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2016/04/13

「社会主義」ソ連という幻想

日本共産党はソ連が崩壊した1991年12月21日に、「歴史的巨悪だったソ連共産党の解体を両手(もろて)を挙げて歓迎する」という声明を出した。世界の共産党の中でソ連崩壊を「両手を挙げて歓迎」したのは日本共産党だけと思われる。
ソ連の強い影響を受けていたヨーロッパ各国の共産党が大混乱におちいり、解党したり党名を変えたりしたのとは対照的だ。かつてユーロコミュニズムとして欧州を席巻していた面影はない。
社会主義を目指す党が社会主義国の崩壊を歓迎するというには論理矛盾とも思えるが、不破哲三「スターリン秘史」全6巻を通読して納得した。
ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)成立直後から戦後にいたる時期にソ連を支配したのはスターリンだった。そのスターリンが目指したものは、一口にいうと帝政ロシア時代の版図を回復することにあった。彼の意図は、第二次世界大戦が終結を記念した集会での演説で明解に語られている。
スターリンは「覇権主義者」だったわけだ。
スターリン死後の後継者たちも、スターリンの負の遺産を克服することが出来なかった。
それならソ連という国も「覇権主義国家」と呼ぶのが相応しいだろう。

以上はソ連という国家の問題だが、これとは別にスターリンは各国共産党の幹部の中に、ソ連共産党の命令を忠実に実行するような内通者を作り出し、資金援助を行ってきた。そうした幹部は党内に分派を作り、誤った路線を持ち込んだり、時には党を分裂させたりしてきた。
日本共産党も何度かこうした被害を受けてきた。なかでも1950年に、スターリンの指示の下で徳田や野坂が主導した武装闘争方針は深刻な影響を及ぼした。
欧州共産党が総崩れになった原因の一つは、党や幹部がソ連から資金提供を受けていたことが発覚したからだ。
こうした事からも、「ソ連の崩壊=ソ連共産党の崩壊」は歓迎すべき事だった。

さて、ソ連は本当に社会主義国だったのだろうかという疑問がわいてくる。
ソ連の社会主義の特長をまとめると、こうなるだろう。
1.生産手段の公有化(国有化)
2.計画経済(統制経済)
3.プロレタリア独裁(一党支配)
この中で社会主義として必須なのは生産手段の公有化だけだ。他の二つは必ずしも必須条件とは言えず、ソ連独特の制度と考えた方がいい。
第二次大戦中のドイツをナチスあるいはファシズムと呼んでいるが、それらは蔑称で、彼らは自からを「国家社会主義」と自称していた。
それと同様にソ連の実態は、対外的には「覇権主義国」、国内的には「全体主義国」であり、「社会主義国」は自称に過ぎなかったのではなかろうか。
私たちは歴史の教科書でソ連は社会主義国と教えられてきたが、正しくは社会主義を目指したが全く別の社会体制に移行してしまった国家とするのが妥当だと思う。
この点は今の中国や北朝鮮(朝鮮労働党の党規約からは既に「共産主義」が放棄されている)も同様である。
「自由民主党」を自称している政党が、自由や民主主義に反する政策に突き進んでいるのはご存知の通りだ。

ソ連が社会主義を自称し、それが定着してしまったのは不幸としか言いようがない。
社会主義国は未だこの地球上には一国も現出せず、その実現には長い道のりを要すると考えた方が良さそうだ。

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コメント

ロシア機が米軍艦の9メートルの近さまでに迫る映像は映画の一シーンのようでかえって恐ろしさが感じられなかったくらいです。
プーチンの覇権主義はクレージーです。

投稿: 佐平次 | 2016/04/14 10:58

佐平次様
何しろプーチンはソ連時代KGBの親玉だったわけですから、DNAはバッチリ引き継がれていると見るべきでしょう。安倍はプーチンと仲良くすれば北方領土が還ってくると期待しているようですが、還す意志は全くないです。

投稿: ほめ・く | 2016/04/14 11:29

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