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2014/08/09

#26大手町落語会(2014/8/8)

「第26回 大手町落語会」
日時:2014年8月8日(金)19時
会場:日経ホール
<  番組  >
入船亭小辰『代脈』
柳亭左龍『棒鱈』
柳家喬太郎『任侠流山動物園』
~仲入り~
入船亭扇辰『目黒のさんま』
柳家さん喬『死神』

アメリカがイラクへの限定空爆に踏み切った。イラク開戦時に、サダム・フセインを抹殺すれば国内が混乱することは、多くの専門家が指摘していた。そして、その通りとなった。想定されたように混乱が起きたから空爆というなら、こりゃマッチポンプだ。
カダフィが殺害されたリビアも国内の混乱が増してきている。米欧(&日)がいかに気に入らなかろうと、フセインもカダフィも国の「たが」になっていた。「たが」を外せばバラバラになり混乱状態になるのは当然だ。なんのことはない、自作自演の「中東危機」である。

近ごろホール落語会で気になるのは、開演後にロビーに残った係員や販売員の会話で、彼らは気付かないかも知れないがけっこう会場内に聞こえる。人情話の山場で外から笑い声がしたりすると、怒鳴りつけたくなる。この日もそうした雑音が聞こえた。
ついでの小言だが、遅れて入った時に、遠慮して演者の交代時に着席しようと最後部の扉近くにいると、無理やり席に案内しようとする係員がいる。あれは一体どういう教育をしているんだろうか。

この落語会は通常昼の公演だが、年1度は夜席になっている。メンバーは固定のようでさん喬一門+扇辰。前回まではサラが天どんだったが真打に昇進して、今回から小辰に替った。

小辰『代脈』、着実に上手くなっているが、銀杏が往診先の部屋にいた患者の母親に「おっかさん」と挨拶するのは変だ。この日の高座ではカットされていたが、予め医者から「ご母堂様」と呼ぶように指導を受けたいた筈。
昔からこのネタの面白さがサッパリ分からない。どなたか、どこが面白いのか教えてくれませんか。

左龍『棒鱈』、二人の江戸っ子が酒を酌み交わしている隣座敷に、田舎侍が大勢の芸者を上げて変てこな唄を歌い出す。江戸っ子のイライラが次第に募る。幕末における徳川贔屓の江戸っ子が、成り上がりの薩長武士に反発するというのが噺のテーマだ。江戸っ子の一人が酒癖が悪く、田舎侍の所業に我慢が出来なくなってゆく過程と、そんなこと露知らず大声を発し続ける侍との対比がキモ。
襖を隔てた両側の座敷の模様が交互に描かれるが、左龍の「間」の取り方が巧みで面白く聴かせていた。
左龍は先代小さん以来の「引きの芸」を継承しており、柳家の本流を行っている。

喬太郎『人情流山動物園』、三遊亭白鳥作の新作落語で、喬太郎のほか三三も演じているようだ。
スジは、象と牛と豚とチャボしかいない流山動物園。象は体調不良でお休みとあって閑古鳥が鳴いている。この窮状を何とかしようと豚が以前に世話になっていた上野動物園に行き、虎とパンダに応援を頼むが一蹴されてしまう。困った豚は一計を案じ、動物たちが人間の言葉をしゃべれたら人気が出るからと、ドリトル先生の末裔である園長の指導で猛特訓。お蔭で流山動物園は大人気。すっかり客足を奪われた上野動物園のパンダと虎は、流山動物園に殴り込みに行く。そこへ元気になった象が現れ・・・。
喬太郎はそれぞれの動物の形態模写をしたり、山場では浪曲を唸ったりの熱演。古典が続く客席を和ませていた。
白鳥の新作は従来の新作落語の殻を破るもので、大した才能の持ち主だ。

扇辰『目黒のさんま』、ネタに入ると役席が少しざわつく。「もうかい」「又かい」という反応だろう。上手いし完成度も高いが頻度が多すぎる。今秋も扇辰のこのネタを何度か聴くことになるんだろうね。

さん喬『死神』、さん喬はこの噺の死神をかなり意地の悪い人物に描いている。死神が患者の枕元にいる時はそのままにしろと言う忠告を破って、男は千両の金に眼がくらみ患者の布団を180度回して死神を追い出す。その結果、患者は助かり男は大金を手に入れるが、ここで患者の寿命と男の寿命が入れ替わってしまい、命は風前の灯。実はこうなることを死神は最初から読んでいて、男はその罠にはまってしまったというのがさん喬の解釈。考えてみれば死神は人間を死に追いやるのが使命で、助けるというのは不自然なのかも。ローソクの灯りを移して延命しようとする男、「ほら、消える。……ふ、ふ」で高座が暗転して終了という演出だった。
さん喬らしいリアリティ。

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コメント

池袋でさん喬の「棒鱈」を聴きました。
私は弟子の方が好きかな。

投稿: 佐平次 | 2014/08/10 11:35

佐平次様
やはりさん喬の方が上ですか。
左龍は顔で得してます。

投稿: ほめ・く | 2014/08/10 14:52

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