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2016/03/24

落語協会真打披露in鈴本(2016/3/23)

鈴本演芸場3月下席・夜の部は、「落語協会真打昇進襲名披露興行」。今春に真打に昇進した5名の昇進披露だが、お馴染みなのは林家たけ平だったので、3日目に出向く。この日は満席だった。
<  番組  >
古今亭志ん吉『からぬけ』
伊藤夢葉『奇術』
三遊亭歌奴『佐野山』
ニックス『漫才』
林家正雀『開帳の雪隠』
五明樓玉の輔『マキシム・ド・のん兵衛』
林家正楽『紙切り』
鈴々舎馬風『漫談』
柳亭市馬『親子酒』
─仲入り─
『披露口上』、高座下手から、司会の玉の輔、小朝、たけ平、正蔵、馬風、市馬と並ぶ。
翁家社中『太神楽』
春風亭小朝『目薬』
林家正蔵『鼓ヶ滝』
林家あずみ『三味線漫談』
林家たけ平『徂徠豆腐』

真打披露興行というのはお祭りみたいなもので、、じっくり噺を聴く場ではない。持ち時間もトリや中トリを除けば10分程度だから短いネタに限られる。その中でどう観客にアピールするかが腕の見せ所となる。この日の各演者にはそれぞれの工夫が見られた。

志ん吉『からぬけ』、何度か観てきたが期待の若手だ。以前はやや硬さが見られたが、それも良くなった。身体の軸がブレない処がいい。
歌奴『佐野山』、声と体を活かした十八番の相撲ネタ、場内がパッと明るくなる。
ニックス『漫才』、女性同士の漫才っていうのはどうも面白くないね。
正雀『開帳の雪隠』、海外では有料トイレは当たり前だが日本では逆に珍しい。この噺によると江戸時代には我が国でも有料トイレで儲けようとした人がいたらしい。正雀は、浪花千栄の本名が南口キクノだったのでオロナイン軟膏の看板になったというエピソードからネタに入っていた。
玉の輔『マキシム・ド・のん兵衛』、白鳥作だが、この人の十八番。
市馬『親子酒』、想定内の出来。
披露口上』、たけ平への期待度の高さが窺われる口上が続いた。馬風の強制で市馬が「相撲甚句」、正蔵と玉の輔が小咄を演らされていた。馬風は口上だけは上手い。
翁家社中『太神楽』、プロなんだから失敗はダメよ。
小朝『目薬』、得意の逃げ噺。マクラからネタに入るタイミングが絶妙。何度聴いても笑える。
正蔵『鼓ヶ滝』、小朝が正蔵ほど努力している人は他にいないと語っていたが、その通りなんだろう。こぶ平時代に比べたら隔世の感がある。上方のネタを東京に移したものだが、西行法師にもう少し歌人としての風格が欲しかった。
あずみ『三味線漫談』、時間の短いのが良かった。
たけ平『徂徠豆腐』、以前にも聴いているので、このネタを得意にしているのだろう。
元々のストーリーは忠臣蔵外伝のような形式になっていて、物語は義士の討ち入りと並行して進行するのだが、たけ平の演出はその部分を外して豆腐屋と荻生徂徠との人情ものに仕立てている。簡潔である反面、物語に奥行きが失われる。徂徠を偉い先生と言うのだが、どう偉いのかがこの演じ方では分からない。
同じ義理立てでも武士と町民とでは表し方が異なるという、この噺の大きなテーマも割愛されてしまう。
せっかくの熱演であったが、今ひとつ心に響かない高座だった。

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寄席・落語」カテゴリの記事

コメント

たけ平もすごい顔ぶれに口上をしてもらいましたね。
個性があるので、スターに成長してもらいたいもんです。

歌奴、たしかに場を明るくしますね。
昨年の三月に鈴本で『鼓ヶ滝』を聴きましたが、テンポがよくて声が通り、気持ちの良い高座でした。

正蔵と聞いただけで敬遠していましたが、さいきんいいなあとおもうことがあります。
素直な人が努力すると大したことを成し遂げるなあ。

福様
小朝の口上が一番印象に残りました。たけ平の高座が真面目過ぎるので、一度壊れたら一皮剥けて飛躍するだろうと語っていました。
鈴本にはメッタに出ない小朝が口上で出て来たんですから、期待が大きいのでしょう。

佐平次様
正蔵が苦手という人は多いですし、私もそれほど好きではありません。でも、声や滑舌の悪さを克服し、努力している事だけは認めたいと思います。

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