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2014/09/03

「扇辰・喬太郎ふたり会」(2014/9/2)

”ぎやまん寄席 湯島編 第49回「扇辰・喬太郎ふたり会」”
日時:2014年9月2日(火) 18:45
会場:湯島天神参集殿
<  番組  >
前座・林家なな子『一目上り』
入船亭扇辰『麻のれん』
柳家喬太郎『寝床』
~仲入り~
柳家喬太郎『夫婦に乾杯』
入船亭扇辰『匙加減』

「ぎやまん寄席」は初参加、満席だった。
自由席で、チケットにふられた番号順に入場して空いてる席に着くというやり方だが、前に入った人が後から来る友人のための席取りが多い。特に前方2列付近の女性客グループが顕著で、これはマナー違反。主催者は注意すべきだ。
高座は異常に高く客には見やすいが、出演者は上るのに苦労していた。

なな子『一目上り』、扇辰が前座であれだけ演れるのは大したものだと褒めていたが、それ程でもなかったなァ。

喬太郎の1席目『寝床』、この人のこのネタは初めて。マクラで噺家の中には色々な芸事をしている人がいるが、自分は何もせずウルトラマンだけと語っていた。
『寝床』という演目だが、意外とツッコミ所が多く以前からいくつか疑問を持っていた。喬太郎の演出はその辺りを上手くすくい上げていた。
先ず主人公の旦那だが、年齢はいくつ位なんだろう。大店だし長屋も持つ資産家だ。商売で成功し道楽で始めた義太夫にのめり込むのだから、ある程度の年配かと思われる。定評のある名人文楽の演り方からは、その様に推定される。それにしては、この旦那の家族の影が見えない。主が義太夫を語るんだから、奥さんや子ども達が同席していないのは不自然だ。
志ん朝の演出では、奥さんは坊を連れて里に帰ったという風にしていて、これだと説明はつくのだが、そうなると旦那の年齢はせいぜい30代ってぇところか。若いのだ。
喬太郎のは後者の演り方で、旦那は若いと解釈される。
この旦那の義太夫を語る声というのはマトモに聞くと倒れたり病気になったりするほど凄まじい。それだったらこの旦那に稽古をつけている師匠はどうやって耐えているんだろう。不思議だ。喬太郎は奉公人の疑問として採りあげていたが、この点に目を付けたのはこの人が初めてではなかろうか。
当初はあれこれ理由をつけて義太夫の席を断った長屋の住人、それぞれヤリクリして出席してくるのだが。提灯屋や豆腐屋は他から職人を頼んでという言い訳は成り立つ。では女房が臨月だと言った人は?「もう生まれました」か。母親が高熱で寝込んでいると言った人は?「もう死にました」。
ウソをついて言い訳すると、後のフォローが大変だ。
下戸なのに取引先にムリヤリ酒を飲まされて寝込んだという番頭も、義太夫の席で酔って寝てしまい旦那にウソがバレル。
うん、これでアタシの疑問は氷解、かなりスッキリした。
店子の魚金は芝の浜で財布を拾い中に大金が、手代の文七は掛取りの50両を失くし大川へ身投げしようとして・・・など、喬太郎らしいクスグリも効かせて爆笑編の『寝床』に仕立てていた。
結構でした。

喬太郎の2席目『夫婦に乾杯』、こちらは新作だが何度か聴いている。サラリーマンもの。
マクラでは「落語教育委員会」の西日本ツアーでの喜多八のハイテンションぶりをネタにしていた。
酒造メーカーの開発会議で、新製品のおつまみ付きワンカップのネーミングをどうしようかという議題。様々な意見が出るが、話題はいつしか夫婦の会話についての雑談になる。結婚3年目の若い社員は日々会話していると言うと、周囲のベテラン社員からからかわれる。結婚して永い人はお互いの会話など無くなり、擬音だけで意志疎通ができると言う。
帰宅した若い社員は夕食のことで妻と話題が弾むが、チョッとした行き違いから喧嘩となり、以後はお互い擬音だけのヤリトリになる。翌日、出社して顛末を話すと、今度はベテラン社員が「君のお蔭で昨日は久々に夫婦の会話が弾んだよ」。
何ということもない噺だが、喬太郎演ずる若奥さんの仕種が色っぽく、その辺が見せ場になっている。同じ新作を演じても他の噺家と違いが出る由縁だ。

扇辰の『麻のれん』『匙加減』、両方とも完成度は高いし、この演目に関しては扇辰がトップと言って良い。
ただ、こうばんたび聴かされると正直言って飽きますね。時節柄、『お初徳兵衛』辺りを聞きたかったんだけどね。

今月はもう1回、この二人の会を観る予定。

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コメント

喬太郎さんの“結構でした。”な噺、羨ましいです。
*  *  *  *  *
あとから来る人の為に席を確保するのは(親切心や持ちつ持たれつの関係かも知れませんが…)順番に入場した人からすれば理不尽に感じますし、複数の席を確保する人には主催者が注意をしてほしいと思います。

「芝浜」や「文七元結」が引用されましたか。
楽しい一席だったでしょうね。
小満んの本には「三平は?」「ど~もすみません!」なんていうのもあったやに記憶しています。

林檎様
喬太郎の『寝床』良かったですよ。先代文楽や志ん朝、上方では枝雀の名演があり、喬太郎がこのネタをどう捌くのか見物でしたが、彼らしい視点で楽しませてくれました。
席取りは自粛して欲しいですね。以前別の会で後から来た人とトラブルになったのを見た事があります。所詮は落語会なので、皆が気持ち良く見られることが大事だと思います。

福様
このネタは長屋の衆や奉公人がどんな言い訳を考えつき、後からそれをどう誤魔化すかという処も見所です。
この日の喬太郎の高座では、前に上がった扇辰の『麻のれん』を受けて、「按摩の杢市さんは?」と訊くと、「蚊に刺されてテング熱に罹り」というクスグリも入れてました。

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