そろそろ”芸能「下半身」ニュース”をやめないか
芸能ニュースというと、誰と誰とがくっ付いたのだの別れたのだのという「下半身」にだけ関心が集まるんだろう。どうでもいいじゃん。所詮は男と女の関係(近ごろは同性のケースもあるか)、何があっても不思議ではない。自分の胸に手を当てれば察しがつくというもの。まして芸能界であれば尚更だ。
私の両親は終戦後から数年間、中野で飲食店をしていた。国民全体が食うや食わずの時代だ。食べ物や飲み物を売っていた我が家も家計は火の車で、家族はコメの飯など食ったことがなかった。
そんな時代に店に来る客はといえばヤクザが芸能人だけだ。どっちも恰好は同様で、白のスーツに白のズボン、靴も白で帽子をかぶっていた。小学校の同級生の中には履物がなく裸足で通学していた子もいたし、傘がないので雨が降ると学校を休む生徒もいた、そんな時代にだ。
そして彼らは例外なく店でヒロポン(覚せい剤)を打っていた。
子ども心にも、私たちとは別世界の人間だと思った。
小学校上級から中学にかけては中野の別の街へ引っ越していたが、隣家に女性クラブ歌手が住んでいた。同じクラブに出演していたバンドマスターと結婚していて、近所でも評判の仲のいい夫婦だった。処がその女性歌手にある大手レコード会社から声がかかり、メジャーデビューすることになった。若くて美人だったせいもあり独身という触れこみにした。そうなると亭主は「存在してはならない」わけで、つまり日陰の身になってしまった。正体がバレルまでその状態が数年続いたが、結局二人は離婚した。
都々逸にもあるでしょ。
♪鷺をカラスと言うたが無理か 場合にゃ亭主を兄と言う♪
芸能界というのはそういう世界だし、芸能人は「商品」だ。「純真」だのなんのと言ったってそれは「商品イメージ」に過ぎないわけで、消費者が勝手に描いた「幻想」だ。本人の実態と違うなんて怒ったり驚いたりしても何の意味もない。
芸能人を侮るつもりはサラサラないが、シロウトとクロウトでは住んでる世界が違うし、倫理観も違うのだ。
もう、いい加減に
芸能ニュース=芸能下半身ニュース
を卒業しませんか。
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年俸○○億とかいう世界はまともじゃないと思います。
実業家、スポーツ選手、芸能人、芸術家ですら。
だからどうも馴染めない、どうでもよくなってしまいます。
ただヤクザにも人権があるはずなのに、今の取り締まりの在り方はひどすぎるとは思いますが。
記事とあまり関係のない投稿で恐縮です。
投稿: 佐平次 | 2016/01/10 11:08
佐平次様
当ブログに掲載している寄席や芝居の感想が広義の芸能記事ではないかと思うのですが、どうもネットやTVだと芸能人の下半身ネタにのみ異常な関心が向いているようです。
雲の上の存在だから憧れや関心があるのでしょうが、もっと他に大事な事があるんですけどね。
投稿: ほめ・く | 2016/01/10 12:22