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2015/01/21

鈴本演芸場二之席・昼・楽日(2015/1/20)

「鈴本演芸場正月二之席昼の部・楽日」
前座・春風亭朝太郎『道灌』
<  番組  >
春風亭朝之助『幇間腹』
伊藤夢葉『奇術』  
橘家半蔵『代書屋』
古今亭菊之丞『元犬』
大空遊平・かほり『漫才』
橘家文左衛門『桃太郎』
金原亭馬の助『かつぎや/百面相』
林家二楽『紙切り』  
柳家喜多八『短命』
~仲入り~
ストレート松浦『ジャグリング』 
三遊亭歌武蔵『漫談』
古今亭文菊『出来心』
三遊亭小円歌『三味線漫談/踊り』  
春風亭一之輔『芝浜』

先週に引き続き鈴本演芸場正月二之席へ。今回は昼の部で20日は楽日、正月興行の最終日となる。休演・代演がゼロということもあって出向いたが、客席は一杯の入り。やはり客席が埋まっていると高座にも活気が感じられる。普段あまり寄席に来ていないお客が多かったと思われ受けていたことも活気を与える要因だったと思う。
前座の朝太郎『道灌』、近ごろの(男の)前座は上手いのが多い。既に噺家のしゃべりになっている。一朝一門には人材が集まっているようだ。
朝之助『幇間腹』、死んだ猫を座敷に持ち込むというのは趣味が悪い。座敷に上がる前の幇間のセリフ回しが職人に聞こえる。それ以外は良かった。
夢葉『奇術』、最後に正月用マジックを見せて。
半蔵『代書屋』、小咄を続けていたがネタに入る。最近の東京落語の『代書屋』は権太楼が手本になっているようだ。時間が半分以下の短縮版だったが面白く聴かせていた。サゲが良く工夫されていた。
菊之丞『元犬』、軽く十八番を。
遊平・かほり『漫才』、今日のお客には受けていた。
文左衛門『桃太郎』、このネタは前座から大看板までが演じていて、筋は同じでも演じ方に演者ごとの細かな工夫がある。文左衛門が描く少年は、成人したらどんな大人になるか楽しみなような恐いような。
馬の助『かつぎや/百面相』、正月らしいネタの後は御目出度い百面相。近ごろでは珍しい古風な高座で何か懐かしさを感じる。
二楽『紙切り』、リクエストで「ひな祭り」と「土俵入り」を。  
喜多八『短命』、この人の中トリのネタは『短命』と『小言念仏』に当たる機会が多い。本人も何かの対談で寄席のネタは三つか四つあればと語っていたっけ。
ストレート松浦『ジャグリング』、いつ見ても鮮やか。
歌武蔵『漫談』、寄席にはこういう息抜きも必要だ。
文菊『出来心』、この人が演じると泥棒まで上品に見える。
小円歌『三味線漫談/踊り』、正月らしい唄と踊り、結構でした。
一之輔『芝浜』、正月明けに『芝浜』とは珍しいネタ選びだ。師匠の一朝のこのネタは聴いたことがないが、魚屋の名前が熊五郎で、腕の良い商人だったのが次第に酒におぼれ商売を疎かにしてゆく過程が前段にあるので、先代馬生-権太楼の流れかと推察する。芝の浜で財布を拾う場面はカットし、家に戻ってから経緯を女房に話すという筋立て。3代目三木助流の抒情を排し、3年後の大晦日になっても熊五郎は相変わらずの棒手振りのままという設定。断酒して商売一筋、良い品を届けて客に喜んで貰うのが何よりの喜びと語る熊に、女房は3年前の真実を語る。ここもお涙頂戴に流されずサラリと演じた。
このネタを演じるにあたりやたら大ネタ扱いしたり、泣かせる演出にしたりする向きがあるが、元々がそれ程の演目ではない。
一之輔のように肩の力を抜いてサラリと演じるのが正解なのだ。
ネタに対する解釈の仕方や纏め方にこの人のセンスを感じる。これは天性のものだ。
二之席のトリに起用されるわけだ。

夜の部に比べ全体として華やかで、色物を含め充実した二之席となっていた。

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コメント

半蔵は師匠とは個性が異なり、地味ですが、うまい噺家だと思っています。
風貌は研究者のよう。
いつぞや聴いた「ねずみ」(先代三木助の十八番だったそうですが)はよいもんでした。

福様
半蔵は小咄の作り方などに師匠の影響を感じましたが、ネタに入ると異質な印象でした。上手い人ですね。

一之輔は落語研究会「星野屋」もさらっと笑わせてました。
ちょっとその路線を模索中?

佐平次様
昨年から一之輔の文七、富久、そして芝浜と聴いてきて、この人のセンスを感じます。自分の芸に自信を持っているんでしょう。

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