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2015/04/05

#3四季の萬会(2015/4/4)

第三回「四季の萬会」~三遊亭萬橘定期独演会~
日時:2015年4月4日(土)14時
会場:浅草見番

前座・三遊亭楽しい『十徳』
<  番組  >
前座・瀧川鯉〇『かぼちゃ屋』
三遊亭萬橘『長短』
ゲスト:五街道雲助『代書屋』
~仲入り~
三遊亭萬橘『佐々木政談』

維新の党がついに上西小百合を除籍処分にした。地方選への影響を考慮したんだろうが、例によって橋下徹のパフォーマンスが鼻につく。政治への知識も経験もない人間を国会議員に立候補させた「任命責任」はどうなってるのか。まあ、選んだ方も選んだ方ではあるが。
東京は3月末に桜が開花し、ここの処の風雨で散り始めてしまった。観音様は縁日だったのか仁王門近くに沢山の露店が並んでいて、本堂の裏では平成中村座の興行が行われていた。そのせいか人出が多く仲見世は歩くのもひと苦労。
浅草見番での萬橘の「四季の萬会」は今回で3回目を迎える。萬橘は今年の花形演芸大賞・金賞を受賞した。因みに平成26年度「花形演芸大賞」の受賞者は下記のとおり。
【大賞】
ポカスカジャン
【金賞】
三遊亭歌奴
三遊亭萬橘
U字工事
【銀賞】
笑福亭たま
柳家小せん
古今亭志ん陽
立川志ら乃
桂宮治

落語以外の大賞受賞は久々で、「ボーイズ」からは初だと思う。受賞者に東京落語の四派が揃ったのも初めてではなかろうか。

前座の楽しい『十徳』、圓楽の7番目の弟子だそうで初見。急に言われたとの事だが、よくまとまっていた。スジは良さそうだ。
前座の鯉〇『かぼちゃ屋』、何故かこの人とはよく当たる。二ツ目を目前に控えた高座は、それなり。

萬橘『長短』、マクラで町場の話題を。男同士の会話で片方が「むち打ち刑」について話したら、もう片方が「なに、後から思いっきりぶつけるの?」と受けたというのが面白かった。
ネタに入って、いきなり短七が長さんに近所で生まれる赤ん坊が男か女か訊くという変わった入り方だ。長さんの夜中のしょんべんの話はカット、短七が長さんに勧めるのは菓子ではなくソバだ。長さんがソバを1本1本食べるので短七がイライラする。通常は長さんが煙草の火を点けられないのを見て短七が煙草の吸い方を指南するのだが、萬橘の演じ方では最初から短七は忙しそうに煙草を吸う。この方が二人の性格の対比がクッキリすると見たのだろう。『長短』の新たな演じ方は興味深い。

雲助『代書屋』、チラシにはゲストとあるが、雲助によればゲストは客という意味なのでアタシは客ではないからゲストはおかしい。「すけ(助演)」という立場でと断りを入れてネタに。雲助の『代書屋』は初見。このネタ(上方では『代書』)は上方の方が面白く、2代目小南、当代春団治、2代目枝雀が絶品。やはり関西弁でないと面白さが伝わらないのか。東京では権太楼がベスト。この物語の時代は明らかに戦前だが、演者の中には地名に戦後のものを使っているケースがある。雲助の高座では戦前の地名を使用し、男の名前も戦前に人気のあった坂東妻三郎としていた。この方がリアルだが、今のお客には馴染みがないので面白さが分かるまい。雲助の高座は水準は行ってるのだが、代書屋の困惑ぶりが今ひとつだった。「すけ」という事で抑えたのかも知れないが。

萬橘『佐々木政談』、通常は「政談」というと裁判を指すのだが、このネタはお裁き物ではなく、子供の頓智話だ。挿話も『一休さん』などでもお馴染みの話が出てくる。他愛ないネタだが、3代目金馬(タイトルは『池田大助』)、6代目圓生や志ん朝といった大御所が得意としていたのは、主人公の少年の造形が難しいからだろう。無邪気さと小賢しさが同居している子どもだからね。
萬橘の高座では、先ず初めに南町奉行に就任した佐々木信濃守が、配下の与力たちが賂を受けているという噂を聞き、事実を確かめるためにお忍びで江戸の町内を見回りしていたという設定にしている。これが後の白洲の場面で奉行が四郎吉に対し「与力の心」を訊ねると、四郎吉が「金のある方へころぶ」と答える伏線になっている。ここで佐々木信濃守は四郎吉を近習に取りたてる事を決めたのだろう。頓智問答をしている時に奉行が「うーん、勝ちたい」とか「又しても1本取られたか」と呟くのも新しい演じ方だ。
萬橘は、四郎吉の小生意気だが可愛い少年という姿を描いて好演。

独演会なので3席は演じて欲しかった。物足りなさが残ったのはその為だろう。

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