「上方落語会」(2016/8/27)
特別企画公演「上方落語会」
日時:2016年8月27日(土)13時
会場:国立演芸場
< 番組 >
前座・笑福亭希光『平林』
桂文三『ちりとてちん』
月亭遊方『絶叫ドライブ~彼女を乗せて~』
笑福亭鶴光『善悪双葉の松』
―仲入り―
林家染二『借家借り(小言幸兵衛)』
千田やすし『腹話術』
桂ざこば『笠碁』
出演者では色物を除き、遊方とざこばが初。
文三『ちりとてちん』、この人の高座はひたすら明るい。顔を見ているだけで、こちらの表情も緩んでくる。ご本人の性格もきっと良いのだろう。料理が茶碗蒸しだけだったのは、ちと寂しかったが。
遊方『絶叫ドライブ~彼女を乗せて~』、車にまつわる長めのマクラから本題へ。新米ドライバーが彼女を車に乗せるが失敗ばかり、というストーリー。会場では笑いが起きていたが、アタシはつまらなかった。勢いだけでしゃべってる印象だ。もしかして『反対車』の改作? 違うかな。
鶴光『善悪双葉の松』、ギャグを次々繰り出すマクラから滑稽噺かと思っていたら、人情噺。講談の『名刀捨丸の由来』を鶴光が落語にしたもの。
ストーリーは。
江戸で真面目に奉公して貯めた100両を持って、男がが故郷に向かう途中で山賊に会い、身ぐるみ剥がされる。帰り道の用心のためと山賊から錆びた刀を受け取るが、これが名刀。300両の値が付いて再び武助は故郷に向かう。途中で山賊と再会するが、実家を潰した実兄だったことが分かる。兄は自殺し、男は拐されて強引に妻にされていた庄屋の娘を連れ帰り、結婚して家を再興する。
お堅い物語だが、鶴光はクスグリを挟んで地噺風に進め、楽しく聴かせていた。
染二『借家借り』、東京では『小言幸兵衛』として知られるが、元は上方落語。
ストーリーは東京で演じられているものと同じだった。最後の芝居仕立ての心中話では染二の芸達者が発揮されていた。
ざこば『笠碁』、ご本人が囲碁を打つ話をマクラに振って本編へ。このネタも元は上方だ。そういえば碁敵の大店の旦那は、船場あたりの商人が似合いそうだ。
さすがに碁を打つ手つきが上手く、語りも心地よい。
サゲは付けずに、目出度い話として切っていた。
ただ、5代目小さんや10代目馬生の様な抑えた演出の方がアタシの好みだ。
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