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2016/06/21

「医療施設への空爆」これは戦争犯罪だ!

戦地での医療活動は国際人道法で保護されており、1949年のジュネーブ条約にも正式に記載されている。
また故意による病院への攻撃は国際人道法のみならず、国際刑事裁判所によって戦争犯罪として規定されている。
ところが、アフガニスタンやイラン、イエメンなどの紛争地域では空爆により多くの医療施設が攻撃の対象となっている。それがどれだけ酷いものかは数字が物語っている。
シリアのダマスカス周辺の「国境なき医師団(MSF)」関連の医療施設への攻撃により、2015年1年間だけで下記の様な被害を受けた。
医療施設への攻撃 94回
救急車への攻撃  16回
攻撃で全壊した医療施設 12軒
死亡した医療スタッフ 23人
負傷した医療スタッフ 58人
これはダマスカス周辺地域だけの被害であって、全体の規模は計り知れない。
今年になってからも医療施設への攻撃は激しさを増している。
新年から2月中旬までの1か月半の間に17軒もの医療施設が空爆を受け、14人のスタッフの命が奪われた。
4月27日にはアレッポの小児病院が空爆を受け、子どもや医療スタッフあわせて55人が死亡している。この攻撃でアレッポにいた最後の小児科医が命を落としている。
イエメンでもサウディアラビアが介入して以来、空爆による医療施設への被害が拡大しており、今年1月にはイエメン・ラゼーでの病院への空爆で6人が死亡、7人が負傷した。

こうした被害を見ていくと、これらが単なる巻き添えや誤爆ではなく、戦略的に行われていると考えるべきだろう。その典型が「ダブル・タップ攻撃」と呼ばれるものだ。これは最初に攻撃を仕掛けて、人々が救援にかけつけたところを再び狙って攻撃するというもので、明確な国際法違反だ。
しかし現実には、こうした卑劣な攻撃により大きな被害を受けているのが現状だ。
MSFは紛争関係国に当事者としての説明責任を果たすよう求めているが、反応はないようだ。

MSFの医療機関が受けた最大の被害は、2015年10月3日に起きたアフガニスタンのクンドゥーズ外傷センターへの攻撃だ。
アメリカ軍が午前2時8分から3時15分まで、15分間隔で爆撃を繰り返した。主要病棟が正確に爆撃されていて、殺害と破壊を意図したものであることは明らかだった。爆撃当初からMSFは米軍に対し電話などで繰り返し空爆の中止を求めたが、攻撃はやまなかった。
この空爆で患者24人、付き添い4人、医療スタッフ14人が命を落とした。
MSFは攻撃の4日前にアメリカ軍に対して病院のGPS座標を伝え、屋上にはMSFのロゴマークも設置していた。
この事件についてMSFは米軍、NATO軍や国際事実調査委員会に調査を求めている。
また、米国オバマ大統領に対しこの事件の調査に同意するよう、世界各国から署名が寄せられている。
しかし、現在までにいずれも調査協力は得られていない。

これら地域の紛争関係諸国は、明らかかな戦争犯罪である医療施設への攻撃を直ちに中止すべきであり、過去の事案についての調査と責任を明確にすべきだ。

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