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2015/05/17

テアトル・エコー『けっこうな結婚』(2015/5/16)

テアトル・エコー『けっこうな結婚』
日時:2015年5月16日(土)14時
会場:恵比寿・エコー劇場
<  スタッフ  >
作:マイケル・ジェイコブズ  
訳:常田景子 
演出:高橋正徳
<  キャスト  >
安原義人/ハワード
重田千穂子/妻・グレイス
根本泰彦/サム
杉村理加/妻・モニカ
徳永創士/アレン(サム夫妻の息子)
宮崎亜友美/ミシェル(ハワード夫妻の娘)

平均寿命がのびてきたので、結婚してから無事に添い遂げるまでには数十年かかる。いかに仲の良い夫婦といえどもその間には夫婦喧嘩や倦怠期は避けられず、家庭内別居や仮面夫婦なんてぇケースだってある。
一人のパートナーだけ愛し続けるのは容易な事ではない。
男性なら他の女性に眼がいったり、(ワタシは経験がないけど)他の女性とこっそりとお付き合いするという人も少なくないだろう。女性だって気持ちは同じはずだ。
ここに登場するハワード&グレイスとサム&モニカの二組の夫婦、揃って子育てを終えお互いの欠点だけが気になりだす倦怠期にさしかかっている。自分たちの結婚はこれで良かったのか、別の幸せがあったのではないか、そんな気持ちが頭をよぎる。それぞれがアバンチュールを求め浮気の機会を得る。
一方、二組の夫婦の息子と娘は知り合って1年半も同棲生活を送っている。先の見えない将来に不安を抱え、結婚すべきかどうかそれぞれの両親に相談する。親たちは自分たちの事情も抱えているので、すっきりしたアドバイスが出来ない。そこでお互いの家族同士が先ず顔合わせをしてみようという事になった。
ハワード&グレイス宅を訪れたサム&モニカ、実はお互いに顔なじみだった。それもその筈、双方の浮気の相手同士だったのだ。若い二人を前にして、二組の夫婦がどういう行動に出るか。また、その行方は・・・。

ラブ・コメディだが冒頭から際どいセリフが飛びかう艶笑譚風の筋立て。ニヤリとさせられる場面が続き会場は終始笑いに包まれていた。何があってもこの劇団の芝居は必ずハッピーエンドを迎えるので、安心して見ていられる。浮気や不倫を経験して、却ってパートナーとの絆が深まり無事に元の鞘に納まるというわけ。
現実はなかなかこうは行かないのだが、そこは芝居。

杉村理加が中年女のフェロモン全開の演技で圧倒、ついつい「プロの女性」を想像してしまうほどだ。重田千穂子が浮気心と信仰心との間で逡巡する夫人を好演。宮崎亜友美の演技は良かったが、バレリーナ志望はちと無理がある。
男優陣も手堅い演技だったが、スタイルを都会派喜劇らしくキメテ欲しかった。
舞台装置がよく工夫されていて、テンポよく場面が展開していた。

公演は26日まで。

【追記】5/20付
この劇評でそれぞれのカップルがハッピーエンドで終わったとしたところ、サムとモニカについては最後は分かれたのではという指摘を受けました。この件に関してテアトル・エコーに問い合わせしたところ、下記の様な回答を得ましたので紹介いたします。

モニカの最後の台詞「いつまでも続くものにできなくて、ごめんなさい」と、ラストの上袖にはける時にお互い手をふって別々に退出するのは、腕を組んで退出するハワードとグレイスとは対照的です。
これは、サムとモニカが夫婦の関係を終わらせてしまう暗示ととれますが、互いの今後の人生を考えた、より幸せになる決断とも言えます。

私どもとしては、芝居の感想、解釈はそれぞれご覧いただいた方の感覚で構いませんし、「こういう見方で見て欲しい」と限定もするつもりはありません。観客の想像力を引き出し、観劇後、芝居の話で盛り上がって下さればとても嬉しいです。
何だかお問合せに正しく答えていないと思いますが、何卒ご了承いただき、今後もエコーの劇団活動を楽しんでいただければ幸いです。

テアトル・エコー演劇制作部
白川浩司拝

以上

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コメント

初日に観劇した者です。元の鞘?サム&モニカのカップルは別れてしまう風に見えましたが。結婚式の鐘が鳴る中、互いにさよならしていましたよ。
ミシェルは今はバレリーナ志望ではなく「あなたには無理」と子供の時に母親に言われた事が心の傷になっていたのでは?

コメント有難うございます。サムとモニカですが分かれたという風に見えなかったもので。私が見逃したんでしょう。

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