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2015/03/06

「何代」か、「何代目」か

歌舞伎や落語などの伝統芸能の世界では、名跡が代々受け継がれる。特定の役者や噺家について述べる際に「0代目」を頭に付けるのが一般的だが(歌舞伎では「0世」とも表示される)、時には「0代」と表記されるケースもある。
例えば芸協のHPでの「平成27年真打昇進のお知らせ」では、「三笑亭夢吉 改メ 二代三笑亭夢丸」と表記されている。
これについて先年亡くなった音曲師の柳家紫朝の録音を聴いていたら、こんな話が紹介されていた。
6代目三遊亭圓生が色紙にサインするとき「六代三遊亭圓生」と書いていた。その当時「六代目」といえば「6代目尾上菊五郎」の事を指していたので、きっと圓生師匠も遠慮して「六代」と記していたのだろうと推測していた。
ある時。紫朝が図書館で歌舞伎関係の書籍を読んでいたら扉に菊五郎の自署があり、そこには「六代尾上菊五郎」と書いてあった。
そこで気が付いたのだが、存命中は「0代」と表示するのが通例なのだと。
その伝でいけば、先の芸協のお知らせで「二代三笑亭夢丸」としてあるのは正しい。

「初代」を除いて、当ブログでは亡くなった方の場合は「0代目」、存命中の方は必要に応じて「0代」又は「当代」と記すことにする。但しわざわざ「0代目」と表示せずとも特定できるようなケースは(5代目志ん生、5代目柳昇、3代目志ん朝など)省略する。
もっとも大向うの掛け声だけはやはり「0代目!」の方が響きが良い。「三代!」なんて掛けたら「何だい?」って帰ってきそうだもの。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

当代の桂文枝(元の三枝)師匠が(六代目で無く)「六代文枝」と名乗っているのは、上方で「六代目」と言えば笑福亭松鶴師匠、のイメージが強いから、という理由だそうですね。

U太様
文枝の件は私もそう聞いていましたが、圓生や菊五郎の例からすると以前から現役時代は「0代」と名乗るのが通例だったようです。
上方落語界での慣習は別なのかも知れませんが。

なるほど、解説ありがとうざいます。

本文に名前が挙がりました夢吉さんは、個人的に応援しているというのも有りますが、落語芸術協会にとっては久しぶりの(昇進時点での)期待値の高い落語家さんだと思うので、今から寄席の披露目がとても楽しみです。

U太様
私も夢吉は応援しています。師匠の死を乗り越えて更に精進して欲しいと願っています。

余談ですが、先日買った夢吉さんの昇進披露目の寄席共通チケットでは、「夢吉改メ 二代目三笑亭夢丸」と記載されていました。

U太様
新真打の披露興行のチケットが売り出されましたね。昨夜は夢吉の『辰巳の辻占』を聴いてきました。苦手なので滅多に高座に掛けないとと語っていましたが、なかなか結構でした。

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