チェコ・フィル「新世界より」に感動
「イルジー・ビエロフラーヴェク指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァイオリン:庄司紗矢香」
日時:2015年11月3日(火・祝)14時
会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
< プログラム >
スメタナ:シャールカ ~連作交響詩「わが祖国」より
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 op.64 (ヴァイオリン:庄司紗矢香)
~休憩~
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」op.95
≪ アンコール曲 ≫
J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番より「ラルゴ」*)
スメタナ/オペラ《売られた花嫁》3つの舞曲より「スコーチュナ」
メンデルスゾーン/交響曲第5番より第3楽章
ドヴォルザーク/スラヴ舞曲第9番
*)庄司紗矢香のソロ
以前にこのホールでD席を取って聴きに行ったら、ヴァイオリン協奏曲で肝心のヴァイオリニストの姿が見えなかったという悲劇に遭遇した。これに懲りて今回はC席のチケットを取ったが、これが当り! オーケストラの向かて左側中央の最前列で、指揮者の表情や楽器の動きが手に取るように分かる。特等席ですね。臨場感がまるで違う。唯一の欠点は協奏曲の時にヴァイオリン奏者の表情が分からなかった事だ。
先ず、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」が素晴らしかった。クラシックのコンサートでこれ程感動したのは久々だ。音楽は門外漢なので技術的な事は分からないが、作曲家が機械文明のアメリカから抱いた遥かに祖国ボヘミアへの郷愁の思いがヒシヒシと伝わる。隣の席の女性は何度かハンカチで涙を拭っていたし、同行の妻は演奏終了時に思わず立ち上がって拍手しようと思ったと言っていた。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、美音でヴァイオリンに泣かせるような演奏が私の好みなので、この日の庄司紗矢香の演奏には物足りなさを感じた。もっとも当方の席がちょうど彼女の背中を見ている場所なので、前方の席の観客には別の印象を与えたかも知れない。
本題から外れるが、こうしたクラシックコンサートでいつも思う事だが、演奏家は食べていけるのだろうかと心配になる。入場料を楽団員の頭数で割ると大した金額にはならない。一方、彼らがここまでなるに費やした費用は相当なものだろう。楽器も驚くほど高いに違いない。
弟子の教授料などの副収入もあるんだろうが、生活は楽ではないのかも。
そこいくと、ホール落語で入場料を数千円も取る噺家は何と恵まれているかと。コストは着物と扇子と手拭いと足代だけだ。
落語家の入門希望者が増えるわけだ。
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大阪から参上いたしました。2年前のミューザ川崎での公演が大当たりで今回はみなとみらいでの新世界に惹かれて1泊旅行です。
期待以上の内容でもう忘れられない新世界となりました。協奏曲についてはおまけ程度にしか思ってなかった(特にヴァイオリン協奏曲は)のですが、素晴らしいメンデルスゾーンでした。繊細という感じではなくて、骨太がっちりな音作りでした。それがとてもよかったです。
新世界はビエロさんのドボルザーク全集を所有していますが、全集での演奏が安全運転に思えてしまうような、エネルギー感に満ち溢れて、キラキラ輝くような素晴らしい演奏でした。2年前の新世界よりよかったです。
3曲構成で協奏曲が入ったプログラムが多くて、自分の経験では協奏曲でいい思いをしたことがあまりなくて、今回もそれほど期待していなかったし、特に1曲目は付き出し程度にしか思っていませんでした。でも最初から感動するようなオードブルで、ついで魚料理、メインの肉を堪能させていただき、デザートは3品もつけて下さったビエロさんにはもう本当に感謝です。
それにしても神奈川県民羨ましい。ミューザとみなとみらいなんてコンサートホールがあって。大阪はダメですね。
投稿: なかじぃ | 2015/11/05 21:34
なかじぃ様
あの「新世界より」は感動しました。手元にウイーンフィルのCDが3枚ありますが、チェコフィルの土の匂いが勝ります。
東京や神奈川には素晴らしい音楽ホールがありますが、せっかくの地の利を活かしておりません。反省です。
投稿: ほめ・く | 2015/11/06 09:43