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2016/01/30

「小保方晴子」だけが悪かったのか

久々に小保方晴子の名がニュースにとりあげられている。『あの日』というタイトルの告白本を出版したのだそうだ。もちろん、この書籍には興味もないし読む気もない。
小保方晴子といえば、一時期「STAP細胞」論文を捏造したとしてサンドバッグ状態になっていたことは記憶に新しい。理研から退職に追い込まれ(事実上の解雇に等しい)、早稲田大学からは博士の資格を取り消されて、彼女の研究者としても道は完全に断たれてしまった。
当ブログでも過去にSTAP細胞の件は何度か記事にしているが、印象としては失敗の原因を小保方晴子一人に押しつけられた様に思う。
STAP細胞の研究には様々な人たちが取り組み、その成果は共同研究論文として、国際特許出願として公表されている。それぞれ関与した人々の、それぞれの組織の思惑も絡み合っていたことだろう。
以下にSTAP細胞にかかわる主な論文の著者とと出願特許の発明者、出願人を列記する。

Nature Article
論文タイトル:"Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency"
Nature 505, 641–647 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12968
著者 
Haruko Obokata(小保方晴子)
Teruhiko Wakayama(若山照彦)
Yoshiki Sasai(笹井芳樹)
Koji Kojima(小島宏司)
Martin P. Vacanti(マーティン・バカンティ)
Hitoshi Niwa(丹羽仁史)
Masayuki Yamato(大和雅之)
Charles A. Vacanti(チャールズ・バカンティ)

Nature Letter
論文タイトル:"Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency"
Nature 505, 676–680 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12969
著者 
Haruko Obokata(小保方晴子)
Yoshiki Sasai(笹井芳樹)
Hitoshi Niwa(丹羽仁史)
Mitsutaka Kadota(門田満隆)
Munazah Andrabi
Nozomu Takata(高田望)
Mikiko Tokoro(野老美紀子)
Yukari Terashita(寺下愉加里)
Shigenobu Yonemura(米村重信)
Charles A Vacanti(チャールズ・バカンティ)
Teruhiko Wakayama(若山照彦)

国際特許出願
タイトル”GENERATING PLURIPOTENT CELLS DE NOVO”(PCT/US2013/037996)
出願日
24.04.2013
出願人
THE BRIGHAM AND WOMEN'S HOSPITAL, INC.(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院) [US/US]
RIKEN(理研) [JP/JP]
TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY(東京女子医科大学) [JP/JP]
発明者
VACANTI, Charles A.(チャールズ・バカンティ); (US)
VACANTI, Martin P.(マーティン・バカンティ); (US)
KOJIMA, Koji(小島宏司); (US)
OBOKATA, Haruko(小保方晴子); (JP)
WAKAYAMA, Teruhiko(若山照彦); (JP)
SASAI, Yoshiki(笹井芳樹); (JP)
YAMATO, Masayuki(大和雅之); (JP)

STAP細胞の研究にはこれだけの人たちや機関が関与していたのだ。著者や発明者に名を連ねている人たちはいずれも各分野の権威者だが、小保方と自殺した笹井芳樹を除けば、その責任を追及されたり、ましてや研究者として事実上の追放処分を受けた者は皆無だろう。
そこに不自然さを感じるのだ。
私事にわたるが、企業で開発関係の業務を行ってきた人間の実感から言わせて貰うと、
・開発がモノになりそうだと分かると、「1枚かんでおきたい」と言う人が大勢寄ってくる。
・ダメと分かると汐が引くように周囲からいなくなり、失敗の原因は担当者が被ることになる。
という法則があった。
一般論になるが、STAP細胞の研究における小保方晴子は、ズバリそれではなかろうか。
この研究を行っていた当時の彼女は組織の一員に過ぎない。所属する組織の方針や上司の意向という制約からは免れぬ筈だ。
私には口を拭っている周囲の人間の方が悪質に思えるのだが。

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