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2016/02/13

2月文楽公演第三部『義経千本桜』(2016/2/12)

日時:2016年2月12日(金)17時30分
会場:国立劇場 小劇場
『義経千本桜』

「渡海屋・大物浦の段」
口 豊竹靖大夫 
  竹澤宗助
中 豊竹睦大夫
  野澤錦糸
奥 竹本千歳大夫
  豊澤富助
<人形役割>
渡海屋銀平実ハ中納言知盛:桐竹勘十郎
女房おりう実ハ典侍局:豊松清十郎
娘お安実ハ安徳天皇:桐竹勘次郎
相模五郎:吉田玉佳
源義経:吉田玉輝
武蔵坊弁慶:吉田清五郎
ほか

「道行初音旅」
静御前 竹本津駒大夫 
狐忠信 豊竹芳穂大夫
竹澤團七
鶴澤清志郎
ほか
<人形役割>
静御前:吉田文昇
忠信実ハ源九郎狐:吉田勘彌

久々の文楽公演だ。妻が「人形浄瑠璃というものを未だ一度も見たことがない」と言い出し急遽出かけることに。こっちも3回目位なのだが引率者として同行。2月は「女房孝行特別強化月間」である。ゲス不倫野郎、少しは見習えよ。
3部制だったがお馴染みの演目ということで第3部の『義経千本桜』へ。浄瑠璃の三大名作の一つとして度々上演されているようだ。夜の部だったが客の入りは良かった。以前に橋下徹前大阪市長がなんだかだとケチを付けていたが、根強いファンに支えられているのがよく分かる。
『義経千本桜』は歌舞伎でも当たり狂言で、タイトルに「義経」が付いているが寧ろ狂言回し的な存在で、実際の主役は別の人物だ。

「渡海屋・大物浦の段」の主な登場人物は、尼ケ崎(現在の兵庫県尼崎市)の大物浦にある船問屋「渡海屋」の主人・銀平と、女房おりうの二人。ここに兄・源頼朝に追われ、海路で九州を目指す源義経主従4人が滞在している。
そこへ、北条家の家来という相模五郎が訪れ、義経主従を追うために舟を出すように命じる。留守の銀平に代わりおりうが応対し、先客がいることを理由に申し出を断るが、怒った五郎は店の奥に踏み込もうとする。そこに銀平が戻り、五郎を打ち据え追い返す。
奥で様子を窺っていた義経主従は、狼藉者を追い返した銀平に感謝する。空模様を心配する義経主従に、銀平は天気が良くなることを約束し船出を勧めて、義経らを送り出す。
義経一行を見送ったおりうは、娘のお安を傍らに呼び、店の奥にいる銀平に声を掛ける。現われたのは白い鎧を身に纏った銀平で、実は銀平は西海の合戦で死んだとされていた平家の大将・中納言平知盛だった。そして、お安は安徳帝、おりうは帝の乳人である典侍局(すけのつぼね)だった。知盛と典侍局は、西海の合戦で敗れた平家一門の復讐を果たすために、大物浦で義経を待ち伏せていた。先ほどの五郎も知盛の家来であり、義経たちを信頼させるためにわざと狼藉を働かせたもの。嵐の海へ義経一行を送り出し海上で討つという知盛の策略だった事が明らかになる。知盛は長刀を手に義経一行を追って行く。
海上で義経一行と知盛らとの戦闘が行われる。
渡海屋では、知盛からの吉報を待っていた安徳天皇と典侍局のもとに、知盛の軍勢が危ないとの知らせが入る。義経は予め知盛たちの計略を察知し準備をしていたのだ。戦に敗れたことを覚った典侍局は、安徳帝を抱いて海に身を投げようとするが、戻ってきた義経に止められる。
手負いとなり戻ってきた知盛の目の前に、安徳帝を保護した義経が現われる。最後の力を振り絞り、義経への復讐を果たそうとする知盛だったが、安徳帝に諭され自分を助けた義経を恨まぬよう言い渡される。それを聞いた典侍局は自らの運命を悟り自害する。
知盛は今までの艱難を嘆きつつ、義経に安徳帝の供奉を託し、碇を背負って海中に身を投げる。

「道行初音旅」では、九州に向かった義経一行は会場で嵐にあい漂着し、今は吉野にいるとの噂を聞いた静御前は、家来の佐藤忠信を伴い吉野に向かう。
静御前が義経より託された初音の鼓を鳴らすと、どこからともなく白い狐が現れる。狐の姿が見えなくなると忠信が現れる。実は、忠信は狐が化けていた姿だった。
忠信は過ぎし日の壇ノ浦での源平合戦の思い出を語り、兄継信が義経の矢面に立ち身代わりとなって落命した経緯を語る。
やがて静御前と忠信の道行は、一面の桜に彩られた美しい吉野に到着する。

前段ではドラマチックな物語の展開と知盛の悲劇的な最期が描かれ、後段では一転して華やかな曲と人形の舞いが見られた。
久々の文楽に堪能し、文楽が初めての妻は浄瑠璃の語りと三味線の美しさ、人形遣いの動きに感嘆し、すっかり虜になったようだ。

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コメント

強化月間!私も見習います(昨日は羽根木公園に同行)。
文楽、私も二三度ですが、いいですね。
行こう行こうと思いつつ。

佐平次様
以前は「罪滅ぼし」的な孝行をしてましたが、今はピュアな気落ちで献身しています。
今回、人形遣いの人が曲を口ずさみながら演じていたことを発見。語り、曲、人形が一体となっている事に改めて感動しました。

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