公明党の公明党による公明党のための「軽減税率」
先ず「軽減税率」という用語じたいがマヤカシだ。現在8%の消費税率を10%に引きあげる際に、一部の商品について8%のまま据え置くというのだから、正確には「据置税率」が正しい。軽減税率というが、現状からは何も軽減はされない。
さて、その軽減税率だが、自公の「線引きゴッコ」により対象品目は、
・酒類を除く食品全般、但し外食は適用外
・新聞、定期購読契約を結んだもので週2回以上発行するものに限定
となっている。
これにより1兆円の財源が必要だが、メドは立っていない。
この結果について自民党内でも不満の声が上がっていて、麻生太郎財務相が「高額所得者も恩恵を受けるわけで、いかがなものか」と発言しているように、この制度で最も恩恵を受けるのは高額な食品を買う人々だ。
それでも軽減税率が押し切られたのは、公明党が選挙公約に掲げていたからだ。報道によれば1兆円規模というのは創価学会と首相官邸との会談で流れが出来たとある。
安倍政権としては来年の参院選(衆院選とのW選挙の可能性もある)に勝利するためには、何としても公明党の協力を得ねばならない。先の安保法制に支持して貰った借りもある。大阪府知事選と市長選では直前に自主投票にして貰い、政権が後押しした候補を勝利に導いた借りもある。
安倍政権としては公明党(&創価学会)の要求を丸呑みせざるを得なかった。
だから「公明党の公明党による公明党のための『軽減税率』」といっても過言ではない。
自公政権というより、実態は首相官邸と公明党との「官公政権」に近い。
この事は「新聞」に対する適用でも狙いは明らかだ。
ちょっと下の数字を見てほしい。
聖教新聞:日刊550万部
公明新聞:日刊80万部(週刊紙日曜版の部数は不明)
しんぶん赤旗:日刊紙24万部、週刊紙日曜版138万部
いずれも公称なので実売ははっきりしないが、「定期購読契約を結んだもので週2回以上発行するものに限定」という条件で恩恵を受けるのは公明党(&創価学会)であり、打撃を受けるのは週刊紙の部数が圧倒的に多い共産党だ。自分の所は有利にして、政敵を叩くという見事な戦略としか言いようがない。
この点でも公明党の圧勝である。
政権としてはこれで新聞協会に恩を売ることになり、その「お返し」が期待できるわけだ。
この件では橋下徹がSNSに「これで完全に憲法改正のプロセスは詰んだ。来夏の参議院選挙で参院3分の2を達成すれば、いよいよ憲法改正。目的達成のための妥協」と投稿。
今回の公明党への大幅譲歩と引き換えに安倍首相が目指す憲法改正に公明党も賛同して実現の可能性が高まるとの見方を示した。
「軽減税率」と「憲法改正」が引き換えですか。
それなら益々「軽減税率」と、その根源である「消費税増税」は阻止せねばなるまい。
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地域振興券なんてのもありましたね。
やんちゃのやり放題の公明、それで票が入るとしたら結局アホは国民だということですね。
なんだか無力感のみ募る年の瀬です。
投稿: 佐平次 | 2015/12/17 11:16
佐平次様
新聞協会の会長談話が出てましたが、この件で自公合意を評価するなんて言ってます。早速丸め込まれてしまった。
この腰抜けめ!
投稿: ほめ・く | 2015/12/17 11:52