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2015/09/11

#22西のかい枝・東の兼好(2015/9/10)

第22回「西のかい枝・東の兼好」
日時:2015年9月10日(木)19時
会場:横浜にぎわい座
<  番組  >
前座・雷門音助『狸札』
三遊亭兼好『犬の目』
桂かい枝『稽古屋』
~仲入り~
桂かい枝『たけのこ』
三遊亭兼好『付き馬』

大雨による洪水被害にニュースを見ながら、日本という国は至る所に災害の危険性があるということを実感させられる。台風18号自身は小型台風だったのだが、目下の秋雨前線を刺激し西日本から東北にかけて甚大な被害を与えてしまった。地震や台風に加え近ごろでは竜巻も各地で多発している。
今回の栃木での堤防決壊については以前から危険性が指摘されていた個所から決壊している。つまりある程度は事前に予防策がとれた筈ということだ。私たちに差し迫った安全上の脅威は自然災害だということを改めて感じた。
未だ行方が不明の方、取り残されて救助を待つ方も沢山おられる。ご無事を祈るばかりである。

音助『狸札』、声よし、様子よし、語りもよし。将来性を感じさせる期待の若手。

兼好『犬の目』、マクラで政治家や官僚の金銭感覚がマヒしてると言っていたが、その通り。彼らには根本的に国民の税金を使っているという自覚が無い。
軽いネタだが、眼医者のアライ・シャボン先生がメモ好きでしかも駄洒落好きという設定で、結構受けていた。

かい枝『稽古屋』、東京の高座にもお馴染みのネタだが、オリジナルの上方版はストーリーが異なる。
喜六が甚兵衛に、女にもてないのだが何かいい知恵はないかとたずねる。金、容姿、性格、などいろいろ聞いてみるがどれも皆ダメ。特技はというと「宇治の名物蛍踊り」(全裸になり全身を真っ黒に塗り尻の穴に火のついた蝋燭を挟んで踊り、最後に屁で火を消す)だと言う。呆れた甚兵衛は喜六に知り合いの稽古屋を紹介する。
言われるままに喜六、町内の稽古屋のところにやってくると、折しも踊り「娘道成寺」や清元の「喜撰」の稽古のまっ最中。喜六は面白がって表からさんざんに茶々を入れ、「甚兵衛はんの紹介できましたんや。今日からあんたの手下や。」と上がりこむ。喜六は女にもてる芸を教えてくれと頼み、師匠は唄の本を渡し、高い所を稽古してくるように指示する。
喜六は家に帰り、高い所だからと屋根に上がり「煙が立つ」と大声で稽古する。通りかかった人が「何、煙が立つ!てえへんだぜ。火事だ。火事だ。お~い。火事はどこだ~。」と大騒ぎ。喜六が続けて「海山越えて~」歌うので、「そんなに遠けりゃ大丈夫だ。」でサゲ。
この噺は前半で切って「色事根問」というタイトルで演じられる。又、上方落語の本来のサゲは、喜六が女にモテる踊りをと頼むと、師匠が断り「色は指南の他でおますがな。」でサゲる。
かい枝はオチの部分は東京版で演じた(今では上方でもこのオチで演るのかも知れないが)。
この噺はストーリーそのものより、稽古屋のシーンでの踊りや唄の演じ方がポイントで、「はめもの」との呼吸と踊りの振り付けなど、高度な邦楽の要素が求められる。
かい枝は師匠仕込みの見事な所作を披露し、特に師匠に色気があった。この人の芸の深さが感じられた一席。

かい枝『たけのこ』、米朝作の小品。隣家の塀越しに頭を出した筍を、侍が自分の土地に出て来たのだから食べようとするが、一応隣家の侍に断りを入れるべく家来を遣わし、当家に闖入した不届きな筍を成敗したと伝言させる。隣の侍もさるもので、手討ちは致し方ないが遺体はこちらで引き取ると申し出る。
困った家来が戻ってくると、主の侍は再度家来に命じて口上を言わせる。
家来「けしからん筍は既に当方において手討ちにいたしました。遺骸はこちらにて手厚く腹の内へと葬ります。骨は明朝、高野へ納まるでございましょ~。これは筍の形見でございます」と言って筍の皮をバラバラ、バラバラバラ。
隣家の侍「いやはや、お手討ちに相成ったか。あぁ、可哀いや、皮ぁ嫌。」でサゲ。
なかなか洒落た噺で、かい枝のテンポの良い運びで楽しめた。

兼好『付き馬』、この人の特長は何しろ明るいこと。高座に登場するだけで、会場全体が明るい雰囲気になる。テンポの良さと独自のクスグリ(このネタでいえば、早桶屋の主の女房を登場させ、笑いを作る)で客席を沸かせる。
欠点は何かというと、描く人物像が不明確になることだ。例えば前半の客と牛太郎との掛け合いだが、二人が同質で双方の位置関係が明きらかになっていない。男が牛太郎を観音様の境内を連れ回す際の、牛太郎の反応がはっきりしない。
後半になって早桶屋の場面が良かっただけに、前半から中盤にかけての男と牛太郎との演じ分けが不十分だった点が残念だった。

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