『かがみのかなたはたなかのなかに』(2015/7/9)
『かがみのかなたはたなかのなかに』~未来のおとなと、かつての子どもたちへ~
日時:2015年7月9日(木)14時30分
会場:新国立劇場 小劇場 THE PIT
<スタッフ>
作・演出=長塚圭史 振付=近藤良平
<キャスト>
近藤良平 首藤康之 長塚圭史 松たか子
ストーリーは。
季節は夏、兵隊であるタナカが海辺の家に戻る。独り暮しで出立までは間がある。
退屈して部屋を動き回っていると、反対側にタナカと対称形で同じ動きをするそっくりな男を見つける。鏡の向こうにいるカナタだ。タナカが話しかけると、語順を逆にしてカナタが答える。二人とも孤独なので慰め合うようになる。
ある日、タナカは鏡に向こうに素敵な女性を見つける、ケイコだ。タナカはケイコに恋をする。するとカナタもケイコに恋をするようになる。カナタがケイコに近づくと、タナカはコイケに近づいてしまう。コイケは鏡に映ったケイコなのだが、見かけは全く別人。
タナカはケイコには恋するがコイケは嫌う。タナカとカナタの両方がケイコを取り合うようになると、最初は自分に自信が持てなかったケイコも次第に嬉しくなる。
鏡をはさんでタナカとカナタ、ケイコとコイケは行ったり来たり。
やがてタナカとカナタは邪魔なコイケを消そうとするが・・・・。
劇場のHPには「子どももおとなも一緒に楽しめるお芝居を「鏡」をモチーフにお届けします。」とあり、「鏡」をモチーフにした親子が一緒に楽しめるファンタジーという事になろう。
感想は、帰りがけに近くにいた年配の女性の一言「なかなか面白かったけどねぇ・・・」に集約される。この「ねぇ・・・」の先は観客それぞれによって異なるだろうが、私の場合は「作者が何を言いたいのか分からなかった」である。
タナカとカナタ二人が演じるパントマイムの様な左右対称の動き、それも複雑でかなり激しい動きだが良くシンクロしていた。ケイコを巡るラブストーリーやダンスの様な動きも見ていて楽しい。しかし見終ってから、何も残らない。
おとなはそれで良いとしても、果たして子どもは楽しめるだろうか。
お目当ての松たか子は相変わらず美しい。女優の中でも舞台で映える人、まあまあの人、見映えの劣る人と様々だが、松たか子は舞台映えする典型だ。やはり血は争えない。
公演は7月26日まで。
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