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2014/12/22

圓生の艶笑噺

今年もいよいよ押し詰まってきました。先週末の三田落語会が風邪気味で行かれず、年内もあと2回の落語会を残すのみとなりました。
年末には恒例の「My演芸大賞2014」を発表し締めくくる予定です。
今回は趣向を変えて、三遊亭圓生の艶笑噺を一席。

お釈迦様は3年と3月、母の胎内にいたそうですが、これで驚いちゃいけない。唐土の老子という人は80年胎内にいたってゆうんだから驚きます。いた方も大変だろうが、いられた方も草臥れたでしょうね。もう生まれまいと思っていたら出て来た。
何しろあなた、生まれた時はもう白髪頭でバクバクのお爺さん。とりあげ婆さんの方が23歳若かったってゆうんですから。
この老子という人は先生になりまして、あるとき生徒から「先生、母親の胎内というのはどんな所だったんでしょうか」と訊かれた。老子は「母の胎内というのは暑くなく寒くなく、まことに気分の良い所で、季節でいえば、まあ秋のようだ」と答えた。
「その秋のようだというのは、どういうわけで?」と訊かれると、「時おり、下からマツタケがはえてきた」。
長くいると、そういう事も分かってきたんでしょう。
(三遊亭圓生『二十四孝』のマクラより)

弘法様が通りかかると、一軒の家で女房が豆を煮ていた。弘法様は女房に、その豆を恵んでくださらんかと頼んだが、女房は「この豆は馬に食べさせるものだから上げらない」と断った。
しばらくすると家の亭主が帰ってきてその豆を食べたところ、全身が馬に変ってしまった。
驚いた女房は弘法様にとりすがり、どうか亭主を元の姿にしてやって下さいと頼んだ。
弘法様が持っていた杖で馬になった亭主の頭を叩くと人間の頭に、手を叩くと人間の手に、胴を叩くと人間の胴に、足を叩くと人間の足に戻る。
最後に足の間にあるものを叩こうとすると、女房は弘法様の杖を押え「そこだけは、そのままにしておいて」。
(三遊亭圓生『夜店風景』より)

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コメント

いいですねぇ、こういった艶笑噺。
私は、かつては圓生アレルギーみたいなものがあったのですが、今、噺家としてあらためてあの名人を見直しているような次第です。
こういう噺、今ではなかなか聴くこともできなくなってしまいました。
タブーを自らつくって欲しくない。
落語の世界は、そうあって欲しいと思います。

小言幸兵衛様
気に入って頂けて光栄です。圓生はご婦人がたにたいそうモテタそうで、そうした裏付けがあってか艶笑噺が得意でした。高座にも滲み出るような色気がありました。

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