【街角で出会った美女】中国・新疆ウイグル
新疆ウイグルはチベットっと並んで中国の喉に刺さったトゲだ。両方ともに少数民族問題と宗教問題が絡んでいるだけに根が深い。
新疆ウイグル自治区は面積が日本の4.5倍と広大で、その3分の1は砂漠だ。住民の3分の2はウイグル族などの少数民族で、多くはイスラム教徒だ。この地域は昔から中国より中央アジアとの結びつきが強く、東トルキスタン地域とも呼ばれる。過去に何度か独立の動きがあったが、その度に中国により抑えられてきた。
最近では2009年にウイグル人と漢民族の対立が激化、ウイグル騒乱が発生し多数の死者を出している。
また2013年には、ウイグル族家族がガソリンを積んだ自動車で北京の天安門に突入し自爆する事件が起きた(天安門広場自動車突入事件)。この事件を機に中国政府はテロ取り締まりを強化したため、ウイグル族の女子供が警官隊に射殺される事件も増えていた2014年にも、ウルムチ市内で暴漢による無差別な殺傷事件が発生している。
「中国シルクロードの旅」などと銘打った国内各旅行社のツアーには新疆ウイグル地域が含まれるため、ここ数年は中断していたが、ようやく今年辺りから再開となりこの8月に参加してきた。
中国当局の厳しい治安対策と、高速鉄道や空港の建設といったアメとムチで、現在は落ち着いているように見えた。主要都市であるウルムチには超高層ビルが立ち並び、中国の他の都市と同様の光景が広がる。
ただ中央支配の強化には反発する声も根強いようだ。
中国政府としては簡単にこの地区を手放すわけにはいかないというのは、石油や天然ガスが埋蔵されているからだ。中国で産出する石油と天然ガスの3割はこの地域からで、今後もさらに増える可能性がある。
今後も当局はアメとムチを使い分けながら新疆地域を支配し続けるだろうが(この辺りの事情は日本における沖縄と似ている)、地底にたまるマグマはいつまた爆発するか分からない。
写真は新しく出来た新疆高速鉄道(新幹線)の車内で撮った車掌さん、エキゾチックな容貌は通常の中国人とは異なる。可愛い顔に似合わず威圧的でカメラを向けると叱られた。何かの拍子にチラリと笑顔をのぞかせたのはこの時だけ。ピンボケなのはそのためで、ご容赦のほどを。
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