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2015/03/10

#43白酒ひとり(2015/3/9)

第43回「白酒ひとり」
日時:2015年3月9日(月)18時50分
会場:国立演芸場
<  番組  >
前座・柳家さん坊『道灌』
桃月庵白酒『真田小僧』
「とうげつアンサー」
桃月庵白酒『子別れ(上)強飯の女郎買い』
~仲入り~
桃月庵白酒『井戸の茶碗』

3月に入ってから寒さが戻ったようで雨も多い。やはり彼岸過ぎないと春めいてこないのか。
この会は前座を別にすれば白酒ひとりだけの独演会で、間にお客から寄せられた質問に白酒が答える「とうげつアンサー」のコーナーが設けられているのが特長。この日の質問では、高座に上がって客席を見てからお辞儀をするかどうかを訊ねられていたが、白酒は見ないでお辞儀をすると答えていた。
落語家の出にはそれぞれ特徴があり、上方落語家には高座に上がり一礼してから座布団に座りお辞儀をする人が多いが、東京では少数で代表は花緑。高座への上がり方も様々で急いで上がる人もいればユックリ上がる人もいる。3代目柳好は末広亭で楽屋から上がる時に扇子で一つ高座をトンと叩いて上がっていた記憶がある。初代三平は走って上がってきて座布団にドサッと座るような感じだった。綺麗だったのは先代馬生で舞を舞うような格好で上がった。志ん朝も粋な姿で上がっていた。現役では文菊が綺麗な上りを見せる。反対に無造作なのは百栄でスタスタと歩いてくる。落し物を探すように下を向きながら出るのはさん喬、スキップの様に跳んで出て来るのが談笑。
座布団への座り方も癖があり、扇辰のように足の指先で位置を直してから座る人がいる。
お辞儀の仕方も様々で、軽く頭を下げる人もいれば平伏するように低くお辞儀する人もいる。権太楼は両手を拡げ首を傾けながらのお辞儀だ。
白酒のように下を向いたままお辞儀してから顔を上げるタイプもいれば、正面に顔を向けてからお辞儀するタイプの人もいる。正面しか向かない人、一度客席を見回す人と、これも様々。
噺家がしゃべり出す前の姿を観察するのも寄席の楽しみの一つだ。

白酒の1席目『真田小僧』、こういう前座噺のネタも白酒クラスが演じると一段と面白い。志ん朝なんか絶品だった。逆に前座噺が上手い人は本当に上手い。だから下手な真打は前座噺を掛けない。

白酒『強飯の女郎買い』、長講の『子別れの上』にあたる。志ん生が得意としていたので古今亭のお家芸と言っても良いだろう。葬式で酔いつぶれた大工の熊、この男は酔うと手が付けられずおまけに女郎買い好き。周囲が止めるのも聞かず、知り合いの神屑屋を引き連れて吉原に。
この後、女房と息子を追い出し女郎を妻にするが、これが朝寝朝酒、おまけに男を作って出て行ってしまう。これが『子別れの中』。
そして熊と別れた妻子が再開し元の鞘に納まるのが『子別れの下』で通称『子は鎹』。
白酒の言う通りで、この噺は上中を演じて初めて下が生きる。処がなぜか寄席では専ら下だけが頻繁に演じられ、しかもトリネタとして高座に掛かるケースが多い。こんな湿っぽい話を人情噺風にネチネチ聴かされたんじゃ堪ったもんじゃない。演るのなら上から入って、時間が無ければ中は粗筋だけにして、下はサラリと演じて欲しい。白酒の指摘は正解である。
自分でも得意と言ってるだけに、熊の人物像、神屑屋との軽妙なヤリトリ、吉原の牛太郎との掛け合い、いずれも良く出来ていた。このネタに関しては現役では白酒が第一人者ではあるまいか。

白酒『井戸の茶碗』、白酒独自の演出が組み込まれていて、大家が千代田卜斎から預かった茶碗を高木に届ける時に千代田の娘を伴って行く。二人はそこで顔を会わせて、双方ともに相手に好意を抱くという設定にしている。この前段があるので、千代田が自分の娘と高木との縁談を清兵衛に持ちかけた時に唐突な印象がなく、話もスムースに運ぶのだ。清兵衛に縁談を「嫌ならやめましょうか」と言われて高木が慌てるシーンも加えて大団円。
目出度くお開き。

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