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2015/01/14

鈴本演芸場二之席・夜(2015/1/13)

「鈴本演芸場正月二之席・夜の部」
日時:2015年1月13日(火)17時30分

前座・三遊亭ふう丈『初天神』
<  番組  >
柳家喬之進『仏馬』
鏡味仙三郎社中『太神楽曲芸』代  
五明楼玉の輔『紙入れ』代
柳家喬志郎『短命』
林家あずみ『三味線漫談』  
春風亭百栄『コンビニ強盗』
桃月庵白酒『茗荷宿』
~仲入り~
ダーク広和『奇術』  
宝井琴調『誉れの梅花』代
ホームラン『漫才』
柳家喬太郎『禁酒番屋』

寄席は1月20日までが正月だが、初席が終り3連休明けともなるとさすがに正月気分は抜ける。この日なら空いているだろうと予想はしていたがガラガラで、二ツ目が上がる段階で最前列が一人、2列目が二人といった按配。後半になって少し入り始めたが、それでも4分ほどの入りだったか。小屋の入り口で女性客が顔づけの看板をを見て「有名な人いないわね」と言っていたが、それ程では。正朝と扇遊が休演だったので、若手ばかりに偏ってしまった感はあるけど。
こういう日は高座も客席もノンビリと、ね。

ふう丈『初天神』、声が大きくよく透る。師匠の円丈のサイトでは弟子一人一人に愛情あふれた言葉が書かれている。きっと優しい良い師匠なんだろう。
喬之進『仏馬』、来春の真打昇進が決まった。さん喬一門は今や一大勢力になった。空席が多くやりにくそうな所で、兄弟子・喬太郎が掘り起こした珍しいネタを。
檀家周りを終えて寺に帰る途中の二人の坊さん、一人が重い荷物を持たされて困っていたら、馬が繋がれているのを発見。兄貴分の坊さんである弁長の指示で、若い坊さんはその馬に荷物を載せて寺に戻る。住職には馬を盗んだとはいえないので、親切な檀家がお布施でくれたのだと説明する。
残された弁長はかなり酔っていたので、酔いを醒ますために馬を繋いでいた綱を自分に結わいて横になっていたら、そのまま寝てしまう。
やがて馬の持ち主が戻ってくると、咄嗟の機転で弁長は自分は仏罰により馬になり修行していたが、それが許されてまた人間の姿に戻ったのだと誤魔化し、寺に帰る。
翌日、住職は馬は飼えないから売って来るように弁長に命じる。弁長は酒を馬にも飲ませながら市場に連れて行って馬を売る。
その後、元の馬の持ち主が現れて自分の馬だと判るのだが、弁長がまた馬にされたのだと思い、「こりゃあ弁長さん、弁長さんだろ? また仏罰に当たったか?」と馬の耳元にささやく。馬は大きく「ちがうちがう」とかぶりを振ると「酒臭いので判るよ」。
最後のサゲは喬太郎の場合は、「とぼけたって無駄だ。その、左耳の付け根の差し毛がなによりの証拠」としていたが、分かりにくいので喬之進が変えたのだろう。
あまり笑いの取れない儲からぬネタだが、この日の客席には向いていたか。
玉の輔『紙入れ』、キャリアから言えば既に若手のリーダー格になっていなくてはいけない位置にいるのだが、そういう気配を感じない。老舗の落語会や名人会に滅多に名前を見ることがない。
いつ聴いても同じマクラで軽い噺で引き上げて行く。器用な印象だし決して下手ではないのだが、このまま終わるつもりなんだろうか。大きなお世話か。
喬志郎『短命』、近ごろの寄席では誰かがこのネタを掛けるというケースが多い。安易な傾向で感心しない。この人の一風変わったリズムは面白いとは思ったが。
あずみ『三味線漫談』、正式に協会に加入したようだ。音曲芸人として成長して欲しい所だが、さて?
後から上がった百栄が、あんなに似てない物真似を高座にかける度胸に感心していたが、同感。まあ、長い目で見て行きましょう。
百栄『コンビニ強盗』、コンビニ強盗が店員のトンチンカンな対応で調子を狂わせ、買い物をして帰って行くという他愛ない新作。この人のたどたどしい喋りが活きていた。
白酒『茗荷宿』、珍しいネタだが白酒の高座では何度か聴いている。江戸時代に三度飛脚というのがあり、江戸~京、大阪を月に三度往復していたそうだ。片道5日間位でで江戸から大阪まで走り切るのだから、当時の道路事情からすれば驚異的だ。挟み箱に100両の金を入れて走ってきた飛脚が足をくじいてしまい近くのボロ宿に一夜泊まることになる。宿の夫婦は飛脚の持っていた100両に目をつけ、食事を全て茗荷づくしにして、荷物を忘れさせようと謀る。翌朝、予想通り荷物を忘れて出発した飛脚だが、途中で思い出して取りに帰ってくる。はて、忘れ物は?宿賃を払うのを忘れて出て行った。
白酒は茗荷のフルコースを食べる場面を中心に面白可笑しく演じて、受けていた。
ダーク広和『奇術』、この人のいかにも趣味で手品をやってますという風情がいい。毎回ネタを工夫してくるが、その割には客席の反応は今ひとつ。でもメゲナイね。
ホームラン『漫才』、気が付けば協会の漫才師の中心にいる。元々の芸がしっかりしてるからね。
喬太郎『禁酒番屋』、この日はマクラを含めて先代小さん譲りの柳家のお家芸で締め。古典を真っ直ぐの、喬太郎のこういう高座もいい。

ノンビリ、ユッタリの夜席、これも想定内。

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コメント

ふう丈は「子ほめ」を聴いたことがあります。
はっきりした語りのできる前座ですね。

福様
ふう丈は口跡が良いのが強みです。新作に進むのでしょうが、先ずは古典をしっかり磨いて欲しいですね。

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