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2015/12/18

【産経記者無罪判決】第三者告発の恐ろしさ

韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の名誉を記事で傷つけたとして罪に問われた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対し、ソウル中央地裁は12月17日、無罪判決(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。李東根(イドングン)裁判長は判決公判の冒頭、韓国外交省が文書を提出し、日本側が善処を求めていることに配慮してほしいと要請してきたことを明らかにした。
判決では大統領としての朴氏について、「うわさを報道されることがあっても言論の自由は幅広く認められなければならない」とし、名誉毀損(きそん)罪は成立しないとした。一方で、私人としての朴氏の名誉は傷つけたと認めた。ただ、記事が「韓国の政治、社会状況を伝えようとしていた」として、名誉を傷つける意図はなかったと認定した。
随分と奥歯にものの挟まった言い方だ。
無罪判決自体は、ここ数か月、ネットでも産経の記事が韓国政府に配慮していると指摘していて(他紙がいっせいに韓国政府を批判する記事を出していたのに産経だけが沈黙していた等)、産経-韓国政府間で取引があったのではという憶測が出ていたので、ある程度予測はされていた。

無罪は当然であり、元々が起訴すること自体が間違っていた。加藤達也前ソウル支局長が書いた記事の肝心な部分は朝鮮日報からの引用だ。その元記事が問題とされず転載された記事だけが起訴されたのは韓国独特の法律によるものだ。
韓国の国内法では名誉棄損については被害者本人以外の第三者が告発できる事になっている。今回の告発は朴大統領自身ではなく市民団体による告発で、これを受けて検察が起訴したものだ。
ここで私たちが考えておかねばならないのは、いま著作権や性犯罪に関して被害者以外が告発できる制度が検討されているという点だ。もしこうした事が法制化されれば、第三者が自由に相手を告発できる様になる。もし不起訴や無罪になったとしても告発されただけで本人の名誉が傷つけられ事は明らかだ。相手方を名誉棄損で訴えても裁判に長い期間がかかり、世間的には告発されたという事実だけが残されてしまう。
著作権や性犯罪の第三者告発という法制度改正は大きな危険性をはらんでいることを指摘しておきたい。

判決で注目すべきは「裁判長は判決公判の冒頭、韓国外交省が文書を提出し、日本側が善処を求めていることに配慮してほしいと要請してきたことを明らかにした」という点だ。
これは司法自らが三権分立を否定したわけで、裁判官の意図が計りかねる。
もっとも政府による司法への介入はわが国でも珍しい事ではなく、米国政府の方針をそのまま反映させた「砂川判決」などはその典型だ。ただ日本の裁判官は決してそういう事は言わないが。

この判決を受けての熊坂隆光産経新聞社長の声明についてだが、「裁判所に敬意を表する」とはまた随分と卑屈な言い方だ。ここは加藤達也が会見で語ったように「無罪判決は当然」とすべきだろう。
「加藤前支局長の当該コラムに大統領を誹謗中傷する意図は毛頭なく」もウソでしょう。だって何かというと韓国を貶め、日韓両国関係を悪化させるのは産経の「社是」ではなかったか。当該コラムもその文脈からアリアリだ。しかしそれは飽くまで言論の自由の範囲であることは言うまでもないけど。

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コメント

ま、彼の国には関わるなって事だわな!。
今までの経緯見れば判る通り、事業にしろ報道や支援&援助にしろ、結局は奴らの都合良い様に振り回されただけだぜ。
あんなキチ&がいミン辱なんか放って置けって事だよ。

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