目に成り立て。顔も芸も濃い。
山緑『寛永三馬術より梅花の誉れ』、神田すみれの弟子。講談としてはポピュラーな演目で何度か聴いているが、今までとは違っていた。
過去に聴いた講釈では将軍家光が配下の旗本、大名らに愛宕山の急な石段を騎馬で登れと命じる。3名が名乗り出て登り始めるがいずれも途中で失敗し落馬、馬ともろとも階段を転げ落ちて絶命。
もはや誰一人として名乗り出ようとしない。そのとき讃岐国の領主・生駒高俊が「わが藩の馬術師範曲垣平九郎にお申し付け願いたい。」と申し出る。許しを得て曲垣平九郎は将軍に一礼すると見事に石段を登り切り梅花の枝を手折って襟にさし無事に石段を降り、将軍から讃えられる。
山緑のは、家光の命を受けて松平伊豆守が差配する。3名が失敗するとこれで終りとして帰り掛けると、そこに曲垣平九郎が進み出て自分が登って見せると申し出る。松平伊豆守は制止するが家光が直々に命じて、平九郎は近所の百姓から馬を借り、石段を登るというストーリーだ。
アタシにはどうも不自然に感じるのだ。
・大名の家来である曲垣平九郎が直接将軍や伊豆守に物申すことは有り得ない。大名を通じて申し出るとする方が自然だ。
・平九郎が近所の百姓から馬を借りというのも変だ。こういう難しい技術は人間と馬とがよほど呼吸が合っていないと無理だ。平九郎が自分の馬に騎乗して登るとした方が自然だと。
ノンビリとか言いながら、直ぐにこういう理屈をこねるのがアタシの悪いクセ。
鳳楽『短命』、隠居の謎かけを八五郎がどこで気付くかが演者の工夫のしどころ。鳳楽は都々逸の「新婚は夜する事を昼もする」で八が気付くという演出。ユッタリとした語り口ながら可笑しさがこみ上げてくる高座。
ベートーベン鈴木『コミックソング』、元『バラクーダー』のメンバーで作曲を手掛け「日本全国酒飲み音頭」、「チャカ・ポコ・チャ」、「演歌・血液ガッタガタ」のヒットさせている。現在はシンガーソングライター兼ギター漫談家で、他の芸人と違うのは歌は自分の作曲したものだ。愛嬌のある人で面白かった。
好楽『紙屑屋』、「笑点」のイメージが強いが元は彦六の弟子、古典落語の噺家だ。
道楽で親父から勘当され出入りの職人の2階に居候。いつまでもブラブラしてちゃいけないと、職人が就職の世話をするというお馴染みの展開。ここから先がチョイと違う。
仕事先は紙屑屋だ。集められた紙屑を選って所定のカゴに仕分けするという仕事。
処が、根が道楽者の若旦那。手紙が出てくれば読むし、都々逸の本を見れば都々逸を唄い、新内の本が出れば新内を語り出し、芝居本が出れば芝居の真似事。さっぱり身が入らない。
間に音曲や芝居の名セリフが入る、アタシの好きなネタだ。7代目橘家円蔵の十八番だったが、近ごろは高座にかかる機会が少ないようだ。この日、久々に聴けて良かった。

話は変るがネットのフリー百科事典『ウィキペディア』に7代目円蔵についてこういう記述がある。
【圓蔵は、生涯を通じて落語が下手で、後世の評価でも三平の下手を遥かに上回るといわれている。】
これは極めて一方的な評価と言わざるを得ない。いったいこの筆者は、円蔵の高座を一度でも観たことがあるのだろうか。確かに上手い人とは言えなかったが、実際の高座は独特の愛嬌があり、少なくとも「三平(初代)の下手を遥かに上回る」という記述は不当である。『紙屑屋』『浮世風呂』『締め込み』などの演目ではこの人の飄々とした味が良く出ていた。

やっぱり、ノンビリとは行かなかったか。

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コメント

『紙屑屋』を聴いた事はないのですが、音曲や芝居の名台詞が入る噺は臨場感がありますね。
ウィキペディアはテンプレート添付者の判断なので、時々(特に芸能の執筆に)?と思う事があります。利用者の半数以上が信頼性に懸念を抱いているそうす。便利ですが、話半分に聞いて(読んで)います。

投稿: 林檎 | 2014/08/29 18:00

林檎様
そうなんです、寄席では滅多にかからないネタになっています。
上方版では踊りも入りますので、ますます演じ手の技量が求められます。
ウィキペディアの筆者はよほど7代目円蔵が嫌いらしく、この他にも色々悪口が書かれています。あれじゃ気の毒です。

投稿: ほめ・く | 2014/08/29 19:09

「お江戸日本橋亭」には独特の臨場感がありますね。
「九識の会(志ん橋・雲助・喜多八)」を聴いたことがあります。
喜多八「千両みかん」がよかったんですが、
表情の変化が面白くて、それもこの空間のなせる業かな、と思います。

投稿: 福 | 2014/09/01 06:49

福様
「お江戸日本橋亭」に行って感じるには、昔の寄席ってこんな風だったのでは、という事です。小屋の大きさ、高座と客席との距離感などからそう思います。
最前列の中央にいると、芸人と差し向かいみたいな気分になります。

投稿: ほめ・く | 2014/09/01 10:28

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