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2015/04/03

落語の中のワタシ「堀の内」編

落語を聴いていると、オレにもそういう憶えがあるとか、知人に周囲にそういうのがいるよなと思えることがしばしばある。
今回とりあげるテーマは「粗忽」だ。何を隠そう、このワタシ大変な粗忽者で、今までに大小さまざまな失敗をしている。その中の一つをここでカミングアウトする。

「粗忽」という言葉は日常あまり使われないが、辞書によると意味は次の通り。
① 軽はずみなこと。注意や思慮がゆきとどかないこと。また,そのさま。
② 不注意なために起こったあやまち。そそう。
③ 失礼。無礼。
落語の中で「粗忽」あるいは「粗忽者」を扱ったネタは多く、思い浮かぶだけでも『粗忽長屋』『粗忽の釘』『粗忽の使者』などがあるが、代表的作品に『堀の内』があげられる。数多くの演者が高座にかけているが、やはり第一人者といえば4代目三遊亭圓遊だ。以後の演者は全て圓遊の演出をベースにしている。
圓遊のこの噺のマクラには、そそっかしい男が女湯に入って周囲の女からジロジロ見られ「なんだ、女のくせに男湯に入ってやがって」、というがある。
実は、ワタシはこれと全く同じ間違いをしたことがあるのだ。

温泉の大浴場でのこと。ワタシはド近眼なので通常は眼鏡をかけているのだが、風呂の脱衣所に眼鏡を忘れて帰ってくることがあり(特に呑んだ後は)、この時は眼鏡をかけずに浴場に向かっていた。浴場に並んでトイレがあり、男子用のマークの標識が廊下側に付き出ていた。その隣が女湯だったのだが、ワタシはその男子用の標識が頭にあってそのまま女湯に入ってしまった。もちろん入り口には女湯と書かれたノレンが下がっていたので注意すれば分かる筈だが、思い込みというのは怖ろしい。
なかに入るとたまたま脱衣所に誰もおらず、なんの疑問もなく服を脱ぎ始めた。ちょうどそこへ女性が数人入ってきてワタシを見ると、「あ、すみません」と出ていった。直ぐに戻ってきて、「あのー、ここは女湯なんですけど」と言うのだ。ここに至ってワタシは初めて間違いに気づき、「ごめんなさい」を何度も繰り返しながら服を着て出てきた。
あの時もし脱衣所で女性が着替えをしていたら、もしそのまま気付かずに湯船に入って行ったら、これはウッカリでは済まず下手すりゃ犯罪になりかねなかった。
今でも、あの時のことを思い出すと冷や汗が出て来る。
だから圓遊の『堀の内』のマクラを聴くたびに、笑いより苦い思い出が蘇る。

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コメント

風呂、トイレ、あるなあ。
昨日は下車駅を間違えました。

投稿: 佐平次 | 2015/04/03 10:39

佐平次様
トイレに入ったら壁がピンクなので気が付いて、なんて事も。近ごろは粗忽にボケが加わり、反対方向に電車を乗ってしまうことさえしばしば。困ったもんです。

投稿: ほめ・く | 2015/04/03 12:55

最近、俳優や作家や映画などの名が思い出せず、テニス仲間との食事の際、毎週のように「あれ」「それ」問答が増えています^^
まだ、私はお二人ほどではないですが、もうじき“粗忽”仲間に入ることでしょう。
しかし、忘れることができる、ということも人間の大事な特性ですよね!

投稿: 小言幸兵衛 | 2015/04/04 09:14

小言幸兵衛様
固有名詞が出てこないというのはだいぶ以前からのことで、近ごろは単語そのものが出て来ない事があります。この記事でいえば「脱衣所」が出てこなくて、最初は「着替えの場所」なんて書いてましたよ。

投稿: ほめ・く | 2015/04/04 09:37

おじゃまします
カミングアウトの勇気に脱帽!
おかげさまで、心の重石を軽く出来ました・・・という読者は多いものと思われるのでござる
何よりも『下手すりゃ犯罪になりかねなかった』状況のようでございましたが、無罪放免ということで、安心を致しました
とかく世の中には冤罪という恐怖もございますからね
スーパー銭湯や個性的な温泉場などでは2ヶ所の入浴場を、曜日によって男女を変えたり、偶数日/奇数日で男女を変えたりというような運用もございます
常連さんこそ「気~つけなはれや」という状況がありますもんねぇ・・・
長々と書きましたが、俺ちゃんは間違えたふりして女湯に入ったこと、ないですよ
ないですとも
あってもカミングアウトしませんから

投稿: ロング | 2015/04/04 21:32

ロング様
温泉旅館でも時間で男女入れ替えという所が多いので、とりわけ神経を使います。脱衣所に眼鏡を忘れたのを気が付き取りに行ったら女湯に替わっていた事もあり、その時は仲居さんに頼みました。

投稿: ほめ・く | 2015/04/05 06:46

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