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2015/12/06

初めての桂文之助(2015/12/4)

「赤坂倶楽部~文之助上方落語の会~」
日時:2015年12月4日(金)19時15分
会場:赤坂会館
<  番組  >
柳亭市弥『粗忽の釘』
桂文之助『餅つき(尻餅)』
~仲入り~
桂文之助『らくだ』

漫才コンビ「あした順子・ひろし」で活躍した漫才師あしたひろしが11月3日、老衰のため死去した。93歳だった。
順子とは師弟コンビで、「男はあなた、ひろし~」という歌に合わせた順子とのダンスや、鋭く突っ込む順子に弱々しく受けるひろしの姿が笑いを呼び、人気を博した。
浅草演芸ホールでの住吉踊りで、リーダーの志ん朝からイジられていた姿が眼に残る。
ご冥福をお祈りする。

オフィスエムズが主催して毎月4回、赤坂会館で開催の「赤坂倶楽部」。その杮落しの「文之助上方落語の会」に出向く。初見。
文之助が「落語会というより親戚の法事みたい」と言っていた様に、20名足らずのこじんまりとした会だ。
文之助の経歴は以下の通り。
芸歴
1975年3月、二代目桂枝雀に入門して雀松
2013年10月、三代目桂文之助を襲名
受賞歴
1988年 第3回「NHK新人演芸コンクール」優秀賞
1989年 第4回「NHK新人演芸コンクール」大賞
1994年 第60回「国立演芸場花形演芸会」銀賞
1996年 「大阪舞台芸術」奨励賞
2006年 第61回「文化庁芸術祭」演芸部門優秀賞
2012年 第66回「文化庁芸術祭」演芸部門優秀賞
他に「気象予報士」の資格を取得している。
自分では上方落語をランダムに聴いているつもりだが、振りかえってみると枝雀、吉朝、松喬、各門下の噺家が多いことに気付く。

市弥『粗忽の釘』、開口一番で客席を冷やす。勉強し直し!

文之助『餅つき(尻餅)』
通常は『尻餅』というタイトルだが、それだとネタが割れるとして『餅つき』としているようだ。
貧乏で餅がつけないので、せめて餅つきの音だけでも、女房の尻を臼の替りにして亭主が叩いて音を近所に響かせるというストーリー。
東京では8代目可楽が得意としていたが、尻餅をつく場面は比較的あっさりと演じていた。
オリジナルの上方版はもち米を蒸篭(せいろ)で蒸し、手で揉んで、それから餅つきを始める。そこに餅つき職人へのお神酒や祝儀の提供やそれに対するお礼やオベンチャラ、井戸端での職人同士の世間話や作業指示といった細部を亭主一人が演じる。蒸篭で蒸しあがった米を臼まで運ぶのに湯気で前が見えないからと息で吹きながら運ぶ、餅つきも歌を入れながらリズミカルに演じる。
前夜、夫婦で床に入ってから営みを連想させるような演出があり、着物をまくった女房の尻をウットリと眺めるシーンと共に、東京版に比べかなりエロティックな演出となっている。
文之助の高座は一つ一つの所作を丁寧に演じ、歳の瀬の早朝の寒さを感じさせて好演。
冒頭のマクラで気象予報士のネタを振りながら客席を徐々に温めた手腕にも感心した。

文之助『らくだ』
時間の関係からか後半の葬礼の場面をカットし、らくだの遺骸を樽に押し込み屑屋がいい加減なお経をあげる所で切っていた。屑屋が酒に酔うにつけ次第に強気になっていく場面でも、屑屋の身の上話しもカットしていた。
全体にあっさりとした印象だったが、これはこの人のスタイルなのかどうかは分からない。
マクラで、ラクダが初めて日本へ来た時の逸話や、「かんかんのう」の歌詞の紹介などは親切だった。
文之助の高座は、大家宅でのかんかんのう踊りや、ラクダの兄い分と屑屋の酒盛りで力関係が入れ替わり屑屋が兄い分を顎で使う場面を見せ所にして、軽快なテンポで聴かせていた。

せっかくの文之助の東京公演なので、市弥の高座をカットしてでも、タップリと2席を聴きたかった。
それと、高座の出来の割には観客数が寂しく感じられた。

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コメント

つばめだったかな、「尻餅」の尻たたきを一心不乱にやる演出。
私は痛々しくていまいち好きになれません。

投稿: 佐平次 | 2015/12/06 12:02

佐平次様
『尻餅』は演じ方によってはスパンキングの様に見られる可能性がありますが、上方の演出では前半でこの夫婦間の情愛を見せて痛々しさを滑稽に変えています。
このネタはやはりオリジナルの上方版が優れています。

投稿: ほめ・く | 2015/12/06 17:52

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