安倍首相の愚にもつかない例え話
安倍首相はここのところ自民党のサイトやTV番組に出演して、安全保障関連法案の解説を行っているらしい。世論調査で法案への反対が多いことに危機感を抱き、自ら国民に分かり易く説明しようというものだ。
例え話にするのが手っ取り早いとでも思ったんだろうが、その例え話がピント外れなのだ。
先ずは「安全保障関連法案は、泥棒からの戸締まりの強化だ」という「戸締り論」、もう年十年も使い古した例え話で新味がない。
他には、「友達のアソウさんと一緒に帰り、3人ぐらい不良が出てきて、いきなりアソウさんに殴りかかった。私もアソウさんを守る。今度の法制でできることだ」。
アソウさんをアメリカ、私を日本に例えたんだろうが、ベトナム、アフガン、イラクとの戦争を見れば、先に殴りかかるのは常にアソウさんの方だ。例えが逆である。
今度は模型を使っての例え話。アメリカの大きな家と、同じ敷地内にある「離れ」、道路を挟んで建っているのが日の丸の家。先ずアメリカの家が火事になり、それが「離れ」に燃え移り、さらに日の丸の家にまで類焼が及びそうになる。そこで日本の消防士が、日本の家を守るためにアメリカの「離れ」の消火を手伝うというお話。
「離れ」に延焼するほどのアメリカの火事って、何を想定してるんだろう。中国がアメリカ本土にミサイル攻撃を開始するとか?、それこそ安倍首相の大好きな言い方を真似れば、「完全に阻止できます」。いくら例え話といっても、もっと気の利いたのがあるだろうに。
いずれも出来が悪いところを見ると、首相本人が考案したものだろう。
安倍首相は「国民に分かり易く」という意味をはき違えている。
こんな子ども騙しのような例え話を持ち出しても、世間の笑い者になるだけだ。
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