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« 【街角で出会った美女】中国・西安編 | トップページ | 初めての桂文之助(2015/12/4) »

2015/12/05

【元陸将漏えい】果たして「機密漏えい」と言えるのか

以下、読売ニュースから引用。
【陸上自衛隊の内部向けの教本が在日ロシア大使館の駐在武官(当時)に流出した事件で、警視庁公安部は12月4日に、教本を武官に渡した泉一成・元東部方面総監(64)と、ロシア大使館のセルゲイ・コワリョフ元武官(50)を自衛隊法(守秘義務)違反の教唆容疑で書類送検した。
現職陸将ら、泉元総監の依頼で教本を調達した5人も同容疑や同法(守秘義務)違反容疑で書類送検する。今回の事件では、計7人が立件されることになる。
捜査関係者によると、泉元総監は2013年5月、部下だった現職の陸将と女性自衛官、元自衛官の3人に対し、陸上自衛官向けの教本「普通科運用」を調達するよう依頼した疑い。泉元総監は、陸将からもらった1冊を東京都千代田区内のホテルで、コワリョフ元武官に手渡したという。】

この件が果たして「自衛隊法(守秘義務)違反の教唆容疑」にあたるかどうかを考えるうえで、次の2点を確認したい。

1.駐在武官(防衛駐在官)の任務について
防衛省のHPには次の様に書かれている。
【Q2.防衛駐在官の具体的な業務を教えて下さい。
A2. 主な業務は軍事情報の収集であり、各国の軍・国防当局や他国の駐在武官から、軍同士の関係でしか入手できない様々な情報を入手することができます。
わが国では防衛駐在官と呼称していますが、一般的には駐在武官と呼ばれています。駐在武官制度の歴史は古く、19世紀頃には各国で認められるようになったと言われています。】
各国の日本大使館には防衛駐在官が置かれ、その任務は「各国の軍・国防当局や他国の駐在武官から軍同士の関係でしか入手できない様々な情報を入手すること」にある。ロシアの防衛駐在官は日常的にロシア軍関係者から軍人でなければ知り得ない情報を収集している筈だ。
だって、それが任務なんだから。
日本にある各国大使館の駐在武官もまた日本の自衛隊関係者から上記の情報を収集することを任務としている。今回の件もロシアの駐在武官は「軍同士の関係でしか入手できない様々な情報を入手」していたわけだから、自己の任務を遂行しただけとも言える。
つまり自衛隊とロシア軍との間では、一定の情報交換は日常的に行われていると見られる。

2.教範は機密にあたるのか
別のニュース記事では「教範」は自衛隊内部の売店で売られていると書かれていた。
また、あるネットオークションサイトでは、次のような落札結果が書かれている。
【「防衛省 陸上自衛隊 教範 「普通科運用」」が61件の入札で55,000円、「防衛省 陸上自衛隊 教範 高射特科運用」が16件の入札で7,800円、「防衛省 陸上自衛隊 教範「野戦特科運用(試行案)」」が13件の入札で3,800円にて落札されました。このページの落札平均価格は11,213円です。オークションで落札された陸上自衛隊 教範の落札相場をご確認いただけます。】

以上の情報から分かることは、自衛隊とロシア軍との間では駐在武官や防衛駐在官を通じて日常的に一定の情報交換が行われているであろうという事。
情報というのは金品の提供や脅迫を除けば、通常は双方向だ。こちらから情報を出さねば相手からの情報も得られない。
問題の「教範」は隊内の売店で買うことが出来、オークションを使えば誰もが入手できるとするなら、これは「機密」とは言えない。もし「機密」ならオークションに掛けられた段階で公安が押収せねばならない。
以上を勘案すれば、この件で自衛隊法(守秘義務)違反の教唆容疑にするのは無理があろう。
このニュースの第一報はパリでのテロ事件があった翌日だった。あまりにタイミングが良過ぎるのでニュースをフォローしてきた結果がこの通りだ。
今回の自衛隊関係者による機密漏えいに関して、その背景としての政治的意図を強く感じる。

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コメント

機密漏えい取り締まりの演習ですね。
それとももっとないか背後にあるのかな。

佐平次様
直接的には、ここの所失態が続いた公安のデモストレーションの意味が強いと思います。ただこの件の恐ろしさは、何が秘密にあたるかは権力側が一方的に決めることが出来る事を改めて社会にアピールした事でしょう。狙いはズバリ国民の委縮でしょう。

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