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2015/10/04

鈴本演芸場10月上席・夜席(2015/10/3)

(前座は省略)
<   番組   >
柳亭こみち『饅頭こわい』
翁家勝丸『太神楽曲芸』  
柳家一琴『転失気』
春風亭百栄『鮑のし(序)』
のだゆき『音楽』
春風亭一之輔『普段の袴』
ホンキートンク『漫才』
古今亭文菊『権助提灯』
~仲入り~
アサダ二世『奇術』
柳家小三治『一眼国』

鈴本の10月上席夜の部はトリが小三治で、その3日目に出向く。この日は土曜日で代演が少なかったせいか満員。隣席の人が前日も来ていたが、可成り余裕があったそうだ。2日は代演が多かったのが響いたか。大半のお客のお目当ては小三治だろうが、それでも他の顔づけも入りに影響されるのかも。
以下に、いくつか感想を。
こみち『饅頭こわい』、唄や踊りを習っているせいか姿勢が良い。落語家のしゃべりも身に着けているので女流として期待がもてる。
勝丸『太神楽曲芸』、ああ度々ボールを落としていたんじゃシャレにならない。プロとして恥ずかしい。
一琴『転失気』、転失気を屁と知らされた時の小坊主の表情が良く、その顔だけで笑いと取っていた。
一之輔『普段の袴』、小三治が会長時代に抜擢で真打昇進させたのは、一之輔、文菊、志ん陽の3人だ。この中で文菊と志ん陽は小三治好みと言えそうだが、一之輔の芸風は小三治とは対極的といって良い。それでも評価したのは実力を認めたからだろうと推測する。このネタを聴くのは3度目か4度目だと思うが、細部のクスグリまで含め中身を変えていない。完成度が高いと判断してるんだろう。袴を借りに大家の家に行った男が、その分けを説明するのに祝儀と不祝儀が道路の角でぶつかって喧嘩になったと言う、通常であればここは大家がツッコミを入れる所だが、一之輔は大家に「楽しませて貰ったから、袴を貸してやれ」と言わせる。こういうセンスが今の人に受けるんだろう。
百栄『鰒のし(序)』、上手いか下手かと訊かれれば、この日に出た真打の中では最も下手だと答えるだろう。滑舌が良いとは言えないし喋りもモッチャリしている。だけどどこか不思議な可笑しさがある。「ふら」があるからかな。
文菊『権助提灯』、この日の口演で気が付いたのだが、嵐の日に本妻が主人に、こういう日は妾の家で泊るように勧めるのは嫉妬心が無いからではなく、むしろ当てつけだったのではないか。だから妾もそう感じて旦那の受け入れを拒んだのだと思う、その先は双方の意地の張り合いで旦那は両家の間を行ったり来たり。その様子を皮肉な目で見る権助。チョットした心理劇を見てるような気がした。文菊は軽いネタを丁寧に演じていた。
アサダ二世『奇術』、小箱に腕時計を入れて外から鍵をかけ、その腕時計をパンの中から取り出して見せると言う、この人には珍しい本格的なマジックを見せていた。
小三治『一眼国』、浅草奥山での見世物小屋の風景から、「オオザル、コザル」「ベナ」のインチキ見世物をマクラに本題へ。客が入らず困った見世物小屋の男が六部を呼んで珍しい話しを聞かせると頼む。初めは炊き立ての白米に鰻を付けると言うのだが、六部が妙案が出ないと知ると冷や飯に水を掛けて食えと態度を変える。通常の高座ではカットされる事の多いこの導入部を演じた。後は飯を食いながら六部が思い出した「一つ眼」を話を信じて教えられた場所に向かい、まんまと一つ眼の少女を攫おうとするが逆に見つかり、というお馴染みの筋。ネタのせいなのか、あまり小三治らしさは感じられなかった1席。

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コメント

「饅頭怖い」大好きな噺です。
今朝、某番組で立川談慶がこの噺から学ぶのは会話継続力だと言っていました。
怖いものを挙げていくところで、蟻が俺の悪口を云々なんてところが変にありそうで可笑しい。こみちは持ち前のテンポの良さで語っていたでしょうか。

福様
女流の可否は、啖呵が切れるかどうかで判断しています。こみちは歯切れが良いのが強みです。前座噺ながら難しさもあるネタですね。

おや、小三治ですね。
かわら版を見落としていました。

佐平次様
10日までトリが小三治ですが、6,8日は休演のようです。ウィークデイはそれほど混まないようです。

いつも、楽しく拝見しております
ほめ•く様は
大変落語に、お詳しいのですが
ご自身はどこかで落語をおやりになったり
されないのですか?
拝見してみたいなと思いました

詳しいなんて、とんでもない。子どもの頃から落語が好きで、見たり聞いたりしてきただけです。自分では演りません。若い頃は演ったことがありますが、才能が無いのが分かったからです。

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