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2015/07/03

夢吉改メ三笑亭夢丸襲名・真打昇進披露(2015/7/2)

今春の芸協の真打披露興行に行くつもりだったのが日程が合わずにきてしまったが、ようやく7月2日の国立演芸場7月上席・初日に滑りこみ。この日は夢吉改メ「二代三笑亭夢丸襲名・真打昇進披露」で、お目当て通りとなった。

前座・柳亭楽ちん『子ほめ』
<  番組  >
三笑亭可女次『初天神』
桂枝太郎『松山鏡』
東京太・ゆめ子『漫才』
桂歌助『青菜』
三遊亭小遊三『船徳』
~仲入り~
『真打昇進披露口上』
三笑亭夢花『ドクトル』
瀧川鯉昇『ちりとてちん』
やなぎ南玉『曲独楽』
三笑亭夢丸『井戸の茶碗』

可女次『初天神』、年季のいった二ツ目だと思ったら経歴を見て納得した。
平成6年 先代古今亭志ん馬に入門し「志ん吉」に没後小笠原諸島父島でウミガメの調査を経て
平成14年 九代目三笑亭可楽に入門し「可女次」に
平成19年 二ツ目昇進
先代志ん馬にという事は6代目(8代目)を指すのだろうが、そうすると入門して間もなく師匠が亡くなったことになる。身体は細いが声が大きく威勢のいい師匠で人気があったが急逝してしまった。そういえば7代目(9代目)も癌で亡くなった。
今秋か来春には真打に昇進するだろうから頑張って欲しい。
枝太郎『松山鏡』、当代は3代で、師匠は歌丸。2代目枝太郎は新作落語専門で、漂々とした高座スタイルが印象に残っている(言う事ぁ古いね)。
マクラから客席を笑わせ、ネタに入ると随所にクスグリを入れて、サゲも改変していた。名人文楽の十八番とは全く別物の『松山鏡』にしていたが、この人のセンスの良さを感じさせた。
京太・ゆめ子『漫才』、特別のネタを振るわけではなく会話の可笑しさだけで笑わせる芸で、ほのぼのとした夫婦(めおと)漫才の典型だ。
終わりのフレーズ「母ちゃん、もう帰ろうよ!」は、師匠の松鶴家千代若・千代菊の漫才を決めゼリフを受け継いでいる。
歌助『青菜』、季節感のあるネタを本寸法で。屋敷の主人のどっしりとした感じが出ていた。
小遊三『船徳』、ここ数年で聴いた小遊三の高座ではこの日が一番。頼りない若旦那、船宿の主、二人の客、それぞれの人物像が明確で、船が大川へ出てからのリズムが良い。この人の本領を示した一席。
真打昇進披露口上』は、高座下手から司会の夢花、枝太郎、歌助、夢丸、鯉昇、小遊三の順で並び、口上とご祝儀。
夢花『ドクトル』、自作の新作落語と思われるが、スジは奇病にかかった二人の患者が医師を訪れ、間違った薬を飲まされて余計に症状が重くなるというもの。奇声や動作の可笑しさで笑いを取ろうとしたのだろうが客席の反応は鈍かった。
当代夢丸の兄弟子であり、先代が亡くなった今では師匠替りの出演だったと思う。そうした立場からこのネタの選定はいかがなものか。
鯉昇『ちりとてちん』、例によって脱力感溢れるマクラで客席を沸かし、そのままネタへ。寅さんが珍味の「ちりとてちん」を喉へ流し込んで悶絶する場面を見せ場に、この日一番ウケていた。
南玉『曲独楽』、座ったままの妙技の披露は、お見事としか言いようがない。
夢丸『井戸の茶碗』、この人の良さは、明るさと勢いだ。反面、技術的は未だ未だの所もあり、裏返せばそれだけ伸びしろがあると言える。このネタでは従来の弱点だった人物の演じ分けもしっかり出来ていた。ただ、言葉づかいには一考の余地があるように見えた。
襲名と真打昇進を機に、さらに一回り大きく成長した夢丸に、これからも期待したい。

今の芸協の充実ぶりを示した定席だった。

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コメント

私は昨日国立に行くことができました。
まさか夢丸の『薮入り』が聴けるとは・・・・・・。
歌丸の代演に、芸協の相談役、今年九十歳の笑三が『ぞろぞろ』を演じ、口上では見事に笑いをとりました。
芸協の勢いを感じる披露興行だったと思います。

投稿: 小言幸兵衛 | 2015/07/06 22:37

小言幸兵衛様
こうした披露公演で落協の場合は、国立演芸場になるとメンバーを落とす傾向にありますが、芸協は必ず幹部クラスを出演させてます。こうした点にも両協会の姿勢の違いを感じます。

投稿: ほめ・く | 2015/07/07 04:47

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