「談笑・三三 二人会」(2014/10/14)
みなと毎月落語会「談笑・三三 二人会」
日時:2014年10月14日(火)19時
会場:赤坂区民センター区民ホール
< 番組 >
立川吉笑『道灌』
柳家三三『呼び継ぎ』
立川談笑『饅頭こわい』
~仲入り~
立川談笑『堀の内』
柳家三三『錦の袈裟』
列島を縦断した台風19号が一過、東京は強めの吹き返しのなか青空が広がった。
談笑は久々だ。集中的に聴いていた時期があったが、飽きがきたのと、この人の時おり見せるアジア人蔑視風なクスグリに嫌気がさしてしばらく遠ざかっていた。
三三との二人会というのは珍しいのでは。二人の落語家としてのキャリアはほぼ同じだそうだ。
吉笑『道灌』、いかにも談笑の弟子らしい芸風。
三三『呼び継ぎ』、珍しい噺で調べたら、柳家小満んの30年以上前の新作。”呼び継ぎ”というのは、骨董品などで欠けた部位を他の材料で補修することを言うらしい。こういうタイトルの付け方が小満んらしい。
男Aが男Bの養女を嫁にもらう。目はパッチリ鼻は高く歯並びが良いし胸も大きいという器量良しだ。
Aは新婚旅行に行った京都でお土産に高価な骨董品である徳利を買って帰りBに渡す。
後日AはB宅を訪れると酒をふるまわれるが、なぜかお土産に渡した徳利が出てこない。
理由を訊くと、Bは言いにくいことだが徳利の口が最初から欠けていたので修理に出しという。徳利の口が”呼び継ぎ”だったのだ。
するとAは言いにくいことだが、嫁の歯が差し歯だったと告げる。
こんな具合にBはお土産の徳利の欠点をあげつらねると、Aは嫁にした娘が鼻は整形で目はコンタクトでつけまつげ、胸も・・・と次々と欠点と並べる。
骨董品も娘もお互い”呼び継ぎ”だらけだったという話。
最近の三三は2席演じると、1席は新作というケースが多い。若いうちだから色々チャレンジするのは良いことだ。このネタを古典落語のように演じて味わいがあった。
<訂正10/16>
記事で『呼び継ぎ』を小満ん作としていましたが、「りつこ」さんより下記のコメントが寄せられたのでご紹介します。
【呼び継ぎはもともと随筆で、小満ん師匠が面白いと思って作者に連絡を取って落語にしても良いですか?と聞いたら、作者が私が落語に書きましょうと書いてくださったとおっしゃってました。】
談笑『饅頭こわい』、いつものように出囃子にのって早足で高座に上がり、TVレポーターの仕事についての長めのマクラからネタへ。
中身は、蛇が怖いという男だが、長いものは何でも怖いのだ。訊くと幼いころに親から鎖に繋がれていた記憶のトラウマらしい。大きな「改」はこの辺だけで、他は嫌いな虫の種類が通常と異なることと、出てくる饅頭が現代風である所ぐらい。ほぼ古典に沿ったものだった。
談笑『堀の内』、粗忽な男が堀の内にお参りに行くが、反対方向へ行ってしまい隅田川のほとりに出る。ここで弁当を広げると、中は女房の腰巻にくるんだ枕。いったん家に戻ると女房が男の顔に「わたしは堀の内へ行きます」と書いてしまう。これなら間違いはない。ようやく堀の内に着いて再び弁当を広げると、既視感がある。家に帰ると、子どもを連れて風呂に行ってくれと頼まれる。子どもは「とおちゃんと風呂に行くくらいなら死んだ方がましだ」と泣くと、「お前は朝鮮人か」と叱られる(やっぱり出た!)。
子どもをおぶって風呂に行くが、最初は間違えてソープへ。「かあさんには内緒だぞ」。次は煙突を目指していくと火葬場。ようやく風呂屋にたどりつくが失敗ばかり。子ども背中を洗うつもりが風呂屋の羽目板からさらに上にあがり・・・。
談笑らしさが出た一席。
三三『錦の袈裟』、通常通りの筋の運びで、与太郎と寺の和尚とのヤリトリに三三らしさが出ていた。時おり前の談笑の高座を受けたクスグリを入れながらテンポ良く聴かせてくれた。
« 笑福亭福笑独演会(2014/10/13) | トップページ | 「ブレス・オブ・ライフ」(2014/10/16) »
「寄席・落語」カテゴリの記事
- 「落語みすゞ亭」の開催(2024.08.23)
- 柳亭こみち「女性落語家増加作戦」(2024.08.18)
- 『百年目』の補足、番頭の金遣いについて(2024.08.05)
- 落語『百年目』、残された疑問(2024.08.04)
- 柳家さん喬が落語協会会長に(2024.08.02)
コメント
« 笑福亭福笑独演会(2014/10/13) | トップページ | 「ブレス・オブ・ライフ」(2014/10/16) »


「呼継」、聴きたかったです。
投稿: 佐平次 | 2014/10/15 11:30
佐平次様
『呼び継ぎ』は小満んしか演じていなかったようで、聴くチャンスが少なかったのでしょう。これからは三三も持ちネタにするでしょうから機会は増えます。
投稿: ほめ・く | 2014/10/15 19:29
呼び継ぎはもともと随筆で、小満ん師匠が面白いと思って作者に連絡を取って落語にしても良いですか?と聞いたら、作者が私が落語に書きましょうと書いてくださったとおっしゃってました。
さわりのある噺だし、これをやると女性のお客様が嫌な顔をするのでしばらくやってなかったが、三三さんがこの間教わりに来て自分でも思い出したので久しぶりにやります、と小満ん在庫棚卸しの会でやられてました。
投稿: りつこ | 2014/10/16 06:27
>時おり前の談笑の高座を受けたクスグリを入れながら
喬太郎もたまに演りますね。
楽屋のリレーションシップを感じていいいもんです。
投稿: 福 | 2014/10/16 06:46
りつこ様
ご教示有難うございます。小満ん作ではないんですね。本文を訂正します。
確かに女性の容姿を題材にしているので、サワリがあるかも知れません。
投稿: ほめ・く | 2014/10/16 09:00
福様
確かに喬太郎が得意にしてますね。今日はどう出るかな、なんて毎回楽しみにしています。
投稿: ほめ・く | 2014/10/16 09:04