【憧れの映画スター】ジーナ・ロロブリジーダ
少年時代の最大の娯楽は映画だった。母親が映画好きだったので、小学校就学前後あたりから邦画に連れて行ってもらった。多分、私の入場料は無料だったのだろう。ただ小学生には内容が難しくてあまり面白くはなかった。小学校の中学年になると学校の友人たちや親戚の人と一緒にターザン映画やチャンバラ映画を見に行くようになり、こちらは楽しかった。
小学校の高学年になる頃から洋画を見るようになった。一つは隣家に住む同級生の母親が新宿武蔵野館のモギリをしていて、その友人と一緒だとタダで入れた。もう一つは12歳年上の兄が税務署に勤めていたのだが、入場税の係りだったので管内の映画館だと兄が一緒なら無料で入れた(今なら問題になるだろうけど)。そんな事情からせっせと映画館通いができた。
小学生ボウズといえども男の端くれ、洋画ではついつい女優たちの姿に眼が行ってしまう。その頃に見た映画に『空中ぶらんこ』(Trapeze)がある。ハリウッドの人気スターだったバート・ランカスターとトニー・カーチスが主演だったが、助演のジーナ・ロロブリジーダの美しさに目を奪われた。
世の中にこんな綺麗な人がいるのかと。美人なのは勿論のこと、日本人とは体形が違い見とれてしまった。後からDVDなどで確認すると空中ブランコのシーンはスタントを使っているが、簡単なロープを使った芸やトランポリンでの回転などは本人が演じている。
題名通りのサーカスの空中ぶらんこ乗りの物語で、通俗的なストーリーながら娯楽作品としては良く出来ていたが、この作品はジーナの魅力抜きでは語れない。
スチールを見ると近ごろの女優やタレントに比べるとふっくらとしているけど、私は女性の美しさは曲線美だと信じている。なにか割り箸を並べたような足を見せて「美脚」を押し売りする傾向があるが、本当の美脚はジーナの様な足を言う。
その後、彼女が映画『美女の中の美女』(La donna più bella del mondo)に主演していると聞いて、タイトル通りだと思った。この作品の中では歌手の役で歌を披露している。吹き替えの様だが、ジーナは歌手としてもショーやTV番組に出演しており、歌には自信があったのだろう。
『ノートルダムのせむし男』(Notre-Dame de Paris)ではエスメラルダ役で広場でのダンスシーンがあるが、官能的で見事な踊りを見せている。
エキゾチックで野性的な魅力から、『ノートルダム・・』や『花咲ける騎士道』(Fanfan la Tulipe)(初期の初々しいジーナの姿が見られる)ではジプシー娘を、『パンと恋と夢』(Pane, amore e fantasia)では逞しい村娘を演じているが、後年の作品に比べこれら初期の作品の方が彼女の魅力が際立っていたように思う。
ソフィア・ローレンと並んでイタリアの国民的映画女優であるジーナ・ロロブリジーダは80歳過ぎた今も健在で、youtubeなどでは可愛らしいオバアさんの姿が見られる。
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