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2016/07/28

鈴本演芸場7月下席・昼(2016/7/27)

鈴本演芸場7月下席昼の部・7日目

前座・三遊亭歌実『元犬』
<  番組  >
春風亭一蔵『猫と金魚』
松旭斉美智・美登『奇術』
古今亭菊丸『たがや』
桂文楽『悋気の火の玉』
すず風にゃん子・金魚『漫才』
古今亭菊之丞『親子酒』
五街道雲助『堀の内』
柳家小菊『粋曲』
三遊亭歌之介『母ちゃんのアンカ』
─仲入り─
ホームラン『漫才』
五明樓玉の輔『お菊の皿』
入船亭扇遊『浮世床-夢-』
鏡味仙三郎社中『太神楽曲芸』
古今亭菊太楼『井戸の茶碗』

妻が珍しく「今日、でかけないの?」ときいてきた。どうやら午後からアタシが不在なのが都合がいいらしい。
背中を押されちゃ仕方ない。寄席の昼の部に行こうと先ず末廣亭の番組を見たら、トリが文治なのでパス。池袋の出演者に三平の名があったので行く気をなくした。そんなわけで、無難な鈴本へ。顔付けには初めての人、久々の人の名前があったのも良かった。
開演およそ30分前に着いたら、一杯の入りだったので驚いた。団体客が多かったようだ。

前座の歌実『元犬』、「かじつ」と読む。鹿児島実業高校の出身のしゃれらしい。口調がはっきりしていて良い。
一蔵『猫と金魚』、着物の柄が浴衣みたいなので、羽織を脱ぐと相撲取りが座ってるみたいだ。明るい芸風がネタと合っていた。
菊丸『たがや』、季節に因んだネタで、威張りくさった侍への町人たちの怒りと、それに怯む侍の対照的な姿が描かれていた。この武士の一行だが、家来が槍を立てていたので正式の「供揃え」だったいうのは、菊丸の解説で初めて知った。だから、たがやが「供さき」を切ったので、手打ちにしようとした分けだ。
文楽『悋気の火の玉』、久々だ。先代の十八番を軽く演じる。
菊之丞『親子酒』、トリをつとめる弟弟子の盛り立て役として軽いネタで。父親が次第に酔ってゆく様はさすがに上手い。
雲助『堀の内』、軽いネタに見えるが、結構難しいのだと思う、下手な噺家が演った日にゃ聴いちゃいられないもん。こういうネタもこの人はニンだ。
小菊『粋曲』。小菊姐さんの唄声を聴くだけで幸せな気分になれるのは、アタシだけ?
歌之介『母ちゃんのアンカ(かあちゃんのあんか)』、一昔前までは芸人が自分の家族のことを高座でしゃべるのは忌避されていた。これを破ったのは師匠・圓歌の『中沢家の人々』だろう。歌之介のこのネタも全編自分の生い立ちや家族のことがテーマだ。『中沢家』同様におそらくは虚実ないまぜに語っているのだろうが、自分に酔って語るので観客を引き込む力は強い。落語というよりは、教祖の話術に近いかな。そこが好みの別れる所だろう。
ホームラン『漫才』、この日はTVショッピングをテーマに勘太郎が一人でしゃべっていたが、面白かった。基本は二人に芸があるからで、なかには芸の無い芸人もいるので困る。
玉の輔『お菊の皿』、よけいなギャグを入れた分だけ、つまらなくしていた。真っすぐに演じても十分面白いネタなのに。
扇遊『浮世床-夢-』、膝前だがきちんとした芸を見せるのは、いかにもこの人らしい。
菊太楼『井戸の茶碗』 、初だ。トリということで少し気負いがあったのか早口で、もう少し言葉を選んで語った方がいいと思った。登場人物の掘り下げも不十分に感じた。しかし、明るいキャラと語りがネタの爽やかさを引き立てていて、この点はとても良かった。

若手、ベテラン、中堅がそれぞれの芸と役割を演じて見せ、充実の下席だった。

自宅に帰ったら、「あんたがいなくて助かったわ」と妻が。助かった? 何が?

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コメント

古今亭一門イン鈴本ですね。
『堀之内』雲助
>軽いネタに見えるが、結構難しいのだと思う、下手な噺家が演った日にゃ
おっしゃる通りで、これだけどたばたになると、リアリティをこめるのが大変だと思います。圓蔵のが懐かしい。
『たがや』菊丸
夏の噺と言えばこれです。一朝のが好きですが、元来うまい菊丸のこと、レベルの高い一席だったでしょうね。


福様
雲助はこういう軽いネタも上手いです。先代圓遊の演出を忠実になぞっていました。
菊丸の『たがや』は、いかにもこの人らしい丁寧な高座でした。

菊丸、好きなのにずいぶん聞いてないなあ。
意識していかないとだめですね。
槍をたてて正式の大名行列というのは、せんじつたしか小せんがしゃべっていたような。

佐平次様
菊丸は上手い人ですが地味なせいか、寄席でもそれほど頻繁には顔付けされていないので、意識して行かないと高座に出会えません。「供揃え」は小せんも言ってましたか、私は菊丸が初めてでした。

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