「京都御所」の見学
先週、京都に行く用事があり、その折り京都御所を見学してきました。
春秋の一般開放以外の時期では宮内庁のHPから申し込みができます。
比較的少人数なので、ゆっくり見学できるのが利点です。
ガイド付きで、しかも無料です。
ここ数年、京都は世界の人気都市の連続1位になるなどで、海外から多くの観光客が訪れていますが、
特に外国人にとって御所は隠れた人気スポットとなっています。
8世紀末に平安京に遷都されて以来、明治維新までこの場所が皇居でした。
ただ幾度か火災にあい、現在の建物は1855年に再建されたものです。
全体の広さは東京ディズニーランドとほぼ同じですが、御所以外は御苑として一般に開放されています。
見学者用の門を入って直ぐに見えるのが「宣秋門(せんしゅうもん)」で、皇居に参内する人たちはここから入門しました。
そこから「御車寄(おくるまよせ)」に向かい、ここが玄関になります。当時の公家たちは牛車の乗って来たので、ここで下車していました。
「諸太夫の間(しょだいぶのま)」は参内した人の控室。奥には襖絵が飾られているそうですが、保存のために前面にアクリル板が張られていて内部は見えません。
御所の中心は「紫宸殿(ししんでん)」で、代々の天皇の即位式など重要な行事が行われた正殿です。
御所の中には白い石が敷き詰められていますが、これは建物の内部に照明設備がなく、太陽光を白石の反射によってとり込むためです。
落語の『祇園祭』で京男が江戸の男に向かって
「こっちゃ京の御所の御砂を掴んでみなはれ。瘧(おこり)が落ちるわな。」
と啖呵を切りますが、その御砂がこれです。
向かって左に見えるのが右近の桜、右に見えるのが左近の橘。
昭和天皇の即位式まではこの場所で行われました。
「清涼殿(せいりょうでん)」は天皇が日常生活を送った場所で、内部は風通しがよく設計されていて、夏場は快適だそうです。
反面、冬の寒さは厳しく、十二単(じゅうにひとえ)の綿入れが発達したのはそのためです。
写真の左側の建物が「小御所(こごしょ)」で、天皇が将軍や諸侯と対面するときに使われた場所です。
王政復古の後に行われた「小御所」会議はここで開かれました。
「御学問所(おがくもんじょ)」は学問だけでなく、天皇が臣下と対面するときの場所としても使われました。
「御池庭」は御所の庭園で、大きな池を中心とした回遊式庭園です。中央に見えるのは欅(けやき)橋。
「御常御殿(おつねごてん)」は天皇が日常生活を営む場所として、豊臣秀吉が造営したものです。以前は清涼殿がその役割を負っていましたが、生活様式の変化に対応できず、こちらに移されたものです。
ここから奥はいわゆる「奥向き」となり、立ち入りは出来ません。
御所にはこの他にも多くの建物があり、いずれも平安時代の建築様式が再現されたものです。
ただ、現在はほとんど使われていない様子で、モッタイナイ感がありますが、今の皇室の方々は、ここでは住めないでしょうね。
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さすがに立派なものですね。
投稿: 佐平次 | 2016/06/01 11:05
佐平次様
一度ご縁があって、東京の皇居内にある書陵部の内部を見せて貰ったことがありましたが、その所蔵する文化財に目を瞠りました。でも、担当者が言うのには大事な物は京都御所に保管しているとの事でした。見学が許されるのは御所全体の半分程度ですから、大事な文化財は奥の方に保管されているのだろうなと思った次第です。
投稿: ほめ・く | 2016/06/01 11:20