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2016/02/20

春風亭一之輔独演会(2016/2/19)

みなと毎月落語会「春風亭一之輔 独演会」
日時:2016年2月19日(金)19時
会場:赤坂区民センター
<  番組  >
前座・立川うおるたー『子ほめ』
春風亭一之輔『徳ちゃん』『五人廻し』
~仲入り~
春風亭一之輔『妾馬』

先ずはゲスなおウワサから。
桂文枝(72)が20年にわたって演歌歌手の紫艶(38)と不倫をしていたと、19日発売の週刊誌が報じた。所属している吉本は当然の事ながら事実を否定している。
アタシはかなり以前に上方落語の関係者から「三枝(当時)には女がいましてね」と聞いていた。「そりゃ、そうでしょうね」とアイヅチを打ったくらいだから全く驚かなかった。周囲の人は皆知っていただろうし、アタシ同様に当たり前だと思っていたのでは。それこそ「ウラヤマシイ~」とか。
今ごろになって表沙汰になったのは別れ話のもつれか、今しか記事にするタイミングが無かったのか。
だからあまりニュース価値がないんじゃないの。歌丸だったらちょっとビックリポンだけどね。

この会場、3回続けて席が同じだった。考えたらスゴイ確率だ。定員が400名だから単純に計算すると16万分の1になる。宝くじ買おうかな。
前座の立川うおるたー、志らくの20番目の弟子だそうだ。こんなに弟子集めてどうするの。やがて立川流を数で乗っ取り、家元を狙ってるのか。この会の前座は主催者(立川企画)が選んでいるそうで、それで立川流の人が多いのか。

一之輔を初めて観たのは10年前の2006年、未だ二ツ目だったが上手かった。それ以上に驚いたのは物怖じでずに客席を「飲んでかかる」高座だったことだった。悪く言えば「ふてぶてしい」。それ以後、ざっと数えて80席近く聴いているが、その印象は変らない。この人が「上がってるな」と思ったのは、鈴本での真打披露興行の高座だけだった。
この日のネタも以前に聴いたものばかりだが、中身は変えている。それも稽古に稽古を重ねて練って練って高座に掛けているのではなく、考えた事をそのまま高座で表現させているという印象なのだ。「逸材」の「逸材」たる由縁である。
もしかしたら、陰で血の滲むような努力を重ねているのかも知れないけど。そんな事ぁないか。


一之輔『徳ちゃん』と、続けて『五人廻し』。敢えて「ツク」噺を2席並べたのだろう。
徳ちゃん』、「噺家は世間のあらで飯を食い」で、今年はその「あら」が豊作だからマクラの話題には事欠かない。
このネタは、いわゆる「ちょんの間」と呼ばれる最下層の売春宿の物語。好事家に聞いた所では今でもあるそうです。大正時代に実際に経験したことを落語にしたそうで、初代・柳家三語楼あるいは初代・柳家権太郎の作とされる。
現役では雲助・白酒師弟が得意としていたが、一之輔も度々高座にかけている。
徳ちゃんともう一人の二人連れの噺家が安宿に上がり、徳ちゃんは離れに行き、残った一人が通された部屋というのは布団は遺体をくるんだもの、毛布は軍馬の背中に掛かっていたを払い下げたものという誂え。しかも5畳の部屋をべニアで仕切った2畳半で、隣の部屋ではロシア人が真っ最中。これじゃ日露戦争だというギャグも時代を表している。そこに現れた女郎は相撲取りの様な体格の大した御面相の女。体力で抑え込まれ客が悲鳴をあげる。一之輔は「足抜き」でサゲ。
爆笑のうちに引き続き『五人廻し』、前回は未だ二ツ目時代に聴いたのだが、かなり練り上げていた。最初の職人の吉原の由来を説明する際の啖呵は切れ味を増し、二人目の「通人」の気持ち悪さははより強調され、三人目の薩長の武士と思しき男では女房が病気で夫の要求に応えられないからと吉原に送り出されたのに・・・このまま帰れるかと涙ながらに叫ばせ、四人目の田舎生まれの江戸っ子は妙なアクセントで江戸弁をしゃべる。五人目を相撲取りにして相撲の「まわし」と花魁の「廻し」を掛けたサゲを付けていた。
2席ともかなり際どい所もあるのだが、そこはサラリと演じていた。
それぞれの人物像がより鮮明になっていて好演だった。

仲入りを挟んで『妾馬』、登場人物の年齢だが、おつるは20歳未満だろう。八五郎はその兄で未婚だから20代前半、八が長男なら母親は40代半ばってぇとこで思ったより若い。殿様は年齢不詳だが20代半ばから後半といった辺りか。三太夫は家老職で何となく年配のイメージがあるから50歳前後か。
そんな年齢設定で考えると、一之輔の演じる三太夫は若過ぎる。もうちょっと風格が出ている方が八にどづかれたり殿に注意されたりする場面が際立つように思う。
屋敷に上がってからの八五郎の奔放さは志ん生を彷彿とさせる。

満員の客席は3席とも終始笑いに包まれ、満足された方が多かっただろう。

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コメント

「考えた事をそのまま高座で表現させているという印象」
一之輔、たしかにそうですね。
加うるに、その日の客席の空気も参考にしているような気がします。

ひところ月曜日の20時から放送されていた人情物時代劇のような『妾馬』。
これを得意としていたのは、圓生、志ん生、馬生、志ん朝・・・
いやはや、何ともすごい(笑)

『文七元結』もそうですが、かほどに筋がはっきりしている噺というのは、
かえって難しいんではないでしょうか。


投稿: 福 | 2016/02/21 07:12

昨日は三田落語会で一之輔を聴きました。
思いついたそのまま、ではなくてそうとう練り込んでいると考えました。
思い付きをそのまましゃべる練習も含めて。
私も昨日の昼の席と次回の昼の席が同じでした。確率的にはそれほどじゃないでしょうが。

投稿: 佐平次 | 2016/02/21 10:33

福様
私には一之輔は高座で仕上げるタイプに見えるんです。客席の反応を見ながら改変自在。ファンはそこに魅かれるのでしょう。

投稿: ほめ・く | 2016/02/21 17:33

佐平次様
一之輔、もしかしたら陰で稽古を積んでいるんですか。違う気がしますけど。
昼夜通しという気力体力は凄いですね。

投稿: ほめ・く | 2016/02/21 17:39

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