「熱闘老舗旅館『ヒミツの仲居と曲者たち』」(2016/6/7)
熱海五郎一座「熱闘老舗旅館『ヒミツの仲居と曲者たち』」
日時:2016年6月7日(火)16時30分
会場:新橋演舞場
作:吉高寿男
構成・演出:三宅裕司
< 主な出演者 >
三宅裕司、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博 、
松下由樹、笹本玲奈
「熱海五郎一座」(伊東四朗が参加の時は「伊東四朗一座」)は、日本の軽演劇継承を目指して定期公演を行っている。
その「日本の軽演劇」とは、一般の演劇作品のようにテーマや物語に重きが置かれず、時事風刺などを取り入れた娯楽性の高い芝居を指す。
昭和初期から戦争前までが最盛期で、典型的なものに榎本健一や二村定一らによる「カジノ・フォーリー」。古川緑波,徳川夢声,大辻司郎らによる「笑の王国」。あるいは新宿座の「ムーラン・ルージュ」の舞台などがあげられる。
主な素材としてはレビュー、ジャス、ボードビル、ギャグがある。
しかし戦争が近づくとその「笑い」の要素ゆえに衰退してしまった。
その継承を熱海五郎一座は目指している。
今回の公演にあたって座長の三宅裕司は、「爆笑劇団」を宣言している。爆笑が起きなかったら嘘つき劇団になってしまうとも言っている。
さて、実際の芝居の中身はいかに。
ストーリーは。
舞台はリゾート地にある老舗高級旅館「ふじみ楼」。かつては流行っていたが、隣にリゾートホテル「ヨルトンホテル」が建ってから富士山の眺望が台無しになって、今は閑散としている。G7の首脳会議の会場にも内定して勢いづくホテル側は、今は「ふじみ楼」をも買収する工作を進めていた。
その旅館に一流旅館での経験を売りにして、一人の女性(松下由樹)が住み込み希望でやってくる。番頭(三宅裕司)はどうもパットしない女将(春風亭昇太)に代わって、彼女を若女将にして旅館の立て直しを図る。そこへ売れっ子の歌手(笹本玲奈)が、空いていてプライベートが保たれるからとこの旅館に宿泊する。
一方のヨルトンホテルでは、総支配人(小倉久寛)と副支配人(渡辺正行)が神奈川県知事(ラサール石井)を抱き込んで隣の旅館の乗っ取り工作を話し合っている。
旅館の若女将や、取材に訪れた週刊誌記者(東貴博)が、何やら怪しい動きを始めて・・・。
ストーリーは通俗的で、結末もある程度予想がつく。
2部構成になっていたが、前半の約1時間半はストーリーの伏線が主で、ギャグもつまらなく笑える場面は1か所もなかった。周囲では喜んでいるお客もいたが、さっぱり面白さが分からない。隣のご婦人もニコリともせず座っていたが、休憩時間の後は戻って来なかった。私も帰ろうかなと思ったが根っからの貧乏性、モッタイナイので後半も見続けたが、これでは爆笑劇団の名が泣く。
第2部に入ってからようやくエンジンがかかってきた様で、舛添問題を入れた時事ギャグやコントが面白くなってきた。軽演劇の特長である歌や踊りもレビュー風にショーアップされていて、この舞台の広さが活かされていた。
難を言えば、軽演劇は個人の俳優のエンターティナ―性が試される。その面からゆくとこのメンバーは、三波伸介や東八郎、渥美清らの芸には遠く及ばない。むしろゲストの松下由樹が歌やタップで奮闘していたのが印象的だった。
終わってみれば、カーテンコールが一番面白かったというのが感想だ。
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批判する自分に酔ってんのかな
評論家気取りのかわいそうな奴
つまんねーならカーテンコールまでいるなよ
邪魔だから
せめて本名名乗って
顔だして批判しろ
弱虫の卑怯者
投稿: | 2016/06/10 02:11
IPアドレス:210.194.77.28(お名前が不明なので)様
これからは、内容が気に入らないならご自分のサイトで反論されるようお勧めします。それから、他人のサイトに書き込みする場合は乱暴な言葉は使わない方が宜しいかと思います。
投稿: ほめ・く | 2016/06/10 08:42