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2015/08/30

国立演芸場「上方落語会」(2015/8/29)

特別企画公演「上方落語会」
日時:2015年8月29日(土)13時
会場:国立演芸場
<   番組   >
桂吉坊『軽業~東の旅より』
桂文鹿『紙相撲風景』
桂雀々『夢八』
―仲入り―
笑福亭三喬『月に群雲』
内海英華『女道楽』
桂米團治『蔵丁稚(四段目)』

山口組と維新の党の分裂騒動が話題になっている。どちらも内部の主導権争いが原因というのが共通項だ。山口組が名古屋と関西の対立なら、維新は東京と大阪の対立で構図もソックリ。それにしても安保法制の審議が重大な時期を迎えているというのに、維新の党は身内の争いをしてるんだから、まったくどうしょうもない連中だ。橋下は元々が安倍ベッタリだったから、援護射撃のつもりかも知れないが。

次は朝日の記事から。
【落語界の爆笑王として知られ、16年前に亡くなった桂枝雀さんの長男前田一知(かずとも)さん(43)が、枝雀さんの弟弟子の桂ざこばさんに弟子入りした。芸名は「桂りょうば」。枝雀さんとざこばさんの師匠である桂米朝さんの追善の一門会が開かれた今月16日付で入門し、二世落語家として歩み出した。】
三喬がマクラで、大阪ではこの話題でもちきりで、維新なんかどうでも良くなったと言っていた。43歳からの入門というのはハンディだろうが、枝雀の背中を見て育った人が、どんな落語家になって行くのか注目される。

国立の特別企画公演「上方落語会」、発売日の午前中には前売りが完売したそうだが、魅力的な顔ぶれだ。文鹿(ぶんろく)と米團治は初見だが、他者は何度か高座に接している。三田落語会とダブってしまったが(昨日気付く)、こちらを優先した。

吉坊『軽業』、上方落語『東の旅・往路』の一部で、お馴染みの喜六と清八の二人が見世物小屋に入るのだが、これがインチキばかり。板に血がついて「大イタチ」、ノミ取りの男がいて「とったりみたり」、六尺と三尺のフンドシで「白いクシャク」。最後は軽業小屋に入って綱渡りを見ていると・・・。
小屋がけの呼び込みと客のヤリトリ、綱渡りの足の動きを扇子と指だけで表現させる所が見せどころ。吉坊は一つ一つの動きが丁寧で、この人らしい高座だった。

文鹿『紙相撲風景』、力士の形態模写で沸かせたあと、国技館の建物から館内風景、土俵、客席、相撲茶屋までミニチュアで作り上げた男の紙相撲の噺。新作落語というより自身のマニアックな趣味の話しに近い。他の演者も初めて聴いたと言っていた珍しいネタだったが、面白く聴かせていた。

雀々『夢八』、雀々は得だ。存在自体が面白いのだから。マクラの枝雀の物真似で爆笑させた後、本題へ。仕事中に直ぐに眠くなってしまう男が、騙されて首吊りの番をさせられる。怖がる男を見た化け猫が首吊りにのり移って男に「伊勢音頭」を唄わせる。首吊りは調子に乗って全身で調子を取っていたら、綱が切れて落下。男は気絶。棒で床を叩きながら恐怖に怯える男と、陽気な首吊り男との対比が見せどころにして、客席を雀々の世界に引き込んでいた。

三喬は十八番の『月に群雲』。間抜けな泥棒と、盗品を専門に扱う道具屋の主との軽妙な掛け合いは、いつ聞いても面白い。合言葉で泥棒が「月に群雲」というと、主が煙草を一服つけてポーズを取ってから「花に風」と答えるだけで客席の笑いを誘う。ドロボウ三喬の面目躍如。

英華『女道楽』、日本で唯一人ということは世界で唯一人と言っていたが、後継者はいるのだろうか。音曲の芸人というのは年季が要る。この人や小菊の芸域に達するまでには可成りの年月がかかる。ここが噺家と違う所だ。小菊や英華の芸を見るにつけ、近ごろの可愛いだけが取り柄で素人レベルの音曲芸人を見せられるにつけ、将来の心配が先に立ってしまうのだ。

米團治『蔵丁稚』、マクラで米朝の葬儀について語っていたが、一門の代表として桂ざこばと月亭可朝が並んだ時に、「可朝って米朝の弟子だったのか」と驚いた人が多かったとか。弟子も弟子、レッキとした惣領弟子だ。
さて、東京では『四段目』と知られているこのネタ、米團治の高座は想像していたより良かった。
ただ、正蔵と同じ匂いがするのだ。そう、お坊ちゃんの匂いが。予見を持って見るせいもあるのだろうが、あまり好きになれない。

上方落語って、クセになるねぇ。

【お詫びと訂正】8/30
元の記事で「可朝の落語を東京で聴いてみたい」と書いたところ、トシ坊さんよりコメントで東京公演についてのご指摘がありました。調べたところ、過去に「川柳・可朝二人会」や「可朝・談春二人会」が東京や横浜で開かれ、可朝が『住吉駕籠』などを演じていた事がわかりました。従って、お詫びのうえ原文の該当箇所を削除致します。

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コメント

可朝師匠、東京・横浜でも出演されていることがありますよ。お気づきになっていないだけでは?
数年前に川柳・可朝二人会もありましたし。
ことしも談春をゲストににぎわい座で会をやったはずです。

トシ坊様
不勉強で申し訳ありません、ご指摘有難うございます。
早速、本文の訂正・加筆します。

この会も気になっていたのですが、野暮用で間に合いそうになく、末広亭に行った次第です。
米團治、正蔵、花緑・・・そうなんですよね、同じ匂いがします。

桂りょうばのニュースには、私もびっくりです。
彼はそういった匂いのしない噺家さんになりそうな気もしますが、過度な期待はせず、ほどほどに気にとめたいと思っています。

小言幸兵衛様
この会は米團治以外がお目当てだったんですが、それぞれ熱演で満足しました。出来ればトリにはベテランを起用してくれればなお良かったと思います。
近ごろ上方落語は、私のミニブームになっています。

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