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2015/02/26

神田連雀亭「ワンコイン寄席」(2015/2/25)

神田連雀亭「ワンコイン寄席」
日時:2015年2月25日(水)12時30分
会場:神田連雀亭
<  番組  >
三遊亭日るね『堀の内』
橘ノ圓満『火焔太鼓』
春風亭朝也『質屋庫』

神田連雀亭という二ツ目を中心とした寄席が出来たことは以前から耳にしていて、この日円満と朝也が出演するとあったので出向く。JR神田駅から徒歩で10分弱、周囲には老舗の店が並ぶ。
前座の頃はしょっちゅう眼にしていた人が二ツ目に昇進した途端に顔を見なくなってしまう。それほど二ツ目が高座をつとめる場所というのが狭き門なのだ。
アタシがまだ20代のころ、目黒の権之助坂に二ツ目専門の寄席ができ何度か観に行ったが、数か月で閉館してしまった。採算が合わなかったんだろう。協会や定席などが主催する会ならともかく、通常の民間の方が運営しようとすれば、維持はさぞかし大変だろう。
入場料の500円を払って中へ入ると正面に高座が設えていて、客席にはパイプ椅子が並ぶ。客の入りは20名程度か。公演時間はおよそ1時間で、ワンコイン寄席は出演者が3名だ。料金も時間も手軽だが、(アタシの場合)家から往復で2時間弱、交通費が約千円かかるとあって、近場の方を別にすれば常連客を掴むのはなかなか大変だろうなと推察する。

日るね『堀の内』、本人は『粗忽の釘』を演じるつもりだったようだが、どういう手違いかこのネタに入ってしまった。中身は筋を追うのが精一杯で、準備不足という点を考慮しても素人芸の域を出ない。

圓満『火焔太鼓』、芸協がなぜこの人を来春の真打昇進から外してしまったのか、未だに理解に苦しむ。芸といい風格をいい、もう立派に真打の資格を有している。
余計な部分を削ぎ落し志ん生流の演出で、違いは道具屋が屋敷の正門からではなく通用口から入る。
見せ場の300両を50両ずつの包みを6回に分けて出す場面で、道具屋の亭主も女房もその一つ一つに対してリアクションと表情が変る。300両を見せられて女房が「本当にお前さんは商売が上手だねぇ」と言うが、今までバカにしてきた亭主にここで惚れ直すのだ。夫婦の位置関係が変る瞬間。こういう箇所をきちんと演じられるかどうかで評価が決まるネタで、圓満の高座は良い出来だった。
サゲの「おじゃんになる」という言葉、アタシが子どもの頃は周囲の大人が使っていたが、近頃はとんと耳にしなくなった。知らない人も増えてきたのだろう。

朝也『質屋庫』、こちらも落協でいつ真打になっても可笑しくない位置に来ている。この噺は大きく3つの部分に分けられる。マクラで天神様の由来を説明していたのは親切だ。これがないとサゲが分からない。
①質屋の庫にお化けが出るという噂話を聞いた主人が、原因は質物に質入れした人の気が残り、それが化物となって現れるのではと推測する場面。ここでは女房がヘソクリで貯めた金で買った帯を質入れしたまま死んで行く例をあげる。
②主人が呼んだ熊が叱られると思って先回りして、店から酒や沢庵、下駄を無断で持ち出したことを白状する場面。熊はその度に「決して悪気は無かったんで」と繰り返すが全く反省していない。上方の『地獄八景』にも同様の場面がある。
③庫に出る化物を見届けに行かされた番頭と熊が怯える場面。特に熊が台所に箸を取りに行くシーンで、番頭が自分の帯と熊の帯を手拭いで結び合わせる個所。
朝也の高座は個々の場面を丁寧に演じ、人物の演じ分けも出来ていた。欲をいえば、①の場面での主人の語りはもう少しユックリしたい。このネタの最大の聴かせ所であり、質屋の主人の風格を示すシーンだからだ。

お目当ての圓満、朝也二人の高座を聴けて満足。
神田連雀亭は平日の昼間12時30分から1時間の公演という「ワンコイン寄席」と、平日の午後7時から1時間半の公演という(土日祝は午後1時から)「きゃたぴら寄席」がある。
月間予定と日々の出演者は連雀亭のHPに載っている。

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コメント

反省しないけれど許せる熊さん、シンゾーとは大違いです。

連雀亭デビューですね!
交通費は別として、圓満と朝也でワンコインとは、お値打ちです。
二人とも、十分に真打の器だと思います。
ここしばらく平日は野暮用続きで落語会や寄席に行けない状態でして、やや欲求不満状態です。
ほめ・くさんの記事で楽しませていただいております。

佐平次様
熊はともかく自分から悪事を申し出ているわけで、反省の色は見えないもののどこか憎めないとこがあります。晋三のように自分に不利なことは隠し、批判されれば開き直るのとは大違いです。

小言幸兵衛様
貴ブログで連雀亭を知り一度行こうと思っていたので良い機会でした。実力派の二人の高座は期待通りでした。

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