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2015/02/16

ブログ開設10周年

この2月で当ブログを開設して10周年を迎えた。当初は本人も家族もどうせ三日坊主だと思っていたのだが、我ながら良く続いたもんだと感心している。もっとも永続きしただけで中身はとうてい褒められたものではない。世の中の役に立たぬ記事をダラダラと書いてきたというのが実情だ。
ブログを始めた当時、私が親しんでいたブログの大半は既に終了している。SNSに移行した方もいるが、ネットそのものに失望してクローズした人も少なくない。その理由の一つは悪質な書き込みに嫌気がさしたというものだ。
当ブログも何度か被害にあってきたが、自分たちが気に入らない記事に対して集中的な攻撃を浴びせるという手口だ。初めの頃は誠実に対話しようと心掛けていたが、相手はハナからこちらの意見に耳を傾ける気などない事に気付いた。そして人格攻撃が伴う。「あなたは最低の人間です」「お前はバカか」なんて書かれたコメントが何日も来るようになれば、大概の人は嫌気がさしもうヤメタという事になる。彼らの狙いは自分たちに都合の悪いサイトを潰すことにある。そうした連中が現在もネットに跳梁跋扈している現実は嘆かわしい。
家族から「それでもブログを続けるというのは、よほど人間が悪くなけりゃ出来ないよね」と言われたが、その通りかも知れない。
では、なぜ続けているのかと訊かれれば惰性と答えるしかない。それと日々数百人の方々が当サイトにアクセスされているので、その期待に応えたいという気持ちもある。

さて、この10年間を振りかえってみると、政治状況は悪化の一途をたどっている。
ブログをスタートさせたのが2005年だが、その2年前の2003年にアメリカによるイラク侵攻が始まった。イラクが大量破壊兵器を保有しているというのが口実だったが、後にこれはガセだと判明する。これを当時の小泉内閣は支持し後方支援を行ったのはご存知の通り。
イラク戦争に関しては多くの専門学者が大きな混乱を引き起こすと警告していた。強権的な手法はあったにせよ、とにかくサダム・フセインはイラク国内を束ねていたのは確かなのだ。
イスラム諸国に行ってみると分かるが、フセインは善政を敷いた優れた指導者と評価されている。私はイラク開戦の3カ月前にイランを訪問したが、かつてのイラン/イラク戦争で痛い目にあった仇敵フセイン大統領(当時)であるにも拘らず、現地ガイドは彼の身の上を真剣に心配していた。
イラク国内を破壊し多くの市民を犠牲にしフセインを処刑した結果はどうなったか。アルカイダやIS(いわゆる「イスラム国」)と言われる過激派が勢力を伸ばし、今や世界各国にその影響を及ぼしている。しかし、こうした結果について米国政府も、それに追随した日本政府も未だに誤りを認めようとしない。
リビアも同様なことがいえる。以前リビアに訪れた時の印象では社会保障は充実しているし治安も良かった。経済状態も安定していて、EU加盟校であるマルタ共和国から多数の人が出稼ぎに来ていたほどだ。大佐が国の首脳なんておかしいなどと言われていたが大きなお世話である。カダフィを殺害してからのリビアの混乱を見れば分かる。
欧米型の民主主義国家(私たちもこの一員だが)の物差しでイスラム国家の良し悪しを測ろうとしてもどだい無理な話なのだ。
昨年末、安倍首相が中東を訪問しこの地域との友好関係を築くと語っていたが、別に安倍が行かずとも元々中東地域は親日だった。むしろ安倍がイスラエル首脳と並んでテロとの戦いを宣言したことが大きな問題だ。イスラエルにとってテロリストとはパレスチナの人々を指す。イスラエルの度重なるパレスチナ攻撃はイスラム諸国の怒りをかっている。あまりの蛮行に欧州の国々も距離を置いているほどだ。我が国の首相はそうした国際感覚も欠如しているようだ。
いま政府は人質事件の検証を行うようだが、それならイラク戦争への対応まで遡らねばなるまい。

その安倍政権であるが、この政権が目指すものを一口にいえば「戦争が出来る国から戦争をする国への転換」という事になろう。今は憲法の制約があるが、いずれ改憲により9条を改正し国軍を持つというのが最終目標だ。
一方で、経済政策上は新自由主義的傾向が強い。グローバル化や改革の名のもとに日本が過去に築いてきた諸制度を破壊しようとしている。安倍首相の衣の下の鎧に早く気付かねばならない。

13日にドイツのドレスデンで式典が行われた。第二次大戦末期の1945年2月に英米軍がドレスデンを無差別爆撃し、街の85%を破壊し多くの市民の犠牲を出した。今年はこの爆撃の70周年にあたる。
式典ではドイツのガウク大統領が演説し、この中で「我々は誰が戦争を始めたかを知っている。ドイツの犠牲者に思いを寄せる時も、ドイツの侵攻で命を落とした人たちのことを忘れてはならない」と語った。自国の加害責任にも目をそらせていない。
今の日本の首脳でこうした事を語れる人間は皆無だ。またこういう演説を行えば袋叩きに遭いかねない空気が存在している事も否定できない。
日本の政治は憂慮すべき状況にある。

グダグダと書いてきたが、未だしばらくはブログを続ける心算なので、宜しかったらお付き合いください。

管理人敬白

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コメント

10年おめでとうございます。
いつも啓発されています。
安倍もその安倍を支持する多くの連中も嫌です。
GNPだか何だかの数字が良かったとか、ますます、増長すると思うと気が滅入りますね。

佐平次様
安倍は日本の憲政史上最悪の首相と言っても良いでしょう。私にはなぜ支持率が高いのか理解できません。国民は早く本性に気付かねばならないのですが。

ブログ開設10年、おめでとうございます。
私も、誹謗するだけのコメントでブログを継続することを止めようかと思った時もありました。
しかし、ほめ・くさんや佐平次さんのブログに励まされ、なんとか続けて、今年で八年目になりました。
ほめ・くさんのブログは、落語の記事のみならず、鋭い時評など、常に刺激をいただいております。
今後も、ぜひ“ほめ・く節”をお続けいただきますよう、お願いいたします。

小言幸兵衛様
彼らにとって意見の違うサイトを攻撃するのが生きがいなんですから、無視するしかないのでしょう。あまりに悪質なコメントに対してはIPアドレスを明示するなどの対抗策を講じてきました。そういう事が不要なネットの世界にせなばなりませんが。

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