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2016/03/16

待ってまっした!「らくご・古金亭ふたたび」(2016/3/14)

第1回「らくご・古金亭ふたたび」
日時:2016年3月14日(月)18時30分
会場:お江戸日本橋亭
<  番組  >
前座・金原亭小駒『元犬』
隅田川馬石『替り目(通し)』
金原亭馬生『百川』
~仲入り~
五街道雲助『幾代餅』

昨秋から中断していた「らくご・古金亭」が再開となった。会場は以前の湯島天神参集殿からお江戸日本橋亭へとダウンサイジングしたが、前売り完売の満席。この小屋がこれほど入ったのは初めてみた。会場のアチコチで会話が交わされ、いかに多くのファンがこの会の再開を待ち望んでいたのか分かる。
・5代目志ん生と10代目馬生の演じたネタだけを演じる
・トリと中トリを雲助と当代馬生が交互に務める
という明確なテーマを持った珍しい会だ。
トリの雲助が語っていたが、今後は中規模の会場で出来るようにと、お囃子を入れたい(この日は出囃子が録音)とのことで、早く実現できる事を期待したい。

前座の金原亭小駒、何となく場馴れしていると思ったら10代目馬生の次女の息子さん、つまりは孫だ。祖父が馬生、曽祖父が志ん生とくればこの会のテーマにピッタリ。大叔父が志ん朝になるわけでDNA的には申し分ない。口調も明解で良い。

馬石『替り目(通し)』、マクラで今日は前座に気を遣ってしまったと笑わせてネタに。この演目は通常は酔っ払いの男が女房におでんを買いに行かせ、出掛けと思って女房に感謝の言葉を言ってたら未だ家にいた所で切る。これだとタイトルがなぜ『替り目』だか分からない。この後、亭主が酒を飲もうとすると冷やなので、通りかかったウドン屋に酒の燗を頼む。ウドン屋がウドンを勧めると男は金を持ってないので断り、ウドン屋は悄然として去って行く。その後に新内流しが来て都々逸を唄わせたりしていると女房が戻り、酒に燗がしてあることに気付く。男にどうしたの?と訊くと、ウドン屋の燗をつけさせてウドンは断ったと答える。気の毒がった女房がさっきのウドン屋を大声で呼ぶがウドン屋は知らん顔。近くの人が注意すると「ちょうど今ごろ銚子の替り目です」でサゲ。
この酔っ払いの男は一銭も持っていないクセに俥に乗り、ウドン屋に燗をつけさせ、新内流しに芸をさせたりのやりたい放題。女房が全てフォローしている。男にはどこか可愛いげがあるからだろう。馬石の高座はそうした微笑ましい夫婦の姿を見せながら、流しの演奏でカッポレを踊ったり、ウドン屋がひどい悪声だったりといった笑いの要素も入れて楽しくまとめていた。
尤も志ん生の高座では途中の「元帳を見られちゃった」で切るのが特徴だったが。

馬生『百川』、馬生のユッタリとした語りに魚河岸連中の歯切れのいい啖呵と百兵衛の訥々とした喋りの対比を軸に、それぞれの登場人物の演じ分けが鮮明になっていて、上出来の高座だった。このネタに関しては先代より当代の方が上だ。

雲助『幾代餅』、マクラでこの会は我儘な馬生を心の広い雲助が受け止めているので保っていると言っていたが、この二人は本当に仲が良さそうだ。
このネタは先日聴いたばかりで、雲助の高座では清蔵が幾代に真実を告白する場面をあっさりと描いているが、この演じ方の方が好ましい。なんてたってこの噺は花魁の再就職の物語りなんだから。幾代餅の店が栄えたのは全て幾代のお蔭なのだろう。『替り目』同様に賢妻の物語りでもある。

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コメント

行きたいけれど畳なのがちょっと。
小駒、みたいなあ。

佐平次様
お江戸日本橋亭は半分以上が椅子席なので、早目に着けば椅子に座れます。

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