「amazonのカスタマーレビュー」読まずに書評を書くなかれ
amazonでは主に書籍を購入しているが、その際にカスタマーレビューを参考にすることが多い。五つ星で評価されているのだが、やはり星の数の多い本に着目する。
しかし最近気になるのは、投稿者がその本を読んでいないのが明らかであるにも拘らずカスターレビューを書いているのが散見されることだ。そうした投稿はほぼ例外なく「読む価値がない」等と書かれ、星一つの評価が下されている。
amazonの場合、書籍だと「内容紹介」という欄で要旨が書かれており、著者名などからその本の概要が分かる。また既にいくつかレビューが掲載されていれば、より詳細に著者の主張点も知ることができる。そこで読んだふりをして書評を書くことも可能ではある。
では、なぜこの様な投稿がなされるのか。それはその書籍の内容が気に食わず、頭から内容を貶し否定し、レビューを読んだ人の買う気をなくさせるためだろうと推察される。
典型的な例としていわゆる「従軍慰安婦」関係の書籍を調べてみた。比較的良く売れていると思われるある本のレビューを見ると、評価が真っ二つに分かれている。高い評価がある一方、全く価値のない本であるという評価がいくつか寄せられ、なかには高い評価をしている人は中国人か韓国人であるという断定すら行われている。もちろん★一つという評価である。
amazonではレビューの後に
【このレビューは参考になりましたか? はい いいえ】
を選択するようになっているが、これらのレビューに対しては多数の「はい」の回答が寄せられ、レビューの掲載順位も上位に並んでいる。
レビューの内容は本の批判というより、自己の主張を並べ立ててこの書籍は間違ったことを書いているというものだ。
この中のある人物を採りあげ、過去のレビューを調べてみると10冊近くの「従軍慰安婦」本にいずれも否定的なレビューを書いているのだが、どの著書に対しても自己の主張を一方的に述べていて★一つの評価、しかもその文章はどれも似たりよったりなのだ。読まずに書いているのは明白であろう。
「従軍慰安婦」問題については様々な意見があり、それをそれぞれの立場で主張することは自由だ。
しかしamazonのようなサイトのカスタマーレビューを利用し、特定の書籍を貶めるというやり方はルール違反であり、商品価値を下げることを意図しているなら営業妨害ともいえる。
amazonのカスタマーレビューに関しては書籍ばかりでなく他の商品についても問題になったことがある。自分が気に入らないタレントがCMに起用されていることを理由に、その企業の商品の評価を下げるために集中的な投稿が行われた例もあった。
辞書によれば、
【カスタマー【customer】:商品を購入した人。製品やサービスを利用している人。顧客。得意先。】
とある。
amazonに提案だが、カスタマーレビューを投稿できるのは購入者のみとして欲しい。
公正を保つためにはこうした規制も止むをえまい.
ネットでは自身のサイトでは何をどう主張しようと自由だが、他人のサイトや掲示板などに投稿する場合はある程度の節度が求められると、私はそう考えるし、そう心掛けている心算である。
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