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2015/06/27

鈴本演芸場6月下席(2015/6/26)

6月26日、「鈴本演芸場6月下席」へ。

前座・三遊亭ふう丈『転失気』
<   番組   >
月の家鏡太『近日息子』
鏡味仙三郎社中『太神楽』
古今亭菊丸『豆屋』
隅田川馬石『たらちね』(代演)
ホンキートンク『漫才』
春風亭一朝『やかん泥』
宝井琴調『浅妻船』
江戸家小猫『動物ものまね』
橘家圓太郎『へっつい幽霊』
─仲入り─
アサダ二世『奇術』
橘家文左衛門『道灌』
三遊亭歌武蔵『漫談』
柳家小菊『粋曲』
桂藤兵衛『短命』

いつもの寸評。
鏡太『近日息子』、初見。真打昇進が近いんだろう落ち着いた高座だったが、成人の息子が子どもに見えた。
菊丸『豆屋』、物売りの声をマクラに本題へ。気の弱い豆売りと強面の客との対比を面白く描く。この人が演るとネタがみな上品に映る。
馬石『たらちね』、八の所へ嫁入りする娘、さる京都のお屋敷の箱入り娘だったようだが、貧乏長屋に嫁いできたのは、どうやら言葉が丁寧過ぎて婚期を逸したもようだ。言葉が丁寧というよりは「音読み」を多用してるんだけどね。こういう前座噺をさせても馬石クラスが演ると一段と面白い。進境著しく、師匠の芸風に最も近い。
一朝『やかん泥』、数ある泥棒ネタの中では面白味に欠けるのか、寄席の高座にかかる機会が少ない。泥棒の親分が家に忍び込み台所用品だけを盗むという設定が時代を会わなくなってきたのかも知れない。一朝の丁寧な高座にかかわらず客席の反応が鈍かった。
琴調『浅妻船』、朝妻船(あさづまぶね)とは、滋賀県琵琶湖畔・朝妻(米原市朝妻筑摩)と大津と間での航行された渡船。元禄期の絵師・英一蝶(はなぶさ・いっちょう)が浅妻船を描いた絵画が、絵で将軍綱吉と柳沢吉保を風刺したと解釈され、咎人として三宅島へ流されてしまう。直前に出会った友人の俳諧師・宝井其角(たからい・きかく)に、地元で加工する干物にある印を付けておくので、それが自分の無事を示すサインだと思ってくれと話す。其角は一蝶の老母の面倒を見ながら、干物に付けられた印を探し、その無事を確かめるという、二人の友情の物語。
講釈としては地味なストーリーで、観客に分かりづらかったかな。
小猫『動物ものまね』、この人の祖父や父親の高座を見ているが、彼が一番研究熱心だと思う。トークの技を磨けば祖父や父を乗り越えるのでは。
圓太郎『へっつい幽霊』、通常の筋書と異なる演出だった。主な相違点は以下の通り。
①道具屋から3両でカマドを買った客がその晩のうちにカマドを引き取ってくれと頼み込み、道具屋の主は1両2分で買い戻すのだが、圓太郎の高座では最初の客が3両でカマドから幽霊が出ると話してしまう。以後道具屋は幽霊が出るのを承知で次々とカマドを客に売りつける事になる。
②幽霊話の噂が町内に拡がり客足が途絶えた道具屋は、博打打の熊に引き取って貰うのだが、通常は3両付けるのを圓太郎では1両と少ない。
③熊が引き受けたカマドを通常は隣家の徳さんを誘って二人で自宅に運び込むのだが、圓太郎は熊一人で運び入れる。
④通常は二人で運びこむ途中で徳がつまずき、その弾みでカマドから3百両が転がり出る。二人はそれを折半してそれぞれ一日で使い切りスッテンテンとなるという筋だ。圓太郎の演じ方では、幽霊が熊に指示してカマドに塗り込んであった3百両を取り出す。従って普通は熊が徳の親から3百両を用立てて貰うのだが、その場面はカットされる。
恐らく圓太郎は短い時間で済ませるためにストーリーの改変を行ったと思われるが、初めてこのネタを聴いた人には何も違和感は無かっただろう。こういう演出もアリかな。
熊と幽霊の珍妙な会話や、幽霊が変な手つきで賽子を振るシーンを見せ場に楽しく聞かせてくれた。圓太郎の高座は常に全力投球なので気持ちいい。
文左衛門『道灌』と歌武蔵『漫談』は予想していた通り。トリの前の高座なので仕方ないかも知れないが、手抜き感が一杯。
小菊『粋曲』、相変わらず美声だし、抽斗が多いのに感心する。唄の合間に三味線の調子を合わせながら、鼻から息を吐き出す様にしゃべるのが色っぽい。
藤兵衛『短命』、この人らしい上手さは感じたのだが、トリでこのネタはどうなんだろう。それと最初に上がった鏡太の『近日息子』とでは、同じ「悔み」の話で付いてしまった。現に「ほら、何とか言いますね、ああ、嫌み」「そりゃお前さん、悔みだろう」というセリフもかぶっていた。
せっかく楽しみで行ったのに肩透かしを食ったような感じだった。

仲入りを挟んで後半に調子が落ちてしまったかな。

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