再び「『軍』の暴走」が始まるのか
安全保障関連法案を審議する参院特別委員会は9月2日に一般質疑を行ったが、この中で共産党は防衛省の内部資料として、河野克俊統合幕僚長が昨年12月に訪米した際の米軍幹部との会談記録とされる文書を提示した。
委員会で政府は文書の存在を確認した上で今後回答するとした。
同党の仁比聡平氏が示した文書は、昨年12月17-18日に河野統合幕僚長が米国防総省で米軍幹部らと会談した際の記録で、次のような記載がある。
―河野統幕長「集団的自衛権の行使が可能になった場合は、米軍と自衛隊の協力関係はより深化するものと考えている。」
―オディエルノ陸軍参謀総長「現在、ガイドラインや安保法制について取り組んでいると思うが、予定通り進んでいるか? 何か問題はあるのか?」
―河野統幕長「与党の勝利により来年の夏までには終了するものと考えている。」
―ワーク国防副長官「(オスプレイが)初期の事故により不公平な評価を受けることとなり残念である。」
―河野統幕長「オスプレイに関しての不安全性をあおるのは一部の活動家だけである。」
この他、河野はワークに対して日本の防衛予算が「今後も増える傾向にある」と述べている。
―ダンフォード海兵隊司令官「安倍総理は(辺野古への)移設を現行計画通り実施し、沖縄の基地負担を減じる努力をしていくと理解している。」
―河野統幕長「辺野古への移設やキャンプハンセン、キャンプシュワップでの共同使用が実現すれば、米海兵隊と海上自衛隊との協力関係が一層深化すると認識している。これにより沖縄の住民感情も好転するのではないか。」
日本が太平洋戦争に無謀に突き進み、敗戦に至った大きな要因の一つが軍部の暴走であった。
今回の文書を見る限りでは、昨年12月といえば未だ安保法制の「あ」の字も出ていない段階だ。それに対し河野幕僚長は今年の夏までに終了すると明言している。沖縄の軍事基地の日米共同使用もまたしかりだ。防衛予算も増加し続けるとの見通しを述べていた。
河野の発言はまるで総理の発言の様に聞こえる。
河野発言全体からは制服組の舞い上がった気分が伝わってくる。
このままでは再び「『軍』の暴走」か、という嫌な予感がしてくるのだ。
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安倍などはかっこうの木偶なんでしょうね。
投稿: 佐平次 | 2015/09/03 09:34
佐平次様
安倍政権の後押しで彼らがすっかり舞い上がって仕舞っているのが文書から見て取れます。先に明らかにされた自衛隊の内部文書といい、安保法案の成立を先取りしている点が非常に危惧されます。
投稿: ほめ・く | 2015/09/03 11:00