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2015/07/07

「世界遺産」の乱造

月刊誌「選択」2015年6月号に、元文化庁文化部長で現京都造形芸大教授の寺脇研氏が、「ありがたがるな世界遺産」というタイトルで編集部のインタビューに答えている。
要旨は次の通り。

1.今回の「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に関して、明らかに安倍首相の地元である山口県を含めようとした政治色の強いもので、そんな経緯で選ばれた遺産について一喜一憂する国民もメディアも滑稽でしかない。
2.世界遺産は元々ユネスコ、欧州から始まったもので、欧州では遺産登録が飽和状態になっている。そこで他地域の歴史的遺物でも遺産に「認めてやろう」という意識が確実にある。
3.日本には未だに欧米から認めてもらいたいという明治時代からの発想が抜けきらない。なぜ富士山の素晴らしさを伝えるのに世界遺産というお墨付きを頂く必要があるのか、理解できない。
4.今では文化庁に専門職員がいて、日本中からの陳情を受け付け、国内の候補を選んでユネスコに要望するというように登録がノミネートのノルマ化、システム化しており、流れ作業にように世界遺産を産みだしている。
5.挙げ句のはてに最近では地域おこし、観光振興という邪な目的が加わり、世界遺産が政治家の道具にまで成り下がっている。
6.日本人が守るべきだと考える遺産なら、自らの手で後世に残していくべきであり、この国の文化レベルが問われる問題だ。日本人の文化水準は高いが、政策面では極めてお粗末。文化予算でみると欧州各国はおろか韓国より劣っている。
7.そうした問題を見つめ直す意味からも、「もう世界遺産はいらない」という所から始めるべきだ。

大事なことは日本の大事な遺産は自らが守るべきであり、世界遺産を増やして世界から認めて貰おうなどという卑屈な態度は改めるべきだということ。
本来の目的をはき違え、観光の道具や政治の道具に成り下がっているのなら、「もう世界遺産はいらない」。

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コメント

まったく同感です。
指定されて躍り上がって喜ぶ映像を見ると戦争法案に対する目くらましかと思うほど腹が立ちます。

佐平次様
日本には京都や奈良という素晴らしい文化遺産がありますが、ここ数年に登録したものは「どこが?」と首を傾げるものばかりです。
それも政治の道具ときけばシラケル一方です。目くらましの意味合いも濃厚ですか。

奈良→大阪通勤人口より一層増強
京都→文化特権剥奪格下げ山城県

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